Vol.20 睡眠とグリシン

おはようございます。
人生、丈夫に寝たもん勝ち!2分間コラム。今回は、「サプリメントと睡眠」のお話第2弾!です。

「睡眠サプリ」
ホントに眠れるの?!パート2

第2回目の今回は、「グリシン」を取り上げてみようと思います。

この「グリシン」を主成分とする睡眠サプリメントも沢山あります。
どんな人がどんなタイミングで使うと良いのか?
それを知った上で取り入れるのが効果を得るコツだと私は思っています。
サプリはあくまで食品であり不足をサポートしてくれるもの。費用対効果を考えて!

さて、グリシンとはどういうものでしょうか?

アミノ酸の一種です。

生体内ではセリンから生合成されます。
皮膚のコラーゲンの約1/3をしめるのもグリシンです。

食品で言うと、動物性のタンパク質⇒肉やコラーゲンに多く含まれます。
さらに、私も大好きですがエビ・イカ・カニなどの呈味成分(味を感じさせる原因物質)です。カニで言えば、グリシンは甘味や旨み、コクなどの担当する成分です。

ではこのグリシン、睡眠に対してどんな効果があるのでしょうか?

こんなデータがあります。

不眠傾向のある人171名に寝る前30分~直前にグリシン3gを4週間摂ってもらったところ、眠りの深さが深くなったり、中途覚醒がなくなったりという結果が出ました。
中には朝の目覚めがスッキリした方や、日中の作業効率が上がった人もいたようです。

そのグリシンはどう働いているのか?
末梢の血流を増加させる効果があります。

⇒それによって、熱放散が促進されます。
⇒すると深部体温が下がる。
⇒寝つきがよくなる。ぐっすり眠れる。

というメカニズムが期待できるわけです!

また、血流が改善することで、自律神経系が整い、生体リズムを整えやすくなるという効果もあります。

と、ここまでを総合して分析してみると・・・

(1)動物性タンパク質を夕御飯でよく噛んでしっかり食べましょう!
もちろん、肉に付き物の脂はもたれの原因になることもあり眠りの妨げになる場合もありますので、量や食べ方、食べる時間などは工夫する必要はあります。

(2)ということは、しっかり動物性タンパク質を食事に取り入れている人はこのサプリは・・・必要ないかもしれません。だって食品で充分摂取できるのです!
逆から見ると、菜食主義だったり、仕事が不規則で夕食を抜くことが多い人、ダイエット中で食事制限している人などでグリシンが不足しがちな人の役に立てるとも言えます。

(3)そしてその抹消血流改善の作用から、
例えば夜はお風呂に入らずシャワーで済ませる人や、手足が冷えて中々寝付けないタイプの人・夜中に何度も起きてしまう人
そんなタイプで睡眠を改善したい人に向いているサプリと言えるかもしれません。

前回の「GABA」は脳みそフル活動でストレス満載タイプの眠れないでひたが、対して「グリシン」は体温調節が上手にできずに寝付きが悪い・眠りが浅いタイプに向いているサプリ。目的も異なることがわかりますよね!

今回のグリシン、まずは食生活を見直してみること。体や生活スタイルなどいろいろな事情で難しい場合に試してみると良いでしょう。寝る30分前摂取が一般的です。

ただし、昨日の今日で効果があるものでもありません。
効果判定は1ヶ月程続けてみてから。気長に構えてくださいね。

補足ですが、グリシンは食品添加物としても多くの食品で使われています。多少過剰摂取になったとしても安全性に問題なしとされています。ご安心を。
また、前回同様、推奨される服用方法などは、サプリメントの製品・製剤によって異なりますので詳しくはメーカーのHPなどをご参照くださいませ。

それでは、今夜も良い眠りを・・・「人生、上手に寝たもん勝ち!」

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
研修講師/薬剤師/睡眠改善シニアインストラクター(日本睡眠改善協議会)

埼玉県出身。薬科大学卒業後、営業職に従事。医療の現場で心を病む人が増加している現状を目の当たりにし、心理カウンセラー資格を取得。その後、睡眠問題を深く掘り下げるためメンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる中で、睡眠は心と体を元気にし、目の前のあなたに笑顔をもたらす!と確信を得る。
日本にわずか10名ほどしか存在しない『睡眠改善シニア指導員資格』を取得(H29年3月現在)。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』に関するセミナーや、講演活動、『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、企業研修・安全大会講演を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。

新聞連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

 

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