Vol.28 睡眠と子供

おはようございます。
人生、丈夫に寝たもん勝ち!2分間コラム。前回は高齢者と睡眠でした。今回は、「子供と睡眠」のお話です。

児童・生徒年齢の現代の子どもの成長と睡眠の状況についてお伝えします。
カグジョ読者の皆様には、そのような年齢のお子様・お孫さんをお持ちの方も多いと思います。子供の自立への一歩の参考にしていただければ幸いです。

「寝る子は育つ!」これは本当です。子供の健やかな発達には睡眠が必要ではあることは保護者の皆さんもご存じのこと。
本来は、乳児期から発達段階に応じた睡眠リズムを整えるがあります。
とてもボリューミーな内容になってしまいますので、今回は小中学生に焦点を当てます。

皆さんのお子さんは、「眠い・・・疲れた・・・」を口癖のようにすぐに言ってませんか?

小学生を対象とした「疲労自覚症状調べ」では、上位4つに睡眠がかかわっています。
あくびが止まらない・眠い・横になりたい・目が疲れる・・・・
更に、ちょっとしたことが思い出せない・きちんとしていられない・イライラする・間違いが多い・・・などが続きます。
このように疲労の訴えが多い児童と睡眠の状態の悪化は比例関係にありました。

子供の睡眠状態の悪化には、「長さ」だけでなく、「就寝時刻がバラバラ」だったり、日中の「活動量」が少なかったり、「朝食」を食べなかったり、「体温調節」ができないなど、体内リズムが整えられなていない傾向が強いのです!!

では実際、睡眠が悪化するとどんな影響が出てきているのでしょう?

小中学校の養護の先生方のアンケート結果です。
睡眠不足傾向を感じる・・・小31.6% 中44.4%

そんな子供たちで増加していると感じている項目は、

  • 夜型化
  • 朝食欠損
  • 朝から疲れている
  • キレやすい
  • 我慢ができない
  • 自己中心的
  • 依存的
  • 年齢標準より幼稚
  • 集団行動がとれない
  • 自分の心身の状態を説明できない
  • 低体温
  • 肥満
  • 姿勢が悪い
  • 便秘気味など消化器症状を訴える
  • 成績の低下
  • 遅刻早退が多い
  • 不登校

etc・・・

が挙がってきたのです!!
特に成績や遅刻早退など、数字で顕著に表れ睡眠との関係は証明されています。
寝ないとどれだけ成績に影響が出るのか?その内容はまたの機会に。

また、文部科学省の発表では、「不登校」の切っ掛けに関する調査で、
1位は友人との人間関係ではありますが、なんと2位は「生活リズムの乱れ」なのです!

仕事を言い訳に大人の時間に子供を付き合わせていませんか?
スマホやゲームの家庭内ルールはありますか?
食事は子供の発達に必要な食べ方できちんととっていますか?
朝自分で起きられない子が増えています。何でもかんでも親がフォローしていませんか?
おはようの挨拶は出来ていますか?
体を動かいして疲れる体感が学校を含め日常の中に取り入れられていますか?
悩みを共有できていますか?家は安心の場になっていますか?

いずれ自立していく子供たち。
子どもは特に小学校中学年以降は、自立に向けて、自ら睡眠や生活リズムを整えることを通して「自律」できる子になっていきます。
実際、私が睡眠講座を実施した学校では、生徒の自立心&自律心が劇的に変わった!と担当の先生から感激&感謝のメールが届きました。

今回お届けしたかった事。

  1. 睡眠状態は子供の成長に影響するということ。
    その重要度は大人の比ではないことを認識する。
  2. それを踏まえたうえで、大人の都合で生活を組み立てていないか見直すこと。
    子供の時間割と大人の時間割は違います!

過干渉は控え、自律を助けるそして見守ること。

今回はちょっとキビシイ回になってしまったかもしれません。
この機会に、ぜひ、睡眠という切り口から、お子さんを観察してみてください。
そして子供さんとの新たなコミュニケーションの機会としてみてください。

それでは、今夜も良い眠りを・・・「人生、上手に寝たもん勝ち!」

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
研修講師/薬剤師/睡眠改善シニアインストラクター(日本睡眠改善協議会)

埼玉県出身。薬科大学卒業後、営業職に従事。医療の現場で心を病む人が増加している現状を目の当たりにし、心理カウンセラー資格を取得。その後、睡眠問題を深く掘り下げるためメンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる中で、睡眠は心と体を元気にし、目の前のあなたに笑顔をもたらす!と確信を得る。
日本にわずか10名ほどしか存在しない『睡眠改善シニア指導員資格』を取得(H29年3月現在)。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』に関するセミナーや、講演活動、『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、企業研修・安全大会講演を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。

新聞連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

 

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