《和文化》秋祭りに思うこと

こんにちは!笛の福原百麗(ふくはら ひゃくれい・藤本博子)です。

10月に入っても台風襲来したり、晴れると30度超えたり、スッキリしない天気が続くものの・・・秋本番です。

秋といえば・・・
芸術、美味しいもの、運動会(今は春も多いけど)、そして・・・お祭りですね!

笛・太鼓の賑々しいお囃子の音色が遠くから聞こえてくるのは、日本ならではの懐かしい風情です。

私の笛の師匠は、生徒さん、弟子たちに、「人前で笛を吹くチャンスがあれば、どんどんチャレンジしなさい」とよく言われます。
練習のため、本番に強くなるため、という理由もありますが、一番大切なことは、

「好きな笛をもっと好きになって、素敵な笛の音色を多くの方々に知っていただく」

ということです。

たとえば、会社の宴会とか、ボランティアで施設で吹くとか、保育園とか子供会とかお子さんたちに聞いていただくといった機会があったりしますが、そうそう頻繁にあるものでもありません。

実はもう一つ、笛を吹くチャンスがありまして・・・

それが、祭囃子なんです。

例えば都内であれば、高円寺の阿波踊りのような大きいお祭りには、連(れん)というグループがいくつもあります。
ダンスチームとか和太鼓チームみたいなものですね。

笛、太鼓、三味線などのミュージシャン、踊りやお神輿を担ぐ人などの集まりです。

笛を習っている方でしたら、そこで活躍の場ができるでしょうし、ピアノみたいに教則本があって誰でもできてしまう音楽と違って、門外不出のような音楽ができるという特別感満載なわけです。
プロもアマもないですから、優越感だって半端ないはず。
それにお祭りの音楽ですから、基本楽しくやるもので、お祭りの後の達成感やお酒の味は格別でしょう。

お祭りは春と秋の年1、2回が多いですが、連では年中定期的に集まって練習をしておりますので、上達も期待できます。

私の師匠も、チャンスがあれば地元のお囃子グループに入るといいよ~と仰るのですが・・・

どうも最近、首をかしげたくなる話が耳に入ってきます。

よく聞くのが、お囃子グループや指導してくれる人によって当たり外れがあるということ。

先日は、笛を教えている生徒さんの一人(地方の方)が、地元のお囃子グループで笛が吹ける人を募集していて、応募した話をしてくださいました。

なんと試験があったそうで、10数人の応募者の中から、3人の合格者の一人に選ばれたそうです。

そのグループには笛吹きが2、3人いるそうですが、どうも権限があったり立場が弱かったりと、階級的な構図があって、パワハラもあったそうです。
すっかり嫌気がさした生徒さんは、「それでしたら、辞めます!」と啖呵を切ってやめてしまったそうです。

なんだかつい最近聞いた、女子体操の話とそっくりですが、日本ではどの世界にでもある話なのでしょうか。
悲しくなってしまいますね。

軍隊的にトレーニングするグループがあるという話も時々聞きますが、実際、腱鞘炎になってしまったという笑えない話もあります。

まるで、どこかの企業でもありそうな話ですが、元々笛や太鼓が好きで始めて、お囃子チームに入られたのに、体を崩し、パワハラを受け、精神を疲弊してしまっては、何のために始めたのかわかりません。
そんなつまらないことで、好きだった和楽器が大嫌いになってしまったら・・・・こんな残念なことはありません。

心から楽しく、和の懐かしい音色を愛でて、長く続けられるもの。
そして年齢に関係なく、上達が感じられたり、達成感が味わえるもの。
それが和楽器ですし、日本のお祭りは神様に五穀豊穣を感謝したり、その喜びを表すものですから、明るく、朗らかな気持ちで楽しみ、演奏したいですね。

笛や太鼓に興味がおありでしたら、各地のカルチャーセンターで講座がありますし、素晴らしいお囃子グループももちろんたくさんありますから、必ず事前に見学をするか、お試し講座など受けてみて、先生とも直接お話をしたり質問されて、相性を確かめられることをお勧めします。

そして、今は何と言ってもお祭りシーズンですので、ぜひぜひお出かけになって、生でお囃子を観てみてくださいね。
今まではお囃子さんをじっくり見ることなんてなかったかもしれませんが、練り歩いてたり、山車に乗って演奏されてる様子をじっくり見るだけでもめちゃくちゃ面白いですよ。
その場で「私もやってみたいんだけど、できますか?」ってアプローチしてみるのも手です。

写真は、先週終わってしまったのですが、地元佐倉の秋祭りです。
人出は多いですが、程よい多さなので、間近で山車も眺められて、生演奏も堪能できるお勧めのお祭りです。

どうぞ日本の秋を楽しんでくださいね~

藤本博子(福原百麗)

伊藤忠商事を皮切りに、転職8回、事務職から営業、大道芸人まで20の職種を経験。16年間、人材派遣・紹介会社にて営業、転職コンサルタントとして勤務後、独立。

これまでのべ1万人以上の就業・転職サポートを行い、2013年には人材大手転職サイト主催のスカウトコンテストにて1位(部門別)獲得。

現在、民間委託の求職者支援訓練指定校(セラピスト養成)にて就職支援講座(自己分析、就活実技、顧客サービス等)及びキャリアカウンセリングを担当。現在、京都造形芸術大学で芸術学を学びながら、アートを取り入れた「じぶん分解ワークショップ」を開発。訓練校やセミナー等で広く活用している。

一方、長唄囃子福原流笛方として演奏活動の他、洋楽(フルート)との比較やビジネスの視点から見た指導は非常にユニーク。

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