スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。 エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。 |
近年は「秋が短い」「秋を感じにくくなった」との声が増えています。2025年の秋も、残暑が長引き紅葉が遅れる可能性が指摘されていますが、ここにきて、ようやく残暑も和らぎ秋らしい空や風を感じるようになりました。そこで今回は、秋の養生、メンタルケアについてのお話です。
季節の養生
「陰陽五行」と春のメンタルケアでもご紹介しましたが、「陰陽説」と「五行説」は中医学の基本で、自然界の全てのものを「陰・陽」、「木・火・土・金・水」の要素に分けて捉える考え方です。
季節を陰陽説に当てはめると、春夏は「陽」、秋冬は「陰」。2月ころには陰が落ち着き、陽がだんだんと活発になります。そして春分は陰の冬から陽の夏に向かう変化の時期です。
こうした変化に合わせ、秋は気持ちも行動も内向きにし、静かに過ごして「陽気」を体内に収めることが大切。
今から2000年前に成立した東洋医学の古典「黄帝内経」では、春夏秋冬にかなった生活スタイルで過ごすことで、自然の働きをより享受でき、心身がよい状態になり、生命力を養うことができると説かれています。この書物の中では、四季を、春は「生」、夏は「長」、秋は「収」、冬は「蔵」という言葉で表しています。
気持ちも行動も、秋は5つのキーワードを意識して過ごしてみてください。
1.控えめ 2.内向的 3.安定 4.静か 5.穏やか |
また、五行的には肺が対応し、空気の入れ替えや免疫系に深く関係してきます。この時期に大切な養生のキーワードは「呼吸」です。
呼吸を正しく使い分けられると、全身にくまなく血流を送れるようになります。特に、冬の冷えがつらい人は、秋から準備を始めましょう。
肺を整えるために
『自律神経にいいこと大全100』(ワニブックス)の著書で、自律神経の専門家の森田遼介先生(TC鍼灸マッサージ院・院長)は、その著書の中で秋の養生について、以下のように解説されています。(以下、著書から抜粋引用)
東洋医学で、秋に関係が深い五臓(肝・心・脾・肺・腎」の5つの臓腑)の「肺(呼吸)」が乱れると、汗が出ない・出過ぎる発汗異常や、鼻水・鼻づまり・咳などの風邪症状、かゆみ・シミ・シワなどの皮膚や肌トラブルが起こりやすくなります。さらに、肺は「悲しみ」を司る五臓なので、肺が弱ると、悲しみや気分の落ち込みなどが出やすくなります。
肺を整えるためには運動が大切で、腹式呼吸や10~15分程度のウォーキングや有酸素運動など、自分の体力に合った度合いで調節しながら、運動を継続しましょう。
また、猫背で肩が内側に巻き込む姿勢は、肺が働きづらくなります。猫背の人は胸や肩前面の筋肉が硬く緊張していることが多いため、ここを伸ばすストレッチを行いましょう。
肩の前面、鎖骨の外側端から指2本分下がったところには「中府」という「肺経」の経絡(けいらく:ツボとツボを結ぶ道のこと)に属するツボがありますが、両手を体の後ろで組んで、3回ほど深呼吸をします。肩前面が伸びているのを感じるはずです。
「白い食材」で乾燥を防ぎ、免疫力アップ
秋の養生は、肺の養生。肺は「乾燥」に弱いため、「乾燥」に気をつけ、潤いを保つことが重要です。
秋前半は「暑さと乾燥」、後半は「寒さと乾燥」へと変化していきますが、健康にも美容にも乾燥は大敵。体が乾燥すると便秘や呼吸のしづらさ、嚥下(えんげ)障害、シミ・シワ・たるみ・かゆみ・感覚過敏・汗腺の開閉のリズムが乱れるなどの皮膚やお肌のトラブルが増えていきます。
そんな秋におすすめの食材は「白い食材」。暑さが続く前半では、体の熱を取りながら潤いを与える食材を、バランスのいい食事に加えると良いでしょう。具体的には、れんこんや梨、きゅうり、白ごま、ぶどう、豆乳、貝類、豆腐などがあります。
寒さが増す秋の後半は、体を温めながら潤いを与えてくれる食材を選びましょう。米やもち米、大根、山芋、生姜、ネギ、ハチミツ、鶏肉、白きくらげなどがあります。
乾燥は肺の働きを乱し、免疫力の低下につながります。のどや気管支の粘膜が乾燥すると風邪を引きやすくなるため、できれば15〜20分に一度、少量の水分を口にするとインフルエンザなどの感染症予防にもなります。体を潤す白い食材や、のどの乾燥を防ぐケアで「体のバリア機能」を高め、免疫力をアップさせましょう。
以上、エゴレジ研究所から秋の養生、メンタルケアについてご紹介しました。秋は「夏の疲れ」+「寒暖差」+「生活リズムの乱れ」が重なる季節。その一方で「スポーツの秋」「読書の秋」「食欲の秋」「芸術の秋」「行楽の秋」など、さまざまな活動が楽しめる季節でもあります。季節の変化を楽しみながら、冬に備えて、心と体のケアを行いましょう。
エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。
あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/
<プロフィール>
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代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授 |
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GM 畑 潮/心理学博士 GCDFキャリアカウンセラー 健康リズムカウンセラー |
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