こんにちは。
骨盤底に特化した理学療法士として、女性のフェムゾーンのケアやトレーニングに携わっている笹岡愛加です。
前回は、「トイレが近い」と感じる背景には、身体の変化が関係していることをお伝えしました。ただし、それだけが原因ではなく、身体に問題がない場合もあります。
今回は、日常生活の中でどのようなことが頻尿に影響しているのかについてお話しします。

1.頻尿とはどんな状態?
そもそも、頻尿とはどういう状態なのでしょうか。
膀胱は、尿を溜めるタンクのような役割を持っています。
通常はある程度しっかり尿をためてから排尿する仕組みになっています。
}その排尿の回数が生活に支障があるほど多い状態を頻尿といいます。
水分摂取量や生活環境によって変わるため明確な正常値はありませんが、目安としては日中4〜7回程度、夜間は0〜1回程度と言われています。
つまり、「何回だから異常」と決めるものではなく、回数が増えて困っているかどうかが大切なポイントになります。

2.頻尿を起こしやすい日常の習慣
トイレに行く回数は、飲んだ水分量や尿の量、膀胱に尿をためられる容量によって決まります。
ですから、トイレの回数は身体の問題だけでなく、日々の習慣や意識によっても大きく左右されます。
例えば、こんなことはしていないでしょうか。
・トイレに行きたくなったら困ると思い、早めに行く習慣がある
→この状態が続くと、膀胱が十分にふくらむ機会が減り、結果として尿を溜めにくい状態になることがあります
・トイレのことを気にしすぎてしまう
→いわゆる「心因性の頻尿」と呼ばれる状態で、実際の尿量以上に尿意を感じやすくなります。トイレに行ってすっきりしたら、トイレのことを忘れて次にする行動に注意を向けましょう。
・コーヒーや紅茶、緑茶など、カフェインをよく摂る
→利尿作用があるため、トイレの回数が増えやすくなります。さっき行ったばかりなのに、という早いタイミングで尿意を感じることもあります。
・お酒を飲む量が多い
→水分量が増えるだけでなく、代謝の過程でも水分が生じて尿量が増えるため、トイレの回数が増えやすくなります
・一度にたくさんの水分をとることが多い
→一度に身体が吸収できる水分量には限りがあるため、余分な水分はすぐに尿として排出されます。一気飲みではなく、こまめに摂取することを心がけましょう
こうしたことが積み重なることで、「トイレが近い状態」がつくられていることもあります。

3.尿意と自律神経の関係
ここで少し、「自律神経」と尿意の関係について触れてみます。
尿を溜める・出すという働きは、自律神経によってコントロールされています。
一般的には、交感神経が優位なときは尿をためやすく、副交感神経が優位になると排出しやすくなります。
ただし、実際の尿意は、それだけで決まるわけではありません。
例えば、何かに集中しているときには、尿意を忘れてしまうことがあります。
これは、意識が他のことに向いているため、膀胱からのサインを受け取りにくくなっている状態です。
一方で、「トイレに行きたくなったらどうしよう」と気にしているときや、緊張しているときには、少しの変化でも敏感に感じやすくなります。
このとき、身体の中では尿をためる働きが保たれていても、脳が刺激を強く受け取ってしまい、「行きたい」という感覚が強く出ることがあります。
つまり、頻尿は膀胱だけの問題ではなく、脳の受け取り方や自律神経のバランスとも関係しているのです。
4.今日からできる見直しポイント
では、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。
まず1つは、「トイレとの付き合い方を見直すこと」です。
トイレに行けるタイミングで毎回行くのではなく、少しだけ間隔をあける意識を持つことで、膀胱の感覚が整いやすくなります。
ここでひとつ、考えてみていただきたいことがあります。
それは、「それは本当の尿意ですか?それとも気分ですか?」ということです。

家を出る前や映画の前など、しばらくトイレに行けない状況の前にトイレに行くのは大切です。ただ、いつでも行ける環境であれば、少し立ち止まってみてください。
今感じているのは、尿がしっかり溜まって「行きたい」と感じているのか。
それとも、「行っておいたほうが安心」という気持ちなのか。
膀胱と相談するようなイメージで、少し意識を向けてみましょう。















