アーユルヴェーダと睡眠のお話

はじめに

世界三大伝統医学の一つアーユルヴェーダ。国によっては専門医制度もあります。

例えば、インドとスリランカではその治療としての立ち位置やアーユルヴェーダの考え方内容も異なりますが、今回はウェルネスというザックリ大きな意味でアーユルヴェーダと睡眠の関係を取り上げてみようと思います。

アーユルヴェーダから見る睡眠

5000年の歴史を持つアーユルヴェーダ。その古典書にはこうあるそうです。

『幸福や不幸は全て睡眠に基づく。』
最適な睡眠が幸福と長寿をもたらす。』

睡眠がいかに大切か?は何千年も前からわかっていることなのですね。

アーユルヴェーダでは睡眠を「ニドラ」と呼びます。ニドラが乱れるとニドラナシュ=不眠症になると言われます。

もちろん、そのニドラが良い状態にあるためには食事運動精神状態を保つ事など、それぞれアーユルヴェーダで大事とされていることすべてが連動しているわけですが。

但し、ここで重要なのは最適な睡眠であること。寝不足はもちろん寝過ぎも良くないわけです。今の自分(もっと言えば今日の自分)にとって最適な睡眠を心掛けることが幸福につながります。

でも、ついつい睡眠を蔑ろにしてしまいがちなのが現代日本人。7割の人が睡眠に不満を持つというのが現状なのです。

そこでまずは、睡眠を通して自分の状態に目をもけることから→次に問題解決→そして最適睡眠のループを回す。という順で幸福を目指してみるのが良いかもしれません。

では、アーユルヴェーダの3つのドーシャ(体質)別に睡眠の特徴を見てみます。

<ヴァータドーシャの睡眠>

  • 状況によって睡眠の質が変わりがち
  • 短く浅い傾向
  • 悪夢を見がち

⇒全力で頑張るこのタイプは、意識してリラックスすることや昼寝を取り入れるもの良い。

自分が思っているより周りやストレスの影響も受けます。

自分なりのストレス対策で早めにすっきりさせること。お風呂にゆっくりと浸かる、たまにはアーユルヴェーダ製品を使ったオイルマッサージを受けるなども良いかの知れません。

<ピッタドーシャの睡眠>

  • 寝つき寝起きはよい方
  • 眠りは浅く短めな傾向
  • 数日は睡眠不足でもわりと耐えられるタイプ

⇒仕事など達成するためには睡眠は二の次にしがちなこのタイプ。眠らなくても頑張れる強い意志は良いのですが、言い換えると後から体にその付けが回ってくるとも言えます。達成と自分の身体とを冷静にしっかり見つめ、意識的に休むことを心掛けることが良い睡眠に繋がります。

時には冷たいシャワーでクルーダウンも必要かもしれません。寝る前にはマインドフルネス瞑想など、一旦頭の中をリセットすることもニドラ(睡眠)の質向上につながります。

<カパドーシャの睡眠>

  • 欲求のままに眠ることを求める
  • 眠れないと悩むことは少ないタイプ
  • 長時間睡眠を好み寝過ぎる傾向にある

⇒わりと体の欲求に気づきやすく忠実なこのタイプ。目覚めは悪くないけど、必要以上に寝すぎる=必要以上の労り又はおサボリ気味な場合も。その十分を過ぎた分の寝過ぎがニドラ(睡眠)のリズムが狂う原因に。結果肥満やさらなる精神的な落ち込み傾向に繋がったりもします。

早寝早起きを心掛けたり、昼間は出来るだけアクティブに活動する等も効果的です。

自分のドーシャのタイプとその睡眠傾向を照らし合わせて、最近の自分は睡眠の良くない特徴部分が出てきてはいないか?ちょっと振り返って見て、睡眠の質改善に取り組んでみてください。

まとめ

『最適睡眠は幸福に通ず』
第二第三の人生がスタートしているカクジョ世代。元気で楽しく長生きするために、自分に合った快適な睡眠を目指してみませんか?

それでは、今夜も良い眠りを・・・

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
薬剤師/睡眠改善インストラクター(H29年現在)薬科大学卒業後、営業職に従事。その後メンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる。2011年独立。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』や『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、セミナーや講演、企業研修を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。
スリープ・パフォーマンス カンパニー https://sleep-perform.com/
快眠サロン水月~mizuki~   https://mizuki-kaimin.com/
新聞コラム連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

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