「人は人、自分は自分」

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

「人は人、自分は自分」と言うものの、他人を気にしてしまい自分の思い通りにはできないと悩む人は多いのではないでしょうか。「空気を読む」ことが重要視される日本では、人は人、自分は自分と割り切って自分らしく生きていくのが難しいと感じるかもしれません。そこで今回は、「人は人、自分は自分」という考え方についてのお話です。

「自分は自分」という考え方

「人は人、自分は自分」という言葉は「人間はそれぞれ価値観や個性があり、無理に同じになろうとしても不毛で実りがない」といった意味あいです。いろいろなものに惑わされて自分が本当に望んでいるものを見失うことが無いようにという戒めでもあります。
「自分は自分」と割り切るとは、自分以外の誰かに左右されることなく心穏やかでいられる、もしくは自分らしい選択ができることだといえます。

とはいえ、人に負けたくない、人がうらやましいなど、人と自分を比べてしまうことは多くの方が持つ感情です。人のことは気にしないようにしようと思えば思うほど気になってしまうものです。しかしあまりにも人を気にしてしまうと、自分を見失ってしまうことも多くなります。また人と自分を比べて自分の方が劣っていると自分で捉えてしまえば、人を妬む気持ちや劣等感も生まれてしまいます。

武者小路実篤が野菜や花などを描いた絵に書き添えた「讃」とよばれる短い言葉に「君は君 我は我也 されど仲良き」というのがあります。
人は一人一人違って当たり前、人が得ているもので自分が持っていないものがあるのと同じで、自分は持っているけれども人にはないものも必ずあります。人と自分を比べる必要はなく、人を受け入れることで自分もまた受け入れることができます。
人を受け入れて自分を受け入れることで、立場や環境は違ってもいい人間関係を築くこともできます。

割り切れない人の特徴

では人は人、自分は自分と割り切れない人には、どんな心理が働いているのでしょう。自分らしく生きるために役立つ思考法を紹介しているJam氏(イラストレーター・漫画家)は、著書『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』(サンクチュアリ出版)で「自分は自分」と割り切れない人に共通する特徴をあげています。

✓自分に自信が持てない
✓競争意識が強い
✓自分よりも他人を優先している
✓周囲からの評価を気にし過ぎる
✓嫌われることを恐れている

自分は自分だという思考を身に付けるためには、他人と自分の課題を切り分けたり他人と比較する癖をやめたりなど日頃の習慣を変える必要があります。割り切って生きられないと悩んでいる人は、ここで紹介した中に該当する要素がないかどうかチェックしてみましょう。

Jam氏の著書『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』には、自分は自分だと割り切って生きるための考え方(自分らしく生きるために役立つ思考法)が多数掲載されています。

「自分は自分」と割り切るメリット

「自分は自分」と割り切るとどういったメリットがあるのでしょうか?

✓ストレスが少なくなる
まず一つは、ストレスが少なくなることです。「自分は自分」と考えられるようになると、自然と自分が変えられる問題にしか意識が向かなくなります。
「あの人が不機嫌なのはあの人自身の問題だから私が考える必要はない」と自他の境界線を明確に引けるようになります。悩ましい考えを切り分けるため、ストレス減少につながるのです。また、切り分けられるようになることで、自己肯定感の高まりも期待できます。

✓自分の価値観を大事にできる
「自分は自分」と割り切ると、自分には自分の幸せがあり、誰かと比べる必要なんてないことに気づきます。世間一般の幸せではなく自分にとっての幸せを見つけようとするので、自分の好きなこと、やりたいこと、大切にしたいこと・・・そういった価値観を尊重して生きられるようになります。

✓やりたいことに挑戦できる
自分の気持ちに従って行動をしていく日々が続くと、徐々に自分のやりたいことも見えてきます。他人を気にしていると、何かしようとした時、他人の判断で自信をなくしてしまうこともあります。ですが、「自分は自分」と割り切ると、人の意見に過剰に反応してしまうことがなくなります。他人の意見に振り回されなくなると、ムダに悩むこともなくなり、自分のやりたいことに挑戦できるようになりますよ。

✓人間関係がラクになる
「自分は自分」と割り切ると、無理して人に合わせる必要がなくなります。
また職場で自分だったらしないと思うことを、他人がすることもあるでしょう。そういった場合でも人と自分は違うと割り切ってしまえば、自分が理解できない行動を取っている他人がいても、気に病むことは少なくなるでしょう。

✓周囲から信頼を得られやすい
他人に左右されることがないので、言動に一貫性があります。そのため、周囲の人たちからは「この人は正直者で嘘をつかない」と信頼をされるのです。
「人は人、自分は自分」と考えて生きると、誠実な人だと認識されやすいでしょう。

「気にしない」ことよりも「放っておく」こと

『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』 の著者、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生によれば、

“対人関係によるストレス……他人が自分の思い通りにならないことにもどかしさを感じたり、他人と自分を比べて劣等感を抱いたり……これらは私たちの心を蝕むストレスとなり、自律神経のバランスを大きく崩す原因になります。こうしたストレスから自由になるには、「人は人、自分は自分」という考えを持つことが大切です。自分の中にブレない軸を持ち、他人の意見に左右されない確固たる価値観を据えるのです。
とはいえまったく人目を気にしない、コンプレックスを持たないなどということは、そう簡単に実践できるものではありません。どれほど意識しないよう努めても、他人の目や言動が気になるのは人としてごく自然な反応。
そこで求められるのが「気にしない」ことよりも、「放っておく」ことへ考え方をシフトすること。自分に向けられる評価や他人の目から距離を置き、関知しないようにするのです。
心が乱れそうなSNSやネットの情報を見ないようにする、気分の晴れることだけを考えるなど、自律神経を安定させることを最優先に考えましょう。それこそがあなたの人間力を磨く一歩であり、幸せへの近道となるのです“

まずは、ここから始めましょう。

以上、エゴレジ研究所から「人は人、自分は自分」という考え方についてご紹介しました。他人に振り回されず自分らしく生きている人は、他人のことも自分のことも否定しません。みんな違って当たり前、自分も他人も否定する必要なんてないんだと分かれば、他人の意見に反応し過ぎることもなくなり、自分は自分でいいと思えるようになります。自分の人生に責任を持てるのは自分だけ。「人生の主人公は自分」なのです。あなたは他の誰にもなれないし、他人はあなたにはなれない。あなたの人生と他人の人生は切り離して考えましょう。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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