| スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。 エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。 |
冬から春への季節の変わり目に、「なんとなく体がだるい」「気分が沈む」「やる気が出ない」といった心身の不調を感じることはありませんか。特に2月頃からこのような症状が出やすいことから、「2月病」と呼ばれることがあります。そこで今回は、冬の終わりに心をしなやかに整えるエゴ・レジリエンスと2月病についてのお話です。

なぜ2月に不調が起こりやすいのか
「2月病」とは、一般的に冬の終わりから春にかけて、心や体に現れる不調を指す言葉です。医学的な正式名称ではありませんが、多くの人がこの時期に経験する、特定のパターンを持つ不調に対して使われます。心理学の研究でも、いくつかの要因が重なることで、心のエネルギーが低下しやすい時期であることが示されています。
① 日照時間の短さによる気分の低下
冬は光量が減り、脳内のセロトニン活性が低下しやすくなります。
季節性の気分変動(Seasonal Affective Disorder)を研究したRosenthalら(1984)は、光不足が気分の落ち込みや意欲低下を引き起こすことを示しました。
つまり、2月に気分が落ちるのは“自然な生理的反応”でもあるのです。
② 年末年始の反動(ポストホリデー・ブルー)
休暇明けに疲れがどっと出る現象は、心理学では「ポストホリデー・ブルー」と呼ばれます。
Fritz & Sonnentag(2006)は、休暇中の生活リズムの変化や、休み明けの社会的要求の増加が疲労感を増幅させると指摘しています。
働く女性は、仕事に加えて家事・育児の負荷も重なり、反動が出やすい傾向があります。
③ 年度末のプレッシャー
多くの場合、年度末が近づき、評価、締め切り、引き継ぎ、チームの変化など。「そろそろ結果を出さなきゃ」という焦りが静かに積み重なり、心のエネルギーを消耗させます。
④ 春の変化に向けた“心の準備期間”
3月・4月の環境変化を前に、無意識のうちにエネルギーが分散し、停滞感が生まれます。
こうした外的・内的要因が重なる時期は、不調が起きやすくなるのも当然のこと。必要なのは、“頑張り続ける力”ではなく、状況に合わせて自分をしなやかに整えなおす力です。
エゴ・レジリエンスは、誰もが持っている「状況に応じて感情や行動を柔軟に調整できる能力」です。エゴ・レジリエンスが高い人ほど、ストレス状況でも感情調整がうまく、回復が早いことが研究から判明しています。
冬から春に向けて起きやすい2月の不調は、季節と環境がそうさせているだけ。だからこそ、この時期は、誰もが持っているエゴ・レジリエンスを発揮する絶好のタイミングでもあります。
この時季の不調・揺らぎに向き合うと、つい「もっとちゃんとしなければ–」「しっかりしなければ–」と、自分を奮い立たせようとしがちです。
しかし、心理学の視点から見ると、ストレスに対して必要なのは“強さ”ではなく“柔らかさ”です。
エゴ・レジリエンスとは、困難を跳ね返す硬い防御ではなく、状況に合わせて形を変えながら自分を保つしなやかさのこと。しかもこれは、特別な訓練を受けた人だけが持つ能力ではなく、誰の中にも元々備わっている適応の力です。
大切なのは、この力を季節や環境の影響で揺らぎやすい時期にこそ“発揮しやすい状態”に整えること。
たとえば、疲れを感じたときに立ち止まる判断ができることも、気分が落ちたときに小さな行動へ切り替えられることも、すべてエゴ・レジリエンスの表れです。
つまり、2月の不調は「力がないから起きる」のではなく、「力が発揮しづらい環境が重なっている」ということ。だからこそ、この季節は自分を責めるのではなく、内側にあるしなやかさが自然に働くように、心と行動の環境を整えることが何より大切になります。

心をしなやかに整える4つの習慣
「なんとなく調子が出ない」そんな2月の停滞感は、少しの工夫で軽くできます。無理に前へ進もうとするよりも、そっと自分を整え直すことが大切です。
心理学の研究が示すように、状況に応じて感情や行動を柔軟に調整できる力――エゴ・レジリエンスは、特別な人だけが持つ能力ではなく、誰もがもともと備えている“しなやかさ”です。
ここでは、エゴ・レジリエンスを発揮しやすくするための、4つの習慣を紹介します。この4つの習慣は、忙しい日々でも続けられる“心のメンテナンス”です。
① 自分のモードを言語化する
「今日はちょっと省エネで」「今週は淡々と」
言葉にすることで、無駄な自己否定が減り、感情の整理が進みます。
② 行動のハードルを下げる(スモールステップ)
Bandura(1997)は、小さな成功体験が自己効力感を高め、ストレス対処に有効であると述べています。
✓30分運動 → 5分だけ外に出る
✓完璧な資料 → まず骨子だけ “小さく始める”ことで、心の弾力が戻ってきます。
③ 気分転換のスイッチを持つ(マイクロブレイク)
Kimら(2017)は、数分のマイクロブレイクが疲労軽減や集中力回復に効果があると報告しています。
✓温かい飲み物を淹れる
✓香りを変える
✓席を立つ
✓5分ストレッチ
ちょっとした短い休息が、心の回復力を支えます。
④ 季節の影響を受け入れる
「調子が出ないのは、季節の影響だから」 そう認めるだけで、心の負担は軽くなります。
大切なのは、この力を日々の中で自然に“発揮できる状態”に整えていくこと。そのためには、ほんの小さな工夫や、心の扱い方のコツが役に立ちます。

以上、エゴレジ研究所から冬の終わりに心をしなやかに整えるエゴ・レジリエンスと2月病についてご紹介しました。2月病のような不調は、季節と環境が心に負荷をかけやすいからです。それに対して私たちができることは、無理に頑張ることではありません。大切なのは、もともと誰の中にもある“しなやかに戻る力”――エゴ・レジリエンスを、日々の中で発揮しやすい状態に整えていくことです。小さな習慣を積み重ねることで、心は少しずつ軽くなり、春に向けて自然と自分らしいリズムを取り戻していきます。
エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。
あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>
![]() |
代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
|
|
|
GM 畑 潮/心理学博士 GCDFキャリアカウンセラー 健康リズムカウンセラー |

















この記事へのコメントはありません。