医療保険を考える上でベースとなるのが入院日額と呼ばれる特約(あるいは主契約)です。よくモデルプランで「日額5,000円」って見かけますけど、なぜ5,000円なのかご存知でしょうか?なぜ3,000円ではなく、5,000円なのでしょう?
実はこの「日額5,000円」の根拠は、厚生労働省が公表している入院費の平均窓口負担額なのです。これは高額療養費制度を使った場合です。胃炎の3日入院から白血病の350日入院まで、いろんな病気を十把一絡げにして平均を取ると、入院した場合1日につき平均で5,000円くらいかかる、という事です。なので、入院日額5,000円に設定する、という事は、この平均額に備える、という意味になるのです。
しかし、この5,000円には食事代(これは全額自己負担)、入院中にかかる雑費(テレビカード代など)は含まれていません。諸々含めると、平均額は8,000円になります。なので、この食事代や雑費なんかもちゃんと保険でカバーしたい人は日額を8,000円に設定する必要があるのです。
で、よく成人病だと10,000円、がんだと15,000円、という設定を見かけます。これも厚生労働省が公表しているデータに基づいた設定で、10,000円は3人部屋の差額ベッド代まで賄った場合の金額、15,000円は個室に入った場合の個室料まで賄った場合の金額なのです。
入院日額にメリハリをつけると、保険料を抑える事ができたりします。いわゆる3大成人病の場合は3人部屋の差額ベッド代まで賄えるようにして、その一方で胃炎やインフルエンザの場合は窓口負担額のみを賄うようにして保険料を調整する事が多いです。なので、やたらめったら入院日額が多い方で、保険料が気になっている方は、入院日額を見直しされてみるのもいいかとおもいます。
さて保険の話は今回でおしまいです。保険は謎が多い商品です。でも組み立て方を知っていると、自分でも簡単に組み立てる事ができるようになります。ぜひ一度ご自分の保険を設計してみてください。
何を守りたいのか。どれくらいの金額を守りたいのか。なぜ守りたいのか。ここがポイントですよ。
水原 曜(みずはら ひかる)
2014年 住友生命保険相互会社東京本社入社。
「人生最後の転職先に保険会社を選んでしまう」という大ポカを犯してしまうもどうにか乗り越え、2017年4月より指導職に。部下に踊らされる毎日。
個人、法人問わず、フローとストックのバランスを重視した中長期的「無理しない」リスク対策のコンサルティングが最も得意です。
この記事へのコメントはありません。