今回は遺族年金と障害年金について具体例を挙げて計算してみたいと思います。まずは育ち盛りの子供3人を抱えた山田さんご一家で計算してみます。
≪山田さんご一家:夫35歳・妻34歳(専業主婦)・子供3人(6歳・4歳・2歳)≫
〇遺族年金
- 自営業の場合
- 基礎年金:779,300円
- 子の加算:523,800円
計 :1,303,100円(約11万円/月)
- 会社員の場合(老齢厚生年金額30万円・加入期間120ヶ月として)
- 基礎年金:779,300円
- 子の加算:523,800円
- 厚生年金:562,500円
計 :1,865,600円(約16万円/月)
〇障害年金(障害等級2級として)
- 自営業の場合
- 遺族年金と同額:1,303,100円(約11万/月)
- 会社員の場合(老齢厚生年金額30万円・加入期間120ヶ月として)
- 遺族年金と同額:1,865,600円
- 配偶者加給年金:224,500円
計 :2,090,100円(約17万円/月)
厚生年金の受取額は「ねんきん定期便」に記載されている加入期間と加入年金額で計算することができます。本来被保険者が受け取ることができる老齢厚生年金の3/4です。山田家のように300ヶ月(25年)年金を納めていない場合でも、納めたものとして計算します。
30万÷120ヶ月(加入期間)×300ヶ月(みなし期間)×3/4=562,500円
子の加算は子が18歳到達年度末まで支給されます。2人目まで1人につき224,500円、3人目からは1人につき74,800円です。なので、子が成長するにつれ貰える年金額は減っていくことになります。また障害年金については等級が1級の場合基礎年金額が1.25倍になります。他は2級の場合と変わりません。日々の仕事の現場では年度ごとの推移を詳細に計算するのですが「想像以上に少ない」という反応がほとんどです。
次回はお子さんがいないご夫婦、鈴木さんご一家で計算し、遺族年金と障害年金を総括します。
水原 曜(みずはら ひかる)
2014年 住友生命保険相互会社東京本社入社。
「人生最後の転職先に保険会社を選んでしまう」という大ポカを犯してしまうもどうにか乗り越え、2017年4月より指導職に。部下に踊らされる毎日。
個人、法人問わず、フローとストックのバランスを重視した中長期的「無理しない」リスク対策のコンサルティングが最も得意です。
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