はじめに
入浴が日本人の睡眠にとって効果的なのはカグジョの皆さんもご存じの通り。さらに睡眠の効果を上げるために出来る工夫は?入り方も勿論コツがありますが、以前にもご紹介した今回は入浴剤やアロマの選び方のおさらいです。
気温も下がり始め夏の疲れが溜まってきた秋口から、どんどん活用して欲しい工夫です。
入浴時間をレベルアップ
先ずは、基本の入浴方法。
≪夜は温めの長め≫
39℃~41℃、5分~20分(目的・状態に応じて) 基本は40℃15分を目安にするとよい。
何故なら、①深部体温まで上昇させて、その後急降下してきたタイミングで入眠すると寝つきがスムーズになる。➁交感神経を刺激しすぎずリラックスでき、体温を下げるという副交感神経の働きを促す。その丁度良い温度帯が上記の入浴温度。
ただのお湯に浸かってもその効果は得られますが、これから寒くなる季節は、温熱効果の高い入浴剤を使うとより効果的に体温上昇や保温効果が得られるため、入浴後から就寝までの時間に余裕が作れます。また、効率よく体温上昇出来るので入浴時間の短縮にも活用できます。
オススメは、炭酸系入浴剤や、薬草系のバスソルトなどです。
細胞活性化を促すアンジオポエチンー1に似た働きをする植物の、アンチエイジング効果を狙って、シナモン・ルイボス・かりん・月桃葉などの成分入りの物があれば使ってみるのも良いかもしれません。
そして、入浴中の香りの効果。アロマオイルにつては、あくまでも香りのリラックス効果を狙ったものです。皮膚から植物の効果を得るためにはお風呂に数滴たらすだけでは目的を達成しませので、誤解なきように。
さらに、精油は100%天然素材を抽出したエッセンシャルオイルのこと。アロマオイルは精油を入れたオイルも人工的な香りをつけたオイルも含まれます。
入浴に使うのはどちらでも可。但し、アレルギー反応等起こさないこと、皮膚に刺激の少ないことは気を付けるポイントです。自分の体質に合ったものを選びましょう。
また、お湯に垂らす場合とアロマキャンドルなどで嗅ぐ場合とで気を付ける点もあります。
柑橘系の香りは万人受けしますし、特にベルガモットの香りは入眠に良いとされますが、お風呂に垂らす場合は注意です。
柑橘系の精油に含まれる、リモネンなどのモノテルペン類は刺激が強いため、例えば冬至のゆず湯でヒリヒリしてしまう様な人は避けたほうが無難です。
ほかにも、グレープフルーツに含まれるヌートカトンは交感神経刺激作用があるので目が冴えてしまったり。
柑橘系は、睡眠だけに注目すると知らないと実は選択が難しい精油でもあります。香りが好きで入浴中に使うなら、垂らすにしろ嗅ぐにしろ人口的な香りの方が無難かもしれません。
オススメの精油を一部ご紹介します。
◇ラベンダー 睡眠と言えば!の王道です。鎮静効果は各種データが揃っています。
◇ヒバ、シダーウッド ヒノキ科やスギ科も鎮静効果抜群です。ただし、強い香りのため入れすぎ注意です。
◇ローズ ストレス緩和や幸福感上昇、記憶力向上や肌のバリア機能向上が期待できると言われます。
なにより、入浴時間は自分時間。今日一日の自分を癒す時間にしてください。
そもそも入浴は垢を洗い流すのが一番の目的ですよね。イヤなことがあったなら、お風呂でそれも一緒に洗い流す!布団には持ち込まない!そんな浄化の場としてもお風呂は大活躍です。
寝る前は、身体も心もゆるめることが一番の快眠のコツです。
まとめ
お風呂温泉文化が発達した日本。それには様々な理由があるはずです。何よりお風呂が私たちの身体と心に必要であり最高にマッチしていたという事。
ただ洗い流して浸かるだけでは勿体ない。たまには家のお風呂もグレードアップさせて快眠効果を狙ってみてください。
それでは、今夜も良い眠りを・・・☆
プロフィール
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Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー) 代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ) 薬剤師/睡眠改善インストラクター(H29年現在)薬科大学卒業後、営業職に従事。その後メンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる。2011年独立。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』や『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、セミナーや講演、企業研修を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。 スリープ・パフォーマンス カンパニー https://sleep-perform.com/ 快眠サロン水月~mizuki~ https://mizuki-kaimin.com/ 新聞コラム連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。 *著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社) |
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