スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。 エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。 |
80年代の音楽やファッションが再び注目を集めているようです。ディスコイベントが開催されたり、レコードが人気を取り戻したりと、当時を知る世代が再びその文化を楽しんでいるのが特徴です。そんな健康や趣味、仕事そして消費行動においても新たなトレンドを生み出す存在が新人類世代。今回は、50代、60代を指す「新人類シニア」についてのお話です。
新人類世代、新人類シニア
「新人類」という言葉は経済学者の栗本慎一郎氏による造語で、1980年代に「他の世代とは異なる価値観・常識を持つ若者世代」を指す言葉として注目を集めました。かつては“若者”として注目されていた新人類もシニア期に突入し始めて、再びフォーカスされている形です。
年齢の定義は各所で若干異なります。
新人類世代は、1955年から1967年に生まれた世代のことを指し、2025年現在の年齢は58〜70歳になります。
新人類シニアは、1961~1970年生まれの人々をと定義し、現在の年齢で言うと55~64歳の方々です。
最近はシニアというワード以外にも、コマーシャルなどで新しい呼び方が誕生しています。それが「グランド・ジェネレーション」です。直訳すると「最上の世代」という意味であり、シニア・高齢者などの呼び方よりも若々しくポジティブな印象を与えるために、放送作家の小山薫堂氏が提唱している言葉です。「グラジェネ」「G.G」「グラン世代」などと略されることもあります。
シニア世代のライフスタイル
2024年12月に女性誌販売部数No.1の「ハルメク」は、主に50代以上の女性のシニア世代の新しいライフスタイルやトレンドを発表しました。以下の5つのテーマが挙げられています。
1. デジ得シニア
デジタル社会への移行が加速する中で、シニア世代はキャッシュレス決済やポイント活用に力を入れています。2019年と比較して、EC利用率は52%に達し、オンライン決済も45%に増加。物価高の影響もあり、得するためにデジタルを駆使する姿勢が見られます。
実際の調査において2019年(コロナ前)と比較すると、ネットショッピングは18ポイント増加して52%、オンライン決済は40ポイント増加して45%、ポイ活は25ポイント増加して43%に達しています。ほぼ半数近い方がデジタルサービスを利用して買い物をしており、シニアの現金離れが進んでいるとも読み取れます。
2. シニア解放区
「シニア解放区」とは、1980年代に「新人類」と呼ばれた世代が還暦を迎えたタイミングで生まれた新しい文化的概念です。80年代の文化が再評価され、高齢者が楽しめるディスコや音楽イベントが活況を呈しています。青春の追体験や共有体験を通して、健康や生きがいを実感できる場がシニア世代の間で活気を帯びています。「シルバーディスコ」などのイベントに参加を希望するシニアも多く、自らの楽しみを求める傾向が強まっています。
3. エイジフリーWORK
人手不足が叫ばれるなか、「働き方改革」の中でも「65歳以上の就業促進」はテーマの一つ。その後押しもあってか、定年退職をしても今どきシニアは社会参加に前向きです。
その理由としては、「社会との関わりを得たい」「仕事を通じて自分が役立っていると実感できるから」の声が調査の結果上位に。今後も社会とのつながる意識や還元欲求は増大するであろうと予測しています。
4. シンニーア(シニア+新NISA)
金融を意識した資産形成が進んでおり、NISA口座の利用も増加しています。実際、NISA口座の普及率は2022年と比べ、全体は16%→23%、50代は18%→26%、60代は18%→24%の伸び率。シニア世代がインフレ対策として資産運用に取り組む姿勢が伺えます。
5. ラストパートナー(ラスパ)
同居期間が20年以上の夫婦が離婚する熟年離婚が、離婚した人のうち23.5%と過去最高になったと公表しました。その一方で、未婚の高齢者がパートナーを希望する割合が増える中、第二の人生として新たなパートナーを求めるシニアも増加しています。満席になるほど人気のシニア向け婚活バスツアーや、大人の恋愛リアリティー番組など、シニアの婚活は注目を集めています。
シニア世代が直面するエイジズムからの解放が進む中、女性が求める「居場所」や「お得な幸せ」、そして「自分らしい仕上げ探し」についても共感が生まれています。年齢を気にせず、自分の望むライフスタイルを追求するシニア層がどんどん増えてきているようです。
「新人類シニア」とは、従来のシニア像を覆し、デジタル活用や趣味、仕事に積極的な50代・60代を指すようです。近年、50代以上のスマートフォン普及率は90%を超え、SNSの利用者も60代で50%以上と急増しています。オンラインショッピングを利用する人も多く、健康や美容、ファッションにもこだわりを持ち、ライフスタイルの充実に投資する傾向が強まっていると言われています。
かつては「年齢とともに老いていく」という価値観が一般的でしたが、今の50代・60代は、「年齢に縛られず、自分らしく生きる」ことを大切にしていると言えるでしょう。
新人類世代の背景
子供の頃からテレビやマンガの影響を強く受けて育ち、青年期にはテクノポップやロック音楽に夢中になるなど、独特の若者文化を作り上げ、多くのサブカルチャーの旗手が生まれました。大学入試では共通一次試験が始まり、日本企業の国際的な地位が高まって「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた時代に社会に出た世代です。
※「新人類」と呼ばれた世代が過ごした主な出来事/日経クロストレンド編集部
「ハルメク 生きかた上手研究所」の梅津順江所長は、先のアンケートの結果を踏まえ、“常識やしがらみなどのエイジズムから解放された人が増え、「年を重ねるのは楽しい」「自分の好きやラクを生涯追求できる」「いつまでも社会の役に立てる」「自分を活かしきれる」という状態になり、シニアの生きかたや暮らしかたに明るい未来が照らされます”と語っています。
以上、エゴレジ研究所から「新人類シニア」についてご紹介しました。50代・60代の「新人類シニア」は“老後”ではなく“現役の延長”として人生を楽しむスタイルを確立しつつあります。そんなエネルギッシュなシニアは、デジタルに強く、趣味や仕事に積極的で、心の豊かさや自己実現を大切にしているようです。
エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。
あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/
<プロフィール>
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代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授 |
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GM 畑 潮/心理学博士 GCDFキャリアカウンセラー 健康リズムカウンセラー |
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