スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。
🔴ストレス・マネジメントとは
ストレス・マネジメントとは、ストレスを「ちょうど良い加減」にコントロールするための考え方で、ストレスを発生させる原因が強いストレスとならないよう、コントロールすることです。自身のストレス状態を定期的に確認し、ストレスに対する見通しを得ることがストレス・マネジメントの最大の意義です。
ストレスにはレベルがあり、「良いストレス」と「悪いストレス」が存在します。
出典:e-eap.com
「良いストレス」は、自分を成長させるための、充実感、達成感、満足感を得るためのストレスと言えます。一方、「悪いストレス」とは、辛い状況のなかでも“やらなくてはいけない”“頑張り続けなくてはいけない”と自分を強迫的に追い込み、自らの意思とは無関係に、過剰行動を続けた延長線に生じるストレスです。言い換えれば、自らの気持ちとコントロールの仕方で、ストレスの質やレベルを決めるといっても過言ではないでしょう。
🔴ストレスと自己防衛反応
ストレスに遭遇すると、からだには安定した状態を保とうとする自己防衛反応が起きます。ストレスの強さと自己防衛反応のバランスが保てるうちは、からだの状態も安定し、ストレスに対する抵抗力がつきます。
しかし、からだの自己防衛反応には多くのエネルギーが必要です。
ストレス刺激が長く続いたり、あまりに強いストレスにさらされると、自己防衛反応の仕組みが暴走したり、多大なエネルギーを消費し、からだの不調を招きます。この状態が長く続くと、自律神経・内分泌系・免疫系のそれぞれの機能が低下し、深く関連した臓器に悪い変化をもたらします。
🔴良いストレスか、悪いストレスか?
適度なストレスはからだを強くし明るい気持ちにさせてくれる「良いストレス」になります。これは当事者である「あなた次第」なのです。
バッファロー大学の研究チームは、大小さまざまなストレス要因には、困難でストレスフルな状況に立ち向かうスキルを育てる効果があることを明らかにしています。また、2013年のハーバード大学の研究によると、実験の参加者に、「ストレスがもたらす生理学的兆候は、体がストレスによりよく対処する準備だ」と伝えたところ、参加者はストレス反応を有益なものと見なすようになり、ストレスの強い状況下でも不安を感じることが減り、自信を増すことが明らかになったそうです。その結果、参加者の心臓と血管は、強い幸福を感じるときと同様の反応を見せたことを報告しています。「自らの気持ちとコントロールの仕方で、ストレスの質やレベルを決める」
といういい例ではないでしょうか」?
(参考:小杉正太郎、斎藤亮三 ストレスマネジメントマニュアルから)
他方「悪いストレス」とは、例えば、思いがけない災難や過労、悪い人間関係、不安など、自分のからだや心が苦しくなったり、嫌な気分になったり、やる気をなくしたりするような刺激とその状態のことをいいます。あまり過剰な「悪いストレス」は体調を崩し気分を害し、病気になることさえあります。でも、たとえ悪いストレスでも、自身の成長のため、同じ過ちを繰り替えさないため、失敗を繰り返さないため、将来の役に立てるため、と捉えることで、良いストレスに変えることもできます。
エゴレジ力をアップするのは、うまくストレス・マネジメントができるようにするためなのです。
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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。
小野寺敦子
エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。
畑 潮
エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー
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