こんにちは!
笛の福原百麗(ふくはら ひゃくれい・藤本博子)です。
毎週月曜日は館山でキャリアコンサルタントのお仕事をさせて頂いているのですが、台風やら祝日が続いたこともあり、今週月曜日は1ヶ月ぶりの館山でした。
途中、ブルーシートが掛けられた家々や倒木、潰れたビニールハウスなどが多数目に入りましたが、早い復興を祈るばかりです。
さて前回は小唄がどのようなものか、ちょっと知っていただきましたが、小唄に似たジャンルに「端唄」があります。
「端」という字がつく通り、歌舞伎などのバックミュージックで長い「長唄」とは異なる、狭いお座敷でちょっと歌うような短い気軽な曲です。
「梅は咲いたか」
「かっぽれ」
「東雲節」
「春雨」
「奴さん」
「さのさ」
このような四季の風情や心情などを唄った曲が多くあります。
小唄は爪弾きと言って、三味線を爪で弾いて演奏することが多いですが、端唄は撥(バチ)で演奏されることが多いです。
爪で弾くより音は大きく響きます。
弾き唄いと言って、三味線を弾きながら唄うこともありますが、唄と三味線は別の人が演奏し、さらに太鼓や笛などの楽器を入れることもあります。(写真では笛、太鼓に鉦、さらに踊りも入っています)
そのような構成ですので、小唄よりは少し華やかさがあるかと思います。
端唄と小唄の違いを説明するとキリがないと言いましょうか、
難しい話にもなってしまいますので、ここはどちらもお座敷芸の小曲なんだけれども、少し違いがある、とだけご理解いただければよろしいかと思います。
江戸端唄は江戸時代の天保の改革後に流行したらしいですが、贅沢を禁止した幕府は庶民から三味線を弾く楽しみを奪った時期があったそうです。
ようやく解禁になって三味線をやってみようと思った時に、長く楽器を離れていて腕が鈍ってしまった人々には長唄では長くてキツい。
そこで、短くて練習しやすくて覚えやすい、しかもお座敷などで楽しめる端唄をやる人が増えたという説があります。
ところで私の友人の端唄・小唄の師匠から最近聞いた話なのですが、このところ入門される方がちょっと増えてるというのです。
誰かアイドルがやり始めたので火がついた、といったオーバーなエピソードがあるわけでもありません。
このような古めかしい地味な嗜み事をされる方はほとんど年配者。
カルチャーセンターでも入門される方の大半はシニア層です。
(篠笛も同じです)
ところが友人の所には結構若い方も来られるようで、「ずっと端唄っていいなと思ってました」「歌詞がすごくいい」とおっしゃるらしいのです。
若い方がそのように反応されるとは、ちょっと、いやかなりの驚きです。
一体どこで端唄と出会って、そう感じたのか、ぜひお聞きしてみたいですが、友人の生徒さんの中には小学生のお子さんと親子で習われているお母さんもおられますし、若いご夫婦で仲良く習われてる方もいらっしゃいます。
友人の人柄と言いましょうか、人徳だとも思いますが、そのような楽しさや気軽さがあるのが庶民の芸、端唄の面白さなのだと思います。
三味線や唄を楽しむだけでなく、江戸の文化や歴史も学べますし、楽しめば楽しむほど、学べば学ぶほど、日本文化、芸術の奥深さを体感することができるのが魅力です。
開催中のラグビーW杯、そして来年の東京オリンピックと、日本を意識するビッグイベントが続きますが、自分たちのアイデンティティを再認識できる和の音楽にもぜひ目を向けていただきたいなぁと思います。
最後にご案内です。
リクエストを頂きまして今週末に「篠笛入門講座」の開講告知をさせていただきましたら、立て続けに3人の方からお申し込みを頂きました。
急ですが前日まで受け付けておりますので、もしご興味がおありでしたら
ぜひどうぞ!
また日程のリクエストを頂けましたら、随時開催させて頂きますので遠慮なくご連絡くださいませ。
藤本博子(福原百麗)
伊藤忠商事を皮切りに、転職8回、事務職から営業、大道芸人まで20の職種を経験。16年間、人材派遣・紹介会社にて営業、転職コンサルタントとして勤務後、独立。
これまでのべ1万人以上の就業・転職サポートを行い、2013年には人材大手転職サイト主催のスカウトコンテストにて1位(部門別)獲得。
現在、民間委託の求職者支援訓練指定校(セラピスト養成)にて就職支援講座(自己分析、就活実技、顧客サービス等)及びキャリアカウンセリングを担当。現在、京都造形芸術大学で芸術学を学びながら、アートを取り入れた「じぶん分解ワークショップ」を開発。訓練校やセミナー等で広く活用している。
一方、長唄囃子福原流笛方として演奏活動の他、洋楽(フルート)との比較やビジネスの視点から見た指導は非常にユニーク。
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