「5分読書」というやさしい習慣

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

朝晩の風や空に秋の気配を感じるようになりましたが、「なんとなく心が落ち着かない」「特別な理由はないのに疲れが抜けない」・・・そんな感覚はありませんか?今必要なのは、頑張ってきた自分を温かく甘やかす休息のひとときなのかもしれません。そこで今回は、心に「小さな休憩時間」をつくる「5分読書」についてのお話です。

読書が心を癒してくれる理由

本を読んでいると、不思議と気持ちがスーッと落ち着いていくことがあります。物語や文章に集中することで、頭の中を占めていた不安や悩み事から一時的に距離を置くことができるためです。
読書によるこうした「気持ちの切り替え」については、心理学やウェルビーイング研究でも注目されています。特に、物語に入り込む「没入(narrative transportation)」は、日常の心配事から注意を切り替え、心理的な休息につながる可能性が示されています。

また、エッセイや小説の言葉に共感し、「悩んでいるのは私だけじゃなかった」と感じることで、自分の感情を客観的に整理しやすくなります。
読書は問題を直接解決する魔法ではありませんが、疲れた心に休養を与え、自分らしさを取り戻す大切なきっかけになってくれます。
もちろん、読書だけで問題が解決するわけではありません。
それでも、本を読む時間が一日の中に小さな「心の間」をつくり、疲れた自分をいったん立ち止まらせるきっかけになることはあります。

「ビブリオセラピー」という考え方

読書を心の健康を支える方法として活用する考え方に、「ビブリオセラピー(読書療法)」があります。
ビブリオセラピーにはさまざまな方法がありますが、心理的な問題について書かれた本を読み、自分自身で取り組む「セルフヘルプ型」の介入については、うつや不安などの症状に対する効果を検討した研究があります。
ただし、ここで大切なのは、「本を読めば心の問題が治る」という意味ではないということです。
臨床的なビブリオセラピーと、日常生活の中で好きな本を読むことは同じものではありません。
今回ご紹介する「5分読書」は、治療ではなく、日々の生活の中に短い休息をつくるためのセルフケアとして考えてみましょう。
読書を「何かを達成するための行動」ではなく、「自分の心を休ませる時間」として取り入れることがポイントです。

「今の気分」で本を選ぶ

「読書は苦手」という方、「最後まで読み切らなくてはならない」と思っていませんか?
心を整えるための読書に、義務感やノルマは一切不要です。
数ページだけ読んで本を閉じてもいい・・・
パラパラとめくって気になった一節だけを読んでもいい・・・
大切なのは読んだ冊数ではなく、「少し心が軽くなった」と感じられる時間そのものです。
その日の自分に必要な言葉に一つでも出会えたなら、それだけで十分です。

本を選ぶときは、まずご自身の今の気持ちを素直に見つめてみましょう。
「疲れている」「焦っている」「ちょっと寂しい」など、一言で言葉にしてみるのがコツです。

✓疲れているとき:写真集、ビジュアルブック、短めのエッセイ
✓不安や焦りがあるとき:短編集、詩集、心を落ち着かせる語録
✓現実から離れたいとき:ファンタジー、ミステリー小説
✓自分を見つめ直したいとき:心理学や哲学の入門書

その日のコンディションによって、心にしみる本は変わります。
「今の私に寄り添ってくれる一冊」を宝探しのように選んでみてください。

秋の夜長におすすめの「寝る前5分」

特に取り入れやすいのが、夜の静かな時間です。
ベッドに入る前にスマートフォンから少し離れ、本を開いてみましょう。

就寝前の読書は、日中の活動から眠りへ向けて気持ちを切り替える「就寝前のルーティン」の一つとして取り入れることができます。
実際に、就寝前に紙の本を読むことが睡眠に与える影響を調べた研究では、就寝前の読書を行った人で睡眠の質が改善したという報告があります。
ただし、読書の効果には個人差があります。
「本を読まなければ眠れない」と頑張る必要はありません。
温かい飲み物を用意したり、照明を少し落としたりしながら、自分が心地よいと感じるペースでページをめくってみましょう。

たった5分でも、「仕事や家事をする時間」から「自分のための時間」へと切り替えることには意味があります。
「5分読書」に、特別なルールはありません。
1冊読み終える必要もありません。
毎日続けなければならないわけでもありません。
疲れている日は1ページだけでもいい。
途中で眠くなったら、本を閉じてもいい。

大切なのは、読書の量ではなく、自分の状態に合わせて「少し休む」という選択ができることです。
こうした小さなセルフケアを積み重ねることは、自分の心身の状態に気づき、必要に応じて行動を調整する習慣にもつながります。

以上、エゴレジ研究所から、「小さな休憩時間」をつくる「5分読書」についてご紹介しました。毎日を一生懸命に過ごしていると、「もっと前に進まなければ」と自分を追い込んでしまいがちです。
けれど、ときには立ち止まり、心を休ませる時間こそが、次の一歩を支えてくれます。今夜は少しだけ早めにスマートフォンを置いて、お気に入りの本を開いてみませんか?たった5分の読書を、「何かを頑張るため」ではなく、頑張ってきた自分をいたわる時間にしてみましょう。その小さな時間が、明日の心を少し軽やかにしてくれるかもしれません。

 

 

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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