ストレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。
緊急事態宣言が解除されて、6月を迎えました。感染再燃への不安を抱えながら、感染拡大予防対策を踏まえた「新しい生活様式」への対応が求められています。それが『ウィズコロナ』の生活様式です。長いステイホームと、自粛明けの環境変化からくる心身の変調を見逃さないで。日常の中で、心と体をリフトアップすることが必要です。そんな今こそ環境の変化に柔軟に適応できるエゴレジの力が大切です。
🔴ウィズコロナの生活様式
東京都では、4/26~5/6 のSTAY HOME(おうちで過ごそう)週間にあわせて「コロナ対策 東京かるた」を作成し、現在もアーカイブとして残しています。新型コロナウイルス感染症対策として、やらなければならないことを広く都民に募集し、覚えやすく「かるた」にしたものです。東京都の防災ホームページから誰でもダウンロードできます。 https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1007617/1007762.html
「コロナ対策 東京かるた」に示されたさまざまな生活様式は、これからも続くことになるようです。これまでの「前提」を見直さざるをえない経験です。
こうした“今までとは違う環境に順応していく”のは、体にも心にも大きな負担になることが多いものです。
『ウィズコロナ』の生活様式に適応できる「心と体のセルフケア」として、注目されているのがレジリエンスです。エゴレジ研究所の提唱するエゴ・レジリエンスとは、概念と定義の違いはありますが、誰もが持っている力であること、いつでも高めることが可能であること、など共通点はたくさんあります。
🔴レジリエンスを築く10の方法 APA
エゴ・レジリエンスもレジリエンスも育むことができるものです。
ここでは、アメリカ心理学会(APA)が提唱する「レジリエンスを築く10の方法」The Road to Resilience|APA をご紹介します。(原文を理解しやすい言葉に置き換えています。)
1.Make connections:良好な関係を築く
➡ 一人ではない。支えてくれる人がいる。友人や家族など大切な人と良い関係を築こう。自分を気にかけてくれる人からサポートの申し出があったら、受け入れよう。また、ボランティアや街の市民グループに参加することも、自分自身のためになるでしょう。
2.Avoid seeing crises as insurmountable problems:危機は必ず乗り越えられるものだと知る
➡ ムリと考えない。大いにストレスフルな出来事を変えることはできないが、そうした出来事をどう解釈するか、それにどう反応するかは変えることができる。
3.Accept that change is a part of living.:変化が生活の一部であることを受け入れる
➡ そんな時もある。まずはそれを受け入れよう。そして、自分が「変えられること」に意識を向けてみよう。
4.Move toward your goals:現実的な目標を立て、それに向かって進む
➡ 小さくても良い。向かうべき方向へ向かっている──そう感じられるようなことをしよう。
5.Take decisive actions:不利な状況であっても、決断し行動する
➡ 問題から目を背けたり、ストレスの元が過ぎ去るのをじっと願ったりするのではなく、苦手な状況にもできるだけ立ち向かってみよう。
6.Look for opportunities for self-discovery:自己発見のための機会を探すこと
➡ 何かしら勉強になる。苦しんだりもがいたりしたことで、得られる何かがあるはず。自分の成長したポイントを探し、きちんと見つけてあげよう。
7.Nurture a positive view of yourself:ポジティブなセルフイメージを育む
➡ 大丈夫。問題に対峙する自らの能力に自信を持とう。
8.Keep things in perspective.:客観的に物事を捉える
➡ つらい状況にいるときは、今のつらさにフォーカスしてしまいがち。もっと広い視野で、長い目でものごとを考えてみよう。
9.Maintain a hopeful outlook.:楽観的な見通しを持ち続ける
➡「こうなったらどうしよう」より「こうなったらいいな」を思い描こう。きっと良いことが起こるだろう期待し、望んでいることを思い浮かべよう。
10.Take care of yourself:自分のことを大切にする
➡ 自分に必要なことや自分の気もちに注意を向け、リラックスして楽しめることをしよう(バランスの良い食事、運動、睡眠、楽しい会話、趣味、散歩、森林浴など)。
ストレスは溜まり切ってから対応するのではなく、上手につきあって対応していくことが大切です。エゴレジ力のアップと共通するレジリエンスを高める方法は、ほかにもたくさんあります。「絶対にこの方法でなければいけない」ということはありません。誰かに合った方法が、自分に合っているとも限らないのです。やり方に固執するのではなく、自分に合った方法でレジリエンスを高められるようにすることが大切です。
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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。
小野寺敦子
エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。
畑 潮
エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー
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