断眠の恐怖！

Sleep Performance Company　（スリープパフォーマンスカンパニー）
代表：小林　瑞穂　（こばやし　みずほ）
研修講師／薬剤師／睡眠改善シニアインストラクター（日本睡眠改善協議会）埼玉県出身。薬科大学卒業後、営業職に従事。医療の現場で心を病む人が増加している現状を目の当たりにし、心理カウンセラー資格を取得。その後、睡眠問題を深く掘り下げるためメンタル専門の薬剤師となり、延べ５万人以上の「眠りの悩み」に関わる中で、睡眠は心と体を元気にし、目の前のあなたに笑顔をもたらす！と確信を得る。
日本にわずか10名ほどしか存在しない『睡眠改善シニア指導員資格』を取得（H29年3月現在）。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』に関するセミナーや、講演活動、『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、企業研修・安全大会講演を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。スリープ・パフォーマンスカンパニー　https://sleep-perform.com/
快眠サロン水月～ｍｉｚｕｋｉ～　　 https://mizuki-kaimin.com/新聞連載・各種メディアでのコラム執筆や、ＴＶ出演等も行っている。
＊著書：『できる大人の９割がやっている　得する睡眠法』（宝島社）

1 はじめに
2 断眠で起きる怖いこと
3 まとめ

はじめに

締め切りに追われた！など一晩二晩の徹夜はあると思います。何日も何週間も全く一睡もしない人はいないと思いますが・・・
もし、無理やり眠らなかったとしたら？それに近いことをしたら？一体私たちはどうなってしまうのか？
今では人道的な面から断眠実験は行われません。それは身体や精神に危険が及ぶから。
その昔は、拷問として断眠が存在しました。ラットを用いた実験では、断眠させられたすべての個体が本来の寿命を全うできず、一カ月以内に死亡します。
それほど危険なのです。「眠らないこと」は・・・

断眠で起きる怖いこと

最も有名なのは1964年のアメリカで行われた高校生ランディ君の断眠実験。スタンフォードの睡眠研究者デメント博士が立ち会っています。
古い実験でも結果はきっと今でもそう変わらないはず。私たちが眠らないで済むように50年で進化したわけではありません。

断眠1日目　：　6時起床からスタート。この日は普通の日ですよね。
断眠2日目　：　目の焦点が定まらなくなる感覚あり。疲れ目。
⇒我々も経験したことが有るのではないでしょうか？
断眠3日目　：　気分が安定しない。吐き気がする。
⇒いつも以上にイライラしたり。なんて経験も少なくないはず。
断眠4日目　：　集中できない。幻覚が見える。道路標識が人に見えたそうです。
記憶が飛ぶ。頭を締めつけられる感じ。
断眠5日目　：　断続的に空想にふける。
断眠6日目　：　ものが立体的に見えなくなる。見え方がおかしい。
断眠7日目　：　呂律が回らなくなる。
断眠8日目　：　発音が不明瞭になる。
断眠9日目　：　思考が途切れる。文章が最後まで話せなくなる。
指が震える。眼瞼下垂や眼球の震えも起こる。
断眠10日目：　記憶や言語能力が低下。
断眠11日目：　更に悪化。
断眠12日目：　世界記録更新したので実験終了！
その後、14時間40分寝てほぼ回復。後遺症は残らなかった。
※ただし、4日目以降、自分では気づかなくても、脳内ではマイクロスリープが起きていたと考えられています。

この他にも断眠実験は行われており、精神的に異常をきたし自殺企図を誘発してしまう場合があること、記憶・学習に問題が起こること、循環器系の疾患が悪化することなどが分かっています。

数日の断眠でもパフォーマンスは低下することが分かります。
疲れ目や頭がボーッとするところで止めておかないと危険です。

一般的に、寝不足は、ある程度まとまった睡眠を取ることで回復できることも分かっていますが、上の実験では健康な若者だったから何の問題残さず半日で回復できたのかもしれません。
我々カグジョ世代では、疲労やストレスは体調不良にすぐ出ますし、もし、心身に持病があったとしたら後遺症が残らないとは言い切れません。