第26回「保険の組み立て方講座~日額5,000円の謎 ~」
今回は医療保険についてお話します。医療保険と言えば「日額〇〇円」です。この「日額」というのは入院1日についてでる給付金額のことを指します。大抵5,000円あるいは10,000円だったりしますが、なぜその金額なのかご存知でしょうか?
日額5,000円の設定の根拠は、厚生労働省が発表している全国の病院での窓口負担額平均にあります。高額療養費制度を使うとだいたい5,000円なんですね。なので、入院したら1日につき5,000円にしているわけです。これ、ご存知の方少ないです。
因みに入院すると自己負担の費用が発生します。上記の5,000円は医療行為に対する窓口負担額であって、ここに食事代は含まれていません。食事代は年々値上がりしています。平成28年3月までは1食につき260円でしたが、今年の4月からは460円です。1日にすると780円だったものが1,380円に。入院が短期化されているとはいえ、例えば脳梗塞や交通事故のリハビリで100日以上入院する場合、これは結構大きな負担になります。
それから侮ってはいけないのがテレビカード。最近の病院は、冷蔵庫を共同で使用するのではなく、衛生上の問題等からそれぞれのベッド横に備えるようにしていますが、この電源、テレビカードを差し込まないと入らない仕組みになっていたりします。なので、あっという間に切れてしまう。1日1,500円とかすぐなくなります。
もちろん、入院日額でこれらすべてを賄う必要はありません。入院日額を考える上で必要なのは「メリハリ」です。入院する理由は色々考えられます。その理由を想定して設計する事が大事です。
次回はこのメリハリの付け方についてご説明します。甲子園、面白かったですが秋田のエースの肩が心配です。では次回!
水原 曜(みずはら ひかる)
2014年 住友生命保険相互会社東京本社入社。
「人生最後の転職先に保険会社を選んでしまう」という大ポカを犯してしまうもどうにか乗り越え、2017年4月より指導職に。部下に踊らされる毎日。
個人、法人問わず、フローとストックのバランスを重視した中長期的「無理しない」リスク対策のコンサルティングが最も得意です。
この記事へのコメントはありません。