レジリエンスを高めるクラシックブルー「色と健康」

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

「ブルーな気持ち」「真っ赤な嘘」など、私たちはしばしば気持ちや状況を色で表現します。また最近では、自分に合う色を見つけるパーソナルカラー診断に人気が集まるなど、色に興味を持っているひとは多いようです。色は私たちの身体や心にどのように関わっているのでしょうか?今回は「色と健康」の関係についてのお話です。

色の研究

【17世紀~19世紀】「万有引力の法則」で有名な科学者のニュートン(17世紀後半から18世紀前半)は、光学の研究でもよく知られています。それぞれの色が波長の異なる振動数で震えていることなどを発見したそうです。じつは、虹の色の数を「7色」と決めたのもニュートンなのだとか。

一方で、神秘療法とも呼ばれたカラーヒーリングの先駆者は、エドウィン・D・バビット氏。19世紀後半に『光と色の原理』を出版して、次のように色を分類し、世間を騒がせました。

赤色は血液の循環を促す
青色は血液の流れを沈静させる
オレンジ色黄色は神経を刺激する

しかし、当時はたとえば「色が身体に影響するわけがない」「なんだかうさんくさい」などと、かなり強い偏見を持たれていたようです。

【現代】現在は、エビデンスを示したうえで色の効果が語られることも増え、色のプロフェッショナル(カラーセラピストや色彩心理カウンセラーなど)も数多く活躍しています。
一般社団法人色彩心理カウンセリング協会によると、色にはそれぞれプラス面とマイナス面があるそうです。同協会が示している、色のキーワードを見てみるとよくわかります。

【レッド】:「情熱・行動力・活動的」or「負けず嫌い・情緒不安定・嫉妬心」
【オレンジ】:「社交的・思いやり・温かい」or「寂しがり屋・孤独・依存」
【イエロー】:「明るい・楽しい・幸せ」or「子供・注意・集中力に欠ける」
【グリーン】:「癒し・安全・協調性」or「心身の疲労・優柔不断」
【ブルー】:「公平・誠実・爽やか」or「寂しい・食欲減退」
【インディゴ】:「直感力・洞察力・フォーマル」or「抑圧・引きこもる」
【パープル】:「品格・芸術的・高貴」or「現実逃避・不満・ナルシスト」
【ピンク】:「愛情・気配り・可愛い」or「子供っぽい・未熟」
【ホワイト】:「純粋・清潔・誠実」or「理想主義・頑固・自己否定」

このプラス面マイナス面を踏まえて、色は1色に偏らず、いろいろな色を取り入れていくといいそうです。いま自分に足りない部分を色で補う、というイメージでしょうか。

一方、色の心身への直接的な影響も示されています。光と色の研究者であるジェイコブ・リバーマン氏の著書 『 光の医学 』には、「ジョン・アンダーソン博士が、点滅する赤い光に偏頭痛の痛みを止める効果があることを発見した」とあります。
また、アメリカの犯罪学者、アレキサンダー・シャウス氏は、「ピンク系の色が苛立った神経をやわらげる」ことを発見し、刑務所の独房をピンク色にしてみたところ、暴力的・攻撃的な行為の発生が激減したそうです。

色と自律神経

自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあり、必要に応じて切り替わって働いています。色は暖色系の色(赤や黄色)と寒色系の色(青や紫)に分けることができ、暖色系の色は交感神経を活発にさせ、寒色系の色は副交感神経を活発にさせます。

◆赤と青の部屋の実験

「赤」で統一された部屋と「青」で統一された部屋を作り、内部の温度を一定します。被験者には部屋の色は教えず、目隠しをしてそれぞれの部屋に入ってもらいます。約10分間それぞれの部屋で脈拍数と体温を測ります。すると、目隠しをしているにもかかわらず、赤の部屋で測った時は、血圧が上がり、呼吸数、筋肉緊張が増大し、1分間もしないうちに皮膚温度が上昇、脳波にはベータ波(ハッキリした目覚め状態)が記録されました。その後、休憩ののち青の部屋で測った時は、血圧は下がり、呼吸数、筋肉緊張も減少。時間が経過しても皮膚温度には何の変化も見られませんでした。脳波の記録は、アルファ波(ボンヤリとした目覚め状態)が主流で、シータ波(ウトウト状態)まで現れたのです。

この実験で、目隠しの状態でも身体に変化が生じたことで、ヒトは視覚以外でも「色」を感じることができることが判明しました。

◆カラーセラピーの考え方

人が好む色には、その人の育ってきた環境や考え方などが反映されます。人が気になる色には、そのときどきの気分や気持ちの変化が驚くほど繊細に現れるのです。選んだ色から心身の状態を判断し、心や体に必要な色を処方する、それがカラーセラピーの基礎となります。

色は光、つまり電磁波の一種です。電磁波といえば、赤外線・紫外線・X線などが有名ですが、人の目に見える色(可視光)もこの電磁波の一種なのです。

目から入った色の刺激は、脳の視床下部に届きます。この視床下部は、神経系やホルモンなど内分泌系の機能調整を一手に引き受ける司令塔です。神経系や内分泌系は、人の精神と深く関わっています。そのため、色で気持ちをコントロールすることもできるのです。イライラする時、無気力な時、不安な時、そんなさまざまなストレスも色が解決の手助けをしてくれます。

暖色系の色は「動」的な心の状態、寒色系の色は「静」的な心の状態と結びつくことが多いようです。

無意識に脳に影響する「色」の光線

1910年にシュタインやフェレは光の変化による筋肉の緊張度の変化を「ライト・トーナス変化」としてまとめ、光による筋肉の緊張度として「ライト・トーナス値」が用いられました。

何にも影響されていない筋肉の状態を数値23(通常ユニット)とし、各色の光線に対する筋肉の変化を、赤42、オレンジ(橙)35、黄30、緑28、青24という値で示すものです。色の光線は人間の筋肉に対し、心理的な条件とは関係なく影響があることを実験で証明したのです。

感情に働きかける色とはまた別の、肉体に働きかける色の機能が発見されたことになります。

色の光線による筋肉への影響は反射的なもので、数値が小さいほど筋肉が弛緩している「リラックスしている」状態で、反対に数値が高くなるほど、興奮状態を表します。自分が落ち着いた気分のほうがパフォーマンスを発揮できるのか、それとも少し興奮状態のほうがいいのかによって、選ぶべき色は変わってきます。

「クラシックブルー」のパワー

印刷物やアパレル製品など、さまざまな分野で色見本帳を提供している PANTONE(パントン)が、2020年のパントン・カラー・オブ・ザ・イヤーとして、「クラシックブルー」を発表しました。PANTONE によれば「クラシックブルー」は、わたしたちの精神に安らぎを与え、集中力まで高めてくれるのだとか。

パントン・カラー・オブ・ザ・イヤーは、カラーエキスパートが、世界中のエンターテインメント、スポーツ、テクノロジー、アート、トラベル、ファッション、ライフスタイル、社会経済状況などを調査し、検討と分析を重ねて決定するのだそうです。

PANTONEによれば、「クラシックブルー」にはこんなパワーがあるそうです。

安らぎをもたらす
静けさをもたらす
安心感を与える
集中力を高める
頭をクリアにする
レジリエンスを高める

先述のとおり、寒色系には鎮静効果があるので、心身を落ち着かせて、集中力を高め、頭をクリアにしてくれるのも頷けます。心が安定するからこそ、レジリエンス(回復力・立ち直る力)も高まるわけです。

色彩心理カウンセリング協会も、青に深みを与えた色には、直感力・洞察力・判断力・物事を見極める力・自己への信頼を高める効果があると示しています。精神状態が安定していなければ、起こり得ないことです。これらが、「副交感神経をしっかりと働かせている状態」を示していることは、疑いようがありません。つまり、「クラシックブルー」の効果とは、現代人の「自律神経を整えてくれる」ということです。

ちなみに、2021年のカラー・オブ・ザ・イヤーは「アルティメット・グレイ」と「イルミネイティング」の2色です。

アルティメット・グレイは、永続的な基盤をもたらす強固な信頼を象徴する色で、落ち着きや安定、回復への思いを促すとされ、イルミネイティングは、生き生きとした輝きを放つ明るく陽気なイエロー。2色を組み合わせることで、実用的でありながら暖かみがある楽観的なカラーコンビネーションを生み出し、不屈の精神に支えられたポジティブなメッセージを表現するとしています。

色と健康

色を知覚する右脳は左脳ほど頻繁に使われないケースが多いと言えます。このような左脳への偏重は、極度の疲労や過剰なストレスをもたらし、心の健康へも影響します。生活に色彩を取り入れ、右脳の働きを活発にすることで、左右の脳のバランスがとれ、ストレスが解消しやすくなる効果があるとされています。

また、色は人間の健康と密接に関係しています。たとえば、ウンチの色で健康状態をチェックすることができます。ほかにも、おしっこの色然り、爪や舌、顔色なども同様でしょう。「不調や病気のサイン」を発信して私たちの健康維持に寄与していることも、色の大きな役割といえるでしょう。

私たちの身体や心は、色に対してさまざまな反応を示すことが分かってきています。たとえば風邪を引いたときは赤いパジャマや服を着て身体を温める、あるいは白い寝具やパジャマを使って回復に必要なエネルギーを取り入れる、食欲のないときはオレンジの照明や食器類を使って内分泌を促進する、眠れないときはブルーのパジャマやシーツにして精神安定を図る、長時間の仕事の合間に緑を見つめて、目と心を休める…など、色がもたらす効果を利用して治癒力を高めるという考え方もできるわけです。

以上、エゴレジ研究所から「色と健康」の関係についてのお話をご紹介しました。私たちは当たり前のように色のある世界に生きています。目の前には実に多くの色があふれています。そして、明るい色に元気づけられたり、ときには暗い色に気持ちを引っ張られたりすることも…。

今回ご紹介した色が持つさまざまな情報を参考にして、暮らしに色を取り入れて色と上手に付き合っていきましょう。生活に色彩を取り入れるということは、なにも難しいことではありません。最初は自分の好きな色を見つけるという簡単なことから始めて、生活のさまざまナシーンに応用していくと、気持ちよく快適に過ごせるようになります。さらに脳の活性化、ひいては心と身体の健康へとつながります。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NYこどものくに東京 理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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