あなたの「リソース」を確かめよう!

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

エゴレジは、日々のストレスに直面してメゲたり落ち込んだりしたとき、自我egoを柔軟に調整しながら、心のバランスをとって元の元気な自分に戻ろうとする力で「折れない心」に通じるものです。エゴレジの高い人は、心のバランスをとるとき豊富なリソースをうまく活用していることが研究結果で明らかになっています。そこで今回は、誰もが持っている「リソース」についてのお話です。

リソースとは

ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室 ―― Transform Your Results(プレジデント社、2020)の著者ジェレミー・ハンター准教授は、「リソース」について次のように語っています。

「私たちは皆、ストレスを感じた時に、頼れる「リソース」(Resource: エネルギーの源)を持っています。リソースとは自分のバランスを取るのに役立ち、神経系のシステムがバランスを崩しそうになることから救ってくれます。「リソース」はまた、継続的にあなたのレジリエンス(転んでも立ち上がる力、しなやかさ)を鍛えてくれます。」

ひとには転んでも立ち上がっていける、神経系の「ゾーン」があり、このゾーンの内にいると、しんどい時もしなやかに回復できます。神経系のゾーンには3つの状態が想定されます。これは別々の事象ではなく、波のように絶えず連続して変化する自分の状態なのです。

疲れても、折れてしまわずに気力を回復できる。いわゆるレジリエンスの状態を、自ら実現できます。しかし、頑張りすぎてしまうと、そのゾーンを超えてしまいます。このことを“過覚醒”といいます。たとえば仕事で徹夜したとしましょう。ハイになると、無理をしても乗り切れるときもありますが、長くは続きません。あるときに、気持ちも身体もガクンと落ちてしまいます。すると今度は、どうしても身体に力が入らなかったり、やる気が全くなくなったりして、出社するのも億劫になってしまう。このことを“低覚醒”と呼びます。

◆レジリエンス・ゾーンの中にいる状態

このゾーンの中にいるとき、わたしたちは好奇心に満ちて、適応力があり、自分をコントロールできている状態です。怒りや不満があっても、このゾーンの中にいればその状態を的確にマネジメントできます。

◆レッド・ゾーン(過覚醒)の中にいる状態

このゾーンにいるときは神経系が限界以上に活性化(過覚醒)され、感情が行動を支配して、そこから往々にして望んでいない結果がもたらされます。

◆ブラック・ゾーン(低覚醒)の中にいる状態

このゾーンにいるときは、ブレーキを踏みすぎてエネルギーが不足し(低覚醒)、無無力感に支配され、何をやっても現実感がなくなります。

ポイントは弾力、あるべき姿に戻ることです。無気力状態であればやる気が出てくるように、過覚醒状態であれば気持ちが落ち着くように、立ち返る地点を知っておく必要があります。自分の心と身体の無理に気づくことで初めて、自分をサポートできます。
例えばしんどいと気づいたらしっかり寝る、誰かに電話して話をする、などレジリエンスゾーンの内側に戻ることが必要です。
そに気づきの役立つのが「リソース」なのです。リソースを点検し、うまく活用することでレジリエンスゾーンに戻りやすくなるのです。

自分のリソースを確認する

リソースには2つの種類があります。

◆内的リソース

能力や経験、有形無形の財産、自分自身がもっているものです。

  • 自分自身の徳性(愛情、思いやり、粘り強さ、正義感など)、性格的なもの
  • 知識、資格、経験やスキル、できること
  • 貯金、車や自宅など、所有しているもの
  • 体力(若さ)、健康、時間 (誰もが必ずもっています)
  • 夢、目標、信仰 などがあります。

◆外的リソース

自分以外で、頼りになる人脈や情報、環境などです。

  • 友人、知人、家族、同僚、顧客などのリアルな人間関係
  • 恩師や同級生、大学やサークルのOB/OG過去からのつながり
  • コミュニティ、趣味の集まり、SNSのつながり、ペット
  • アクセスできる情報
  • 先祖、神様など 会えないし見えないけれど心の支えとなる存在 などがあります。

◆リソースはポジティブに点検

リソースは自分では気づいていない場合もあるため、定期的に自分にあるリソースの点検をお勧めいたします。
リソースは使うためにあるものです。良いことを見つけ出してみましょう。
たとえば、

  • 失敗経験は、教訓となる有難い出来事とする。
  • 役に立たない資格ではなく、資格を取った努力の証と捉える。
  • 家のローンは、お金が借りられる信用とする。
  • 若さや体力が衰えたではなく、健康な生活習慣がある。 といった具合。

そして外的リソースは、心の拠り所になる存在です。相談できる相手、お世話になった人、大切にしたい人が確認できます。この人達の存在が、頑張るエネルギーになっています。

リソースを増やす

内的リソースも外的リソースにも、制限はありません。増やそうと思えば、いつからでも増やすことができます。
新しいスキルを磨く、人脈を大切にする。リソースは、使っても減りませんが、使わないとなくなります。技術や知識は使わないと陳腐化します。どんどん使って活かすことがリソースを増やすことにもなります。

リソースはレジリエンスを高める強い味方になります。何かに迷った時や壁にぶち当たった時、リソースを使って切り替えることができます。

  • もっているリソースに気づいて勇気がわいてくる
  • 人的ネットワークを使ってみよう、頼ってみよう
  • 自分の強みが使えるように工夫する
  • 過去の経験からアイデアが浮かんでくる

といったように、リソースは前向きな気持ちに切り替えるために使えます。持っているリソースを忘れないためにも、有効活用するためにも、書き出してみることをお勧めします。最初はなかなか出てこない場合でも、続けていけば最強のリストができるはずです。

以上、エゴレジ研究所から心のバランスをとって元の元気な自分に戻ろうとする力に貢献する「リソース」ついてご紹介しました。あなたはどんなリソースを持っていますか?本、映画、音楽、スポーツ、場所、景色、ペット、ぬいぐるみ、ゲーム、動物、幼いころの毛布・・・心の奥底を探せば、なんでも見つかるはずです。それがあなたの「リソース」で、はみ出したゾーンいるあなたをレジリエンスゾーンに戻すきっかけを作ってくれます。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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