紅葉狩りのうれしい効果

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

暑さも和らいできて朝晩冷え込むようになってくると、紅葉の季節の到来です。世界的に新型コロナ禍からの行動制限緩和が進む中、「今年の秋はどうやって過ごそう?」と思案中の方も多いでしょう。最近は、自分の住まいの近隣の公園の散策や、近隣のホテルに滞在する「ステイケーション」で紅葉を楽しむことが話題になっているようです。ウィズコロナ時代にマッチしたスタイルで紅葉狩りを楽しみましょう。そこで今回は、紅葉狩り(もみじがり)の心身にうれしい効果についてのお話です。

「紅葉狩り」あれこれ

紅葉狩りは、主に色づいた落葉樹の紅葉を眺めて楽しむこといいます。その言葉からイメージされがちな「何かを狩る」「何かを獲る」といったことではありません。あくまでも秋に見頃を迎える紅く染まった落葉樹の葉を鑑賞するものです。

奈良時代から室町時代にかけ、貴族たちの間で広まった娯楽とされている紅葉狩り。美しい紅葉を鑑賞しながら宴を催し、和歌を詠むなどしながら楽しんだようです。紅葉狩りが世間一般にも楽しまれるようになったのは、江戸時代中期になってからといわれています。

本来「狩り」とは、獣を捕まえるときに使われる言葉です。昔の貴族たちにとって、歩くという行為はあまり上品ではない、と認識されていたようです。そのため、紅葉の鑑賞に出向くことを狩りに見立て「紅葉を狩りにいく」とおしゃれに表現したことが由来とされています。

紅葉している木々を見ると、不思議と癒される気持ちとワクワクした気持ちが共存しませんか?それは、日本人ならではの四季の移ろいを楽しむDNAのしわざかもしれませんが、紅葉の黄色や赤い色は熟した果実を思わせる色で、本能的に「食べごろ」「美味しそう」「幸せ」を連想させてくれます。そのため、紅葉を見た時に熟した果実を見た時と同じように、こころが満たされ、癒し効果に繋がると言われています。

紅葉の色彩効果

モミジには赤だけでなく黄色やオレンジなど、様々な色が含まれています。

真っ赤に色付いたモミジには、積極性や行動力
色鮮やかなオレンジのモミジには、向上心や満足感
パッと明るい黄色のモミジには、希望や幸福感
の心理的効果が期待できるそうです。
つまり、モミジにはポジティブな気持ちにする色が、たくさん揃っているわけです。

また紅葉の黄色や赤、オレンジなどの暖色系は、交感神経を刺激するので、血行を良くして体を温める効果もあります。

紅葉のストレス改善効果

紅葉狩りでリラックスすることによって、ストレスを受けることで活性化する悪玉ホルモンやコルチゾール濃度を減少させることが科学的に立証されています。

紅葉を見るとその美しい景色に脳内の前頭葉が活性化され、「セロトニン」が分泌されます。セロトニンは、『幸せ物質』とも呼ばれており、セロトニンが分泌されることで幸せな気持ちになって、気持ちが和らぎ、ストレスが緩和されたり改善されたりするわけです。

なんとなく気持ちが落ち込んでいる時は、綺麗な紅葉を見に行くことが一番の薬になるかもしれません。

紅葉のフィトンチッド効果

「フィトンチッド」という物質をご存じですか?
フィトンチッド(phytoncide)とは、微生物の活動を抑制する作用をもつ、樹木などが発散する化学物質。 植物が傷つけられた際に放出し、殺菌力を持つ揮発性物質のことを指します。森林浴はこのフィトンチッドに接して健康を維持する方法です。

紅葉の木々の幹や色付いた葉から香るフィトンチッドは、優しく穏やかな香りで私たちを包み込み、美容効果や健康促進効果を高めてくれます。それは、フィトンチッドに含まれるリラクゼーション効果が高い物質が私たちの自律神経に作用して、その乱れを整え、心を穏やかにしてくれるためとされています。また、体内にあるナチュラルキラー細胞を活性化させ、免疫力も高めてくれます。

ちなみにフィトンチッドが豊富にある時間帯は午前中です。紅葉狩りをするなら午前中がオススメかも。

モミジを食べるメリット

モミジは鑑賞するものというイメージが強いかもしれませんが、実は食べられることをご存知でしょうか。

モミジの葉には”ポリフェノール”がたくさん含まれているので、体にとっても多くのメリットがあります。そもそも、モミジが紫外線から身を守る時に真っ赤に色付くのは、ポリフェノールの一種である”アントシアニン”を生成によって起こる反応。ですから、真っ赤なモミジにはアントシアニンが豊富に含まれているのです。

アントシアニンは、ブルーベリーなどで一躍注目されたように、網膜を保護して目の機能をサポートしてくれます。さらに、血行の改善や筋肉の緊張緩和などにも役立ちます。

また、モミジに含まれるポリフェノールの働きにより、糖類の吸収を抑制して血糖値の上昇を防ぐ効果があることもわかりました。

ちなみに、大阪府箕面市の箕面の滝の名物の紅葉の天ぷらは食用紅葉として育てられている紅葉の木から葉っぱを採取して、水洗いをしてから1年間塩漬けにしたものが使われています。

公園や観光地に植えてある紅葉は観賞用のものなので農薬などが使用されている可能性も高いようです。特に地面に落ちた紅葉は汚れなどが付着していますから食べない方がよろしいでしょう。

もみじかえで研究所(岐阜県多治見市)では、自社農園の無農薬、有機堆肥で栽培した葉を乾燥させた食べられるもみじ葉「ドライもみじ葉」の販売をしているそうです。こちらは安心して美しい色や質感をそのままに様々な用途に使用できそうです。

以上、エゴレジ研究所から、紅葉狩りの心身にうれしい効果についてご紹介しました。紅葉狩りには様々な効果があります。なかなか自然があるところまで出かけられない方もいらっしゃるかもしれません。そういう場合は近くの公園の木々を眺めてみても良いでしょう。紅葉の時期は毎日変化するのが早いので、きっと驚くと思います。今年は近隣の紅葉狩りを楽しんでストレスを解消しましょう。

 

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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