Vol.63 50代女性が知って得する睡眠情報:メニエール病と睡眠

おはようございます。
人生、上手に寝たもん勝ち!2分間コラム。
さて、今年は、50代女性がこの先の50年も輝くための睡眠というテーマでお届けしています☆

今回は、カグ女世代に多いメニエール病と睡眠についてお届けしようと思います。
睡眠の専門家より一医療人の薬剤師的な面からの内容が濃いめです(^^;

結論:睡眠不足はメニエールの敵!

19世紀にフランスのメニエール医師の名にちなんで病名が付いたメニエール病。
いまだ明確な原因がはっきりしていないという、まだまだ謎の病。
国内では約6万人患者がいると推計されています。そして残念なことにやっぱり多いのは女性。男女ともに発症年齢の平均は50歳前後。そう、カグ女世代なんですよね・・・

【メニエール病:難聴、耳鳴、耳閉感などの聴覚症状を伴い、めまい発作を繰り返す疾患。】

そうなんです。この世代の女性は<めまい伴う>不調・不具合・不定愁訴は多くなってくる時期なのですが、<めまい>といっても原因は色々。
高血圧になっちゃって、自立神経失調症で、いや実は更年期、貧血、場合によっては脳血管障害、ストレスが原因で機序不明の場合もあります。メニエール病はあくまでも耳(内耳)に問題が生じて起こるめまい発作のある疾患です。

なので、周りのお友達とめまいの症状が似ているからといって、自己診断で私メニエールなのはNG。より深刻な脳卒中などを省かなければなりません。

メニエール病のめまいの特徴としては、

  • 難聴や耳鳴りなどを伴う事。
  • 1回につき30分~6時間持続。
  • 発作は反復する。
  • 低音部の感音難聴。
  • そしてたいていはストレスあり。

などがあげられます。

貴女は大丈夫?思い当たる人は先ず耳鼻科へ。当てはまらないめまいの人は先ずはかかりつけの内科へ。脳卒中が疑われるような酷いめまいや片麻痺・ろれつがおかしいなど伴う時は要救急搬送の場合もあります。

では、メニエール病に関わる発症原因やめまい発作発生の切っかけにはどのようなことが挙げられるのでしょうか?

①耳でどういうことが起こっているのか?
⇒内耳の内部の内リンパ腔が拡大することで感覚細胞が圧迫され、難聴やめまいを起こすと考えられる。
⇒ものすごく大雑把にイメージしやすく言い換えると、耳の中でむくみが起きてめまいがする!
⇒一概には言えないけれど、普段から、あ~今日は体の浮腫みが酷いわぁと感じたりするときは、メニエール発症又は症状が出るかもしれません。

②遺伝的な原因もあるとの論文は多数あります。
ただし、食生活や音環境も含めて家族だと生活環境が似ているからともいわれます。

③自律神経の乱れ
・ストレス!
⇒薬剤師として患者さんのお話を伺っていると、ほとんどの女性はいつもよりストレス度高い時にめまい発作起こしてます。

・過労!
⇒いつもより忙しい時が特に多いと感じます。

・季節の変わり目、雨・嵐など
⇒気温・気圧の変化に自律神経調節がついていかない。

・そして、睡眠不足!!
⇒グッスリ寝ています。快調です。って時にあまり発作は聞きません。やっぱり、寝不足で疲労しているときに皆さん起こります。

やっと「睡眠」が出てきました(笑)

結局、寝不足は万病のもとっていうわけですが。
当たり前ですが、寝不足では脳疲労が取り切れませんし、自律神経が乱れます。リンパの流れも滞ります。浮腫みはとれません。
睡眠によるストレス消去効果も期待できません。

さらに、すでにメニエール病の方もいると思いますので、睡眠とメニエールと薬学的な内容を少し紹介します。

メニエール病の発作は2種類。<発作急性期>と<発作間欠期>

急性期:めまい発作など症状が激しく起こる。吐き気を伴う場合もあります。不安が酷くなったり逆に神経が高ぶってしまうこともあります。
⇒鎮暈剤(めまいの薬)、制吐剤(嘔気・嘔吐の薬)、消化器機能異常治療剤(お腹の動き改善・吐き気の薬)、向精神薬、抗アレルギー性緩和精神安定剤
などを、発作当日~数日間使います。

間欠期:一旦急性期症状が治まって、その後めまい発作や難聴・ふらつき画つづくなど。
⇒抗めまい剤、メニエール病改善薬、漢方薬(利尿作用あり)
などを使います。長期的に使う場合もある。

実際に使う薬としても、急性期は「眠気」を起こすものが多め。間欠期はあまりありません。
ここから考えられる睡眠の目的としては、次ようにマインドセットしてもらうとよいともいます。

①急性期は、とにかく気持ちを落ち着けストレスを和らげるために寝る!
②間欠期は、浮腫みを取る、自律神経を整えるために寝る!

たかが睡眠されど睡眠。ムリするほどメニエール病の発作は起こりやすくなるのです。
多くの薬は治すものではなくあくまで対処療法と心得よ!

遺伝や気圧って言われたら、ヒトがコントロールできるものではありません。しかし、現場で患者さんの声を集めている者としては、【ストレス】と【睡眠不足】つまり本来自分が何とかするものの影響が大きいと感じます。

何かと体に変化・不調が起きやすいカグ女世代。せめて今晩は、自分のためにゆっくり心地よく寝てみませんか?

それでは、今夜も良い眠りを・・・「人生、上手に寝たもん勝ち!」

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
研修講師/薬剤師/睡眠改善シニアインストラクター(日本睡眠改善協議会)

埼玉県出身。薬科大学卒業後、営業職に従事。医療の現場で心を病む人が増加している現状を目の当たりにし、心理カウンセラー資格を取得。その後、睡眠問題を深く掘り下げるためメンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる中で、睡眠は心と体を元気にし、目の前のあなたに笑顔をもたらす!と確信を得る。
日本にわずか10名ほどしか存在しない『睡眠改善シニア指導員資格』を取得(H29年3月現在)。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』に関するセミナーや、講演活動、『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、企業研修・安全大会講演を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。

新聞連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

 

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