代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授 |
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GM 畑 潮/心理学博士 |
Withコロナの生活様式も少しずつ定着し、どこでも体温チェックができるようになりました。現代人は、平熱が35度台の人も多く、冷え性や低体温による血行不良などに悩まされている人も多いのだとか。テレワークや自粛生活が続き、外出の機会が減ったことで、多くの人が運動不足で血行不良となり、冷えが加速しているのも理由の一つ。近年、適正な体温を保ちつつ健康な体を目指す「温活」が、ライフスタイルのひとつとして、浸透し始めています。体温を上げることで免疫力の向上など、たくさんの健康効果が期待できるといわれています。今回は、近年注目されている「温活」についてのお話です。
目次
温活で免疫力をアップ!
現代人は、昔の人に比べると基礎体温が0.5℃~1.0℃ほど低い傾向があるそうです。そしてその結果、現代病とも言える形で悩まされているのが冷え症や何となくの身体の不調。低体温は免疫力低下のもと。「体温が1度下がると免疫力が30%下がる」といわれ、「体温が1度上がると免疫力は最大で5~6倍にもなる」ともいわれています。
「温活」とは、健康を維持するために適正な体温まで基礎体温を上げる活動のことです。体を温めると代謝が上がり新陳代謝を維持できるようになります。
温活で期待できる健康効果
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生活にとりいれたい温活
ちょっとした生活習慣が体温を上げることにつながります。
◆ 身体を温める食べ物をとる
身体を温めて、血流をよくする食べ物選びで大切なキーワードになるのが「温性」。聞きなれないかもしれませんが、中国では古くから食べ物を「食性」といって、性質ごとに「熱・温・平・涼・寒」というカテゴリに分けていました。おおまかには、温・熱をまとめて「温性」、寒・涼をまとめて「冷性」といいます。冷えが気になるときは、温性の食べ物を多めに、冷性のものを少なめにとるとよいでしょう。
■温性(熱・温)>身体を温める食べ物 |
例:もち米、ソラマメ、玉ネギ、ニンジン、ニラ、シソ、ネギ、ショウガ、ニンニク、羊肉、鶏肉、鹿肉、アジ、サバ、イワシ、エビ、フグ、タイ、桃、ザクロ、クルミ、栗、黒砂糖、紅茶、山椒、シナモン、唐辛子 |
□冷性(涼・寒)>身体を冷やす食べ物 |
例:ソバ、小麦、豆腐、タケノコ、トマト、ナス、ホウレン草、キュウリ、レタス、馬肉、牛乳、カニ、カキ、シジミ、バナナ、マンゴー、梨、柿、スイカ、白砂糖、緑茶 |
同じ食材でも生のまま食べるよりは、煮たり焼いたり、また天日に干したりと熱を加えたほうが、身体を温める効果が出てくるようです。
◆軽い運動をする
身体が生み出す1日の熱エネルギーの約6割は、筋肉を動かすこと、つまり運動によって生み出されます。運動すると血流が促進され、体温も上昇。さらに細胞を強化し、免疫力アップにもつながります。だから、血めぐりをよくするためには運動が大切です。
低体温の原因に、筋肉量が少ないこともあげられています。毎日の暮らしに簡単な運動を取り入れて、基礎体温を上げましょう。
・ストレッチで血流アップ
第一歩は、からだを動かすことです。たとえば、朝起きたときや夜寝る前のストレッチ。かたくなった筋肉をほぐすと、血めぐりアップにつながります。
・ウォーキングで筋肉量をアップ
人間の筋肉の3分の2は下半身に集まっています。その下半身の筋肉は歩くことによって鍛えられ、基礎体温は徐々に上がり、全身の血めぐりを促し、細胞の代謝もアップ。身体の冷えが解消されます。さらに下半身にたまっていた血液は心臓に勢いよく戻るので、むくみの改善につながるというわけです。1日15分から30分程度のウォーキングも筋肉量のアップには効果的です。電車通勤の人は、ひと駅分歩いてみる、歩いて買い物に行く、犬の散歩に行くなど、毎日続けることが大切なので、無理のない方法を見つけて歩いてみてください。適度な運動は、ストレス解消効果も期待できます。
◆姿勢&呼吸で自律神経を整える
忙しくてストレッチやウォーキングの時間がとれない人、すぐ疲れてしまう人にも、今すぐできる「温活」もあります。
ひとつは、通勤や通学、お買い物など、ふだん歩くときのスタイルを少し意識すること。その方法はとても簡単です。いつもより腕を大きくふる、歩幅を大きくする、姿勢を正しくする。これだけで血めぐり効果がぐんと高まります。
もうひとつは、ゆっくり腹式呼吸をすること。深く呼吸することを意識すると、酸素を多く取り込んでからだ全体の血流を促すほか、自律神経のバランスを整えることができます。
◆身体を外から温める
食べ物や運動で身体を内側から温めると同時に、温めグッズや入浴を活用して、身体を外からも温めましょう。
・蒸気温熱で温める
乾いた温熱よりも、蒸しタオルなど蒸気(スチーム)を含んだ温熱のほうが身体に広く深く熱を伝え、身体が快適に温まることで、ストレス解消にもつながります。
40℃の蒸しタオルで10分間目もとを温めると、指先の血管が拡張し、手先が温まります(上のグラフ参照)。
・お風呂にプラスアルファで温める
入浴時は40℃ぐらいのややぬるめのお湯に約10分程度ゆっくり浸かるのがおすすめです。
炭酸ガス入りの入浴剤を使うと、すばやく温まり、湯あがり後も温かさが長続きします。
入浴時に加温効果のあるエッセンシャルオイルで温め作用を補えます。ラベンダーはよく知られていますが、ほかにもサイプレス(Cupressus sempervirens)があります。ヒノキ科のサイプレスの香りは、ウッディ系でまるでヒノキ風呂のように深呼吸を誘います。サイプレスのエッセンシャルオイルは血液循環を良くするとともに、むくみにもいいとされます。バスタブに1~3滴落とし、よくかき混ぜてから入ります。お風呂から出たあとは、特にふくらはぎを冷やさないように気をつけましょう。ふくらはぎは「第二の心臓」と言われ、下半身の血液の戻りはふくらはぎの筋肉の働きがポイントです。
温めポイントを知る
身体には温め効果の高いポイント(温めポイント)がいくつかあり、そこをしっかり温めることで、効率よく全身に血液をめぐらせることができます。たとえば、3首と言われる「首」「手首」「足首」は太い動脈が走っているので、冷えると血液も冷えてしまい、その冷えた血液が体内をめぐって全身を冷やしてしまいます。「3つの」首を温めることは免疫力を保つためにも大切です。冷えるからといってその部分から温めるのではなく、まずは身体の中心から温めて、手足の先まで温かい血液をめぐらせましょう。
・肩・首もと
首もとや肩もマフラーや肩かけで保温すれば、手足の先の部分まで血めぐりアップ!
・二の腕の裏側
意外に見落としがちな場所です。血流が多い場所なので、インナーなどでしっかり温めてください。
・お腹・腰まわり
お腹、腰、おしりは最重要温めポイントです。温熱シートや腹巻きでケアしてください。
・ひざの裏・太もも
1日中デスクワーク!という人は、ひざかけだけでなく、使い捨てカイロや湯たんぽなどを太ももの上に置いてください。全身がポカポカしてきます。
以上、エゴレジ研究所から、免疫力の向上など、たくさんの健康効果が期待できる「温活」についてご紹介しました。
温活は、健康を保つだけでなく、若々しく美しくいるためにも重要なことです。「温活」には、いつでもどこでもできる、小さなメニューがたくさんあります。お気に入りを一つでも取り入れてみましょう。
エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。
あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/
<プロフィール>
代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事
GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー
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