《健康》運動をして疲労回復

ストレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。

毎日遅くまで仕事。疲れがたまっている週末は、できるだけ寝ていたいですか?実は、心身共に疲れを感じている時も、ある程度活動した方が疲労回復効果が高いことが分かっています。

今回は、運動をすると疲労回復する理由や効果をご紹介します。

🔴疲労は運動で回復する!

寝たり、安静にしたりすることだけが疲労回復に繋がるのではありません。安静にしすぎると逆に疲れがたまったり、だるくなってしまったりするケースもよくあります。「疲労回復=体を休ませる」ことと思いがちですが、疲労時に、軽い運動を行うことで疲労を回復を図るアクティブレストという方法があります。

アクティブレストとは、「積極的休養」とも呼ばれる疲労回復法です。疲労時に軽く体を動かすことで血流の改善を図り、疲労物質の排出を促します。一方、安静・休養・睡眠など、カラダを動かさずに休息する方法をパッシブレスト(消極的休養)と呼びます。アクティブレストは、もともとは連戦を行うスポーツ選手が素早く疲労を抜くことを目的として作り出された疲労回復法のひとつです。運動後の整理運動(クールダウン)もアクティブレストです。疲労の蓄積を防ぐだけでなく、新陳代謝を促すことで体をフレッシュな状態に戻し次の練習や試合に備えることができます。アクティブレストの狙いは、全身の血行をよくすることと筋肉のケア。軽めの有酸素運動で呼吸循環器系を活発化し、疲労回復を早めるのです。例えば自宅の風呂に浸かることでも全身に圧力がかかり、筋肉を刺激して血行がよくなります。その血行とは、主に静脈血の流れ。静脈自体にポンプの機能はないため、筋肉がほどよく動くことで血液は静脈を経て心臓へ戻るのです。

特に、デスクワークや立ち仕事などで同じ姿勢をずっと続けている方は、血液やリンパが滞り、疲労感を感じている方が多いので、じっとして休むより、体を動かすアクティブレストの方が効果的です。

🔴運動で疲労回復する理由と方法

なぜ、運動するのに疲労回復するのでしょうか。種類によっても理由は異なるようです。

1.有酸素運動

血液、リンパ液などの循環改善に効果があるため、持続的に心拍数を一定以上上げて行うウォーキングやジョギング、自転車などは、血液やリンパ液の循環が良くなるので、疲労物質が代謝しやすく疲労が抜けやすくなります。

<方法>同じ姿勢を長時間とっている場合は下半身に疲労物質がたまりやすいため、全身を動かすウォーキングやジョギング、自転車なんでも構いません。重要なのは負荷です。おおよそ、心拍数は安静時に比べると上がっているものですが、喋りながらでも行えるくらいの負荷に設定し、持続的に20〜30分程度行います。

2.ストレッチ

筋肉は疲労すると硬くなる傾向にあります。硬くなってしまうと血液の流れも悪くなり、疲労物質が溜まります。これが肩で起こると肩こりに、腰や背中で起こると腰痛などを発症する要因になります。硬くなっている部位をストレッチしたりテニスボールなどで圧迫したりすると、血液の循環もよくなり疲労感が抜けます。また、ストレッチは副交感神経を優位にするため、筋肉をリラックスさせやすく、これもまた疲労感回復に効果があります。

<方法>筋肉を40秒~1分程度リラックスしながら伸ばします。ヨガなどのレッスンに出るのも精神的なリラックスにもさらに繋がるのでオススメです。

3.筋トレ

硬くなった筋肉や、筋肉痛などがある部位の反対側の筋肉をトレーニングすることで、硬くなっている部位が伸ばされストレッチ効果があり、疲労回復効果があります。

<方法>筋肉と反対側の筋肉の筋トレを行います。あとは通常行っている筋トレの負荷で行います。トレーニングしている部位を意識してトレーニングするように心がけましょう。例えば、腕の前(力こぶ)を筋トレすると腕の後(二の腕)が伸びる。太もも前を筋トレすると太もも後が伸びる など。このことを相反抑制作用といい、筋肉痛などの疲労を早く回復させたい時に行うと、大変有効なトレーニングになります。

🔴アクティブレストの効果

アクティブレストは、運動後の疲労回復だけが目的ではありません。日常生活での疲れを感じた際も効果的な方法です。

疲労回復

筋肉に栄養を行き渡らせやすくなり、筋肉痛の早期緩和、筋肉のケアにつながります。

心身のコンディションを整える

脳内には「セロトニン」という神経伝達物質があります。セロトニンは強度の高い運動によって過度に増加するとかえって疲労を招く反面、強いストレスなどを受け、不足した状態では抑うつ感や不眠などの症状が現れることがあります。息の上がらない強度で行うアクティブレストは、不足したセロトニンを分泌させ、適切な量に戻すことによって自律神経のバランスを整える効果も期待できます。

いかがでしょう?アクティブレストの疲労回復効果を理解していただけましたか?

運動に乗り気でなければ、ショッピングなどでも構いません。外を歩く、散歩するくらいの運動でもアクティブレストの効果は期待できます。土曜日はアクティブレストの日、日曜日は完全休養の日などと分けて考えるとよいかもしれません。好奇心旺盛なエゴレジさんなら、休日を使って、積極的にアクティブレストを試してほしいと思います。

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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。

小野寺敦子

エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。

畑 潮

エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー

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