春の眠気とエゴ・レジリエンス

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

春になると、「朝起きられない」「日中ぼんやりする」「眠いのに寝つけない」といった声が増えます。古くから“春眠暁を覚えず”と言われるように、春は眠りが揺らぎやすい季節です。そこで今回は、春の眠気とエゴ・レジリエンスについてのお話です。

春の眠気の原因

春は気温差が大きく、自律神経に負荷がかかります。春の眠気は、体内時計の乱れや自律神経の不調、花粉症や生活リズムの変化などが複合的に影響して起こります。

1.体内時計の乱れ
春になると日照時間が急に長くなり、冬に分泌された睡眠ホルモン・メラトニンが体内に残っているため、朝にスムーズに目覚められず、起床後2時間ほどで再び眠気を感じることがあります。

2.自律神経の影響
春は朝晩と日中の気温差が大きく、体温調節のために自律神経が活発に働きます。この切り替えによりエネルギーを消耗し、疲労感や眠気を引き起こします。また、気圧変動やストレスも自律神経の乱れを招き、日中の眠気につながります。

3.花粉症やアレルギー
春は花粉や黄砂、PM2.5などの影響で鼻づまりや目のかゆみが生じ、睡眠の質が低下します。さらに、アレルギー治療薬の副作用で眠気が増すこともあります。

4.脳の酸素不足や社会的時差ぼけ
最新の研究では、春の眠気は脳の酸素不足や平日と休日の睡眠リズムのズレ(社会的時差ぼけ)も関与していることがわかっています。年度末の多忙や生活リズムの乱れが、日中のぼんやり感や眠気を強める要因です

つまり春は、身体も心も揺らぎやすい「負荷の季節」ということ。春の眠気は、身体と心の調整が追いつきにくい季節特有の生理反応なのです。

睡眠の揺らぎとエゴ・レジリエンス

エゴ・レジリエンスとは、状況に合わせて気持ちや行動を柔軟に切り替える力。しかし睡眠が乱れると、この柔軟性がうまく働かなくなります。
たとえば、以下のようなことが考えられます。

● 感情のブレーキが効きにくくなる
睡眠不足の状態では、感情の中枢である扁桃体が通常より60%以上強く反応することが報告されています。
その結果、いつもなら流せることに過敏になりやすくなります。

● 認知の柔軟性が落ちる
睡眠不足は「認知的柔軟性(考え方の切り替え)」を有意に低下させることが示されています。
小さな変化に対応しづらくなり、思考が極端になりやすくなるようです。

● ストレス耐性が下がる
睡眠不足はストレスホルモンを増加させ、ストレス耐性を低下させることが知られています。

つまり、睡眠の質は誰もが持っているエゴ・レジリエンスの土台なのです。逆に言えば、春は「しなやかさを鍛えるチャンスとも言えます。
春の眠気やだるさは、心身が環境に適応しようとするサインです。ここで大切なのは、“完璧に整える”のではなく、“微調整を積み重ねる”こと。
エゴ・レジリエンスは、大きな努力よりも小さな調整の反復で育ちます。
春はその練習にぴったりの季節です。

「しなやか睡眠」のための習慣

誰にも無理なく続けられる、エビデンスに基づいたお勧めの習慣をあげてみます。

1.生活リズムの固定
起床・食事・光を浴びる時間を毎日ほぼ同じにする。
生活リズムが整うと、体内時計が安定し、睡眠の質が上がります。睡眠の質が高いほど、前頭前皮質(感情調整の司令塔)がよく働くことが知られています。

2.朝の「光のリセット」
起床後10〜15分、窓辺や屋外で自然光を浴びる。曇りの日でも効果は十分。
朝の光は、体内時計を司る視交叉上核(SCN)に直接作用し、
✓眠気を生むメラトニンの分泌停止
✓日中の覚醒を支えるコルチゾールの適正な立ち上がり
✓夜のメラトニン分泌のタイミング調整
を行うことが知られています。
さらに、光刺激はセロトニンの活性を高め、気分の安定・意欲・集中力を支える神経基盤を整えます。

3.鼻呼吸の確保
花粉症や鼻づまりで口呼吸になりがちな春に、鼻呼吸を意識して確保する。
鼻呼吸は副交感神経を優位にし、心拍変動(HRV)を高めます。HRVが高いほど、感情調整力が高いことが多くの研究で示されています。

4. パワーナップ(短い昼寝)
10〜20分の短い昼寝で脳の疲労をリセットする。
短い昼寝は注意力・判断力・感情の安定を改善することが多数の研究で確認されています。特に午後の「感情の粗さ」を和らげる効果があるようです。

5. 軽い運動(散歩・ストレッチ)
10〜15分の散歩や軽いストレッチ。
軽い運動は脳内のセロトニンを増やし、気分の安定と睡眠の質向上に寄与するとされています。また、運動は「認知的柔軟性」を高めることが明らかにされています。

6. 冷水刺激(冷水で顔を洗う・手首を冷やす)
朝や眠気の強いときに、冷水で顔を洗う・手首を冷やすなど。
冷水刺激は迷走神経を刺激し、交感神経の過剰な興奮を抑えます。結果として、気分の切り替えがスムーズになるのです。

こうした対策は、単なる生活習慣というより、「揺らぎやすい春に、心身を微調整しながら適応するための行動」です。それこそが、エゴ・レジリエンスの本質である柔軟に切り替え、回復し、適応する力と言えます。
つまり、春の睡眠対策は、そのままエゴ・レジリエンスのトレーニングになるということです。

以上、エゴレジ研究所から、春の眠気とエゴ・レジリエンスについてご紹介しました。春は、眠りも心も揺らぎやすい負荷の季節。でもその揺らぎは、自分をしなやかに整える力を育てるチャンスとも言えます。「春眠暁を覚えず」の季節に、生活リズムや呼吸、ストレッチなど、いろいろなスイッチを見つけて自分に合った調整をしてみませんか。その積み重ねが、春の不調を乗り切る“しなやかな自分”をつくります。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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