パリのコロナ状況

<秋深まるパリからコロナ感染症の近況について>

皆様こんにちは。来年初めにパリに引越予定のコンヴェール昌子です。今日は、既にパリに暮らす家族から聞いた街の様子やコロナ対策、出入国の条件などについてお伝えします。

10月にアート作品としてラッピングされた凱旋門

昨年3月頃から始まったコロナ第一波では、1日の死者が1,000人を超す日が何度もあり、罰則付きの厳しい外出制限を伴うロックダウンが2か月に渡り行われたフランス。その後三度目のロックダウンを経た後ワクチンが普及して、最近はすっかり落ち着いているようです。

とはいえ、昨年のロックダウン後、夏のバカンス時期に一気に気が緩み、秋には大きくリバウンドした過去の失敗に学び、屋内や交通機関でのマスク着用義務など最大限の予防措置は取られています。中でも厳しく守られているのがワクチンパスポート『衛生パス』の提示で、ワクチン2回接種済みを証明するQRコードを見せないと、美術館、シネマ、劇場、スポーツ観戦はできません。もちろんレストランやカフェでも、パスなしでは入店だけでな
くテラス席に座ることもできません。

カフェやレストランでの衛生パスの提示場面

 けれども、この衛生パス提示の義務化によりこれまでの制約は大幅に解除され、レストランやカフェの営業時間やアルコールの提供はほぼ以前通りに戻り、道に大きく張り出したテラス席で大勢のお客が食事やお酒を楽しむ風景があちこちで見られるそうです。

夜もにぎわうカフェ

昨年は中止となった毎年9月に開催される『ヨーロッパ文化遺産の日』も、今年は衛生パス提示と入場予約制が導入され、フランス全土で17,000もの普段は見ることのできないスポットが公開されました。夫は大統領府エリゼ宮など、2日間で4つのスポットを見学したそうです。

エリゼ宮の大統領執務室

ワクチン2回接種率が約75%(夫が検索した情報では80%超)と、日本とほぼ同じかやや上のフランスでは、このようにメリハリをしっかり付けて、感染予防と経済・文化活動を両立させる『withコロナ』の生活様式を確立させつつあります。実際に、飲食以外の分野でも人出は以前と同じに戻っていて、唯一スポーツクラブだけが遅れているとのことです。

ところでフランスといえば世界有数の観光立国。コロナの始まりから既に1年半以上が過ぎ、パリが恋しい、早くまた訪れたいという方もいらっしゃるのではないかと思います。実はフランスは以前から入国制限が日本よりずっと緩く、日本のような感染者の少ないグリーンカテゴリーの国(他にオレンジとレッドがある)からは、現在渡航にあたっての特別な理由はなくてもOKです。また、ワクチン接種済みの人はもちろん、未接種者でも出発72時間前以内の陰性証明があれば、フランス到着時の感染検査も自主隔離も使用する交通機関の指定もありません。

私が昨年9月に家族の用事で渡仏した際も同様で、パリの空港に着くと無料のPCR検査を任意で受けられるブースが設けられていただけ。私は人生初のPCR検査を受け、翌日陰性結果がメールで届いたのですが、パリ到着直後から自由に動けたのにはかなり驚きました。
つまり、これまで日本からフランスへの渡航が大変だったのは、日本より高い感染リスクもありますが、主に日本帰国時に課せられる14日間の自主隔離があったからでした。
そして最近感染者が激減した日本でも制限緩和の動きが続いており、14日間だった隔離期間が、10日プラス検査の陰性結果で移動が可能となっています。更に11月8日からは、外国人のビジネス目的の来日と日本人の帰国に関しては、3日間プラス陰性結果に短縮されることが5日に発表されました。

一方、今ロシアでは連日感染者数過去最多を更新、ドイツやイギリスでも毎日3万人を超えるなど、ヨーロッパが再び感染の中心地域となることが懸念されています。フランスはまだかろうじて1万人を切っている状況ですが、今後はどうなるか、コロナに関しては予想が全く立ちません。
観光で自由にフランスを訪れることができるようになる日は、残念ながらまだまだ先かもしれませんね。

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