筋トレによる脳への健康効果

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

運動はストレスを和らげると言われています。有酸素運動も筋トレも身体的な緊張が解消され、どちらもストレス解消に効果的なホルモンが分泌されます。運動習慣がない人でも、ウォーキングからはじめて、徐々に筋トレにも挑戦すると、有酸素運動と筋トレどちらの効果も期待できるようです。そこで今回は、筋トレによる脳への健康効果についてのお話です。

筋トレと脳細胞

最近の研究では、筋トレを行うことで脳が刺激され脳細胞が活性化し、新しい脳細胞が作り出されて記憶力や学習力が上がることが判明しました。

筋トレを行うと、脳細胞の成長を促すホルモンが促進されるために賢くなるという報告があります。ジョージア工科大学研究チームが行った筋トレによる脳の活性化についての研究は次に様な手続きで行われなした。

  • 46人の被験者にパソコンに映る90枚の写真を見てもらう
  • 写真には子供から大人まで各年齢層の写真を用意
  • 被験者を2つに分けて「筋トレをするグループ」と「同じ時間ただ椅子に座ったまま過ごすグループ」に分ける
  • 2日後に被験者を集め、前回見せた90枚の写真に+90枚を足した180枚の写真を見てもらい、見たものを覚えているか確認

結果は筋トレを行ったチームは平均60%の正答率で、座っていたチームは平均50%と筋トレをしたチームが10%も多く覚えている結果になりました。筋トレチームの唾液を調べたところ、脳内のノルアドレナリンが働いていることが確認されています。

ノルアドレナリンは記憶の定着・覚醒や集中・意欲・思考の柔軟性・に関わる物質です。筋トレをすることによってノルアドレナリン分泌され、脳を刺激し学習力を高めていくことがこの研究で分かりました。

筋トレで分泌されるホルモン

体を動かすことによって活性化される主なホルモンには次のようなものです。

◆成長ホルモン
筋トレをすると分泌されるホルモンの1つ目は、成長ホルモンです。
成長ホルモンにはたんぱく質を合成して筋肉をつけたり、脂質の代謝を促して体脂肪の蓄積を抑えたり、体脂肪を燃焼させる働きがあります。
成長ホルモンの分泌が少なると、やる気が低下したりイライラしやすくなるなど、メンタル面にも影響を及ぼす場合があります。しかしトレーニングすることで、これらのメンタル面への影響も改善することができるのです。
成長ホルモンは、加齢とともに分泌量が低下していくものですが、高齢者であっても成長ホルモンは増やせます。糖が分解されてできる乳酸が発生し、乳酸が脳を刺激することで、成長ホルモンの分泌を促進しているのです。また成長ホルモンは、各器官へ作用し認知機能や免疫機能を促進させるため、歳を重ねていても、筋トレによって健康的な身体が手に入るでしょう。

◆テストステロン
筋トレをすると分泌されるホルモンの2つ目は、テストステロンです。
男性ホルモンと言われるホルモンですが、女性も副腎や卵巣で作られています。女性の場合もテストステロンの影響を受けています。。
テストステロンは、やる気が出たり前向きになれたりするホルモンです。テストステロンの分泌量が少なくなると、落ち込みや性欲・意欲の低下などを引き起こす可能性も懸念されます。そのため筋トレを行うことで、「意欲が向上する→体型が変わる→自信がつく→行動が積極的になる→さらにトレーニングに励む」という好循環を生み出すことに繋がるでしょう。
また、テストステロンには記憶力や集中量を高める効果があると報告された研究もあります。

◆ノルアドレナリン
筋トレをすると分泌されるホルモンの3つ目は、ノルアドレナリンです。
ノルアドレナリンも三大神経伝達物質のひとつです。交感神経を刺激し、心拍数の上昇や血管を拡張させたり、集中力や思考力を働かせるために必要なホルモンです。また、脂肪を分解させたり、セロトニン分泌を促す働きもあります。
ノルアドレナリンは脳を活性化させることで、記憶力や情報処理能力の向上などの効果があります。筋トレをするとノルアドレナリンが分泌されるため、仕事や勉強にも好影響を与えるのでしょう。

◆ドーパミン
筋トレをすると分泌されるホルモンの4つ目は、ドーパミンです。
ノルアドレナリンと同じく、三大神経伝達物質のひとつ。幸福物質とも呼ばれる脳内ホルモンです。トレーニングで汗をかいた後に気分がスッキリするのは、このドーパミンの働きです。
また、ドーパミンが多く分泌されるとモチベーションが向上し、ポジティブ思考になります。これらの影響によってカラダを動かすことが好きになり、運動が習慣づくようになるようです。ドーパミンは、テストステロンと同様にやる気を出すホルモンです。目標を達成し仕事や勉強で好成績を得るためには、やる気が出ないと難しいでしょう。筋トレをすることでドーパミンが分泌し仕事や勉強のやる気が出て、生産性も高まるでしょう。

◆セロトニン
筋トレをすると分泌されるホルモンの5つ目は、セロトニンです。
セロトニンも三大神経伝達物質とよばれる脳内ホルモンです。精神の安定を司り、気分を高揚させる働きから“幸福ホルモン”とも言われ、感情のコントロールや精神を安定させる効果があります。筋トレをすると気持ちが安定するという人がいますが、その理由はセロトニンが大きく関わっています。

筋トレの効果を高めるためには必ずしも高負荷で行う必要はなく、軽い負荷であっても反復回数を増やすことで十分な効果が見込めるそうです。
また、筋トレを行うことで、筋肉が動かされるので全身の血流が促されます。血液は全身の細胞へ酸素や栄養を運び、細胞活動を活性化させて内臓機能が高まります。女性ホルモンと関係の深い、子宮や卵巣などの生殖器官も正常に作用するようになるため、女性ホルモンバランスが整いやすくなると言われているのです。更に筋トレで身体が適度に疲れると、夜熟睡できるようになります。

以上、エゴレジ研究所から筋トレによる脳への健康効果についてご紹介しました。筋トレは筋力向上や認知機能全体の向上の効果もありますが、筋トレで分泌されるホルモンは精神面の改善効果もあります。精神状態は脳の働きが関係しているので、セロトニンの分泌を増やし脳内のストレスをリセットして快適な生活を送ることができます。日々ストレスを感じている方は、ぜひ筋トレに挑戦してみてください。有酸素運動やストレッチを組み合わせたトレーニング間隔は、週に2・3回で20〜30分を行うだけで脳を鍛えられるので、生活に取り入れやすいでしょう。

 

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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