《健康》エゴレジとオープンマインド

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。

エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。

🔴オープンマインド 

時々耳にするようになった「オープンマインド」という言葉があります。オープンマインド(Open mind)は、マインド(心)がオープン(開いている)ということで、わかりやすい言い方をすると、「自分の考えに固執しない」「他人に対しても心を開いている」という意味です。つまり、「オープンマインドな人」というのは、「何かの意思決定をする時に自分の考えに固執せず、他の意見を取り入れ理解しながら進めることができる人」のことを指します。

海外では日常的に使う言葉ですが、これを日本語に訳すのは難しく、あえて対義語を日本語で表すなら「固定観念」ということになります。固定観念に捉われて新しい考え方を排除することはオープンマインドの逆の考え方です。

オープンマインドな人は、自分の考えが絶対正しいと決めつけず、他人の考えを聞き入れることができます。他人の意見に耳を傾けることによって、それまで自分にはなかった新たな考え方を見つけることが可能になります。その経験がいくつも蓄積されることによって、物事に対して柔軟な考え方ができるようになり、新たな問題に直面しても適切に対処できるようになります。エゴレジと同じです。様々な思想・意見・気持ちを取り入れることで発想力や想像力が鍛えられるのです。凝り固まった考えを持たず、臨機応変に対応することができるのはオープンマインドな人のメリットで、レジリエントな人の特徴のひとつです。

🔴オープンマインドのポイント

誰もが意味を知れば「オープンマインド」がエゴレジ力のアップに通じることは理解できます。でも、実際には難しいところです。多くの人はオープンマインドになる要素を持っています。無理に自分の心を開く必要はありません。重要なことは無理をしないことです。日本語の直訳は「心を開く」ことなので、自分の心を開く行動と考え方、意識がポイントです。無理をせず少しずつオープンマインドに近づくような方法と意識を身に付けていくことで変わっていきます。

中でも、誰もがすぐに実践できることがあります。それは挨拶です。挨拶は人のコミュニケーションの中でも基本的なことです。実は今の社会人でもしっかり挨拶ができていない方は増えています。まずは他人と関わりを持つところからのスタートです。

これからコミュニケーションをとる準備が整っているオープンマインドな方であれば、自然と「こんにちは」「はじめまして」といった元気のよい挨拶が口をついて出てくるものです。

🔴挨拶の効用

1.挨拶をすると気持ちがいい

まず挨拶をすると「気持ちがいい」です。「挨拶してイヤな気持ちになった」なんてことは滅多にありません。挨拶はするのもされるのも気持ちがいいものなのです。これは大きなメリットです。
挨拶には、暗い気持ちを吹き飛ばす力があるのです。1回や2回、挨拶をしただけでは気分は変わりませんが、挨拶を続けていくと気持ちは間違いなく明るくなっていきます。

2.笑顔になる機会が増える

挨拶をするとき、人は無意識のうちに笑顔を作ります。暗い顔で挨拶をする人はあまりいません。「おはようございます!」と挨拶をしている人の顔はほとんどが笑顔です。こころと身体はつながっています。こころの元気のない時は、まずは身体から元気に振る舞うことです。すると、こころも身体につられて元気になってきます。挨拶をきっかけにして笑顔が増えれば、気持ちもそれにつられて上向いてくるのです。

3.人間関係が良くなる

挨拶する/しないを、意図的に使い分けている人もいます。挨拶があればオープンマインド、なければクローズドマインド。
誰かに挨拶をするということは、その相手を「認めている」ということになります。認められていると感じれば、人は喜びを感じます。自分を認めてくれた人に対して好意的に接するようになります。ささいなことですが挨拶をするだけで、人間関係は良くなっていくのです。お辞儀をしたり、握手をしたり、手をふったりすること。このようなオプションをプラスした挨拶をされたら、あなたは気持ちの良い印象を受けませんか?

4.社会常識のある人という評価を得られる

「あの人、挨拶もろくにできないのよね」という文句は良く聞きます。挨拶ができる、というのは「基本的な社会常識がある人がどうか」を判断する一つの材料になっています。挨拶をするだけで、あなたは「あの人はしっかり挨拶してくれて、とても常識のある人ね」という評価を得ることができるのです。

5.挨拶から会話が始まる

挨拶をきっかけに会話が始まる。これはよくある光景です。挨拶を続けていると、そこから会話が生まれることがあります。色々な人と話す機会も少しずつ増えてきます。挨拶するだけでも、相手との距離が縮まります。そこから関係が生まれます。いろいろな人との関係が、自分の役に立つこともあります。

6.今すぐに始められる

挨拶のすごいところは、効果が大きいわりに、簡単に始められてしまうところなのです。ありがたいことに日本語というのは豊富な挨拶のラインナップが揃えられています。
おはようございます。こんにちは、こんばんは。さようなら。はじめまして。よろしくお願いします。いってらっしゃい。おかえりなさい。お疲れさま・・・1日のうち、挨拶をする機会は何回もあります。

今すぐ始めることができるのです。必要なものも何もありません。

人と信頼関係を築くためには自分の心を開く必要があります。「挨拶」という字には、「相手に近づき心を開く」という意味があります。自分の方から心を開き相手に近づくというのが、オープンマインドの第一歩。そして、エゴレジ力アップの秘訣です。

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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。

小野寺敦子

エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。

畑 潮

エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー

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