ストレスを軽減する秘訣「スルースキル」

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

人間関係のモヤモヤを感じやすいビジネスシーンで、注目されるのが「スルースキル」です。スルースキルは、人からのネガティブな態度や言葉を上手くやり過ごす能力のことで、人間関係の問題が多いビジネスシーンでは重要なスキルといえるでしょう。そこで今回は、スルースキルについてのお話です。

スルースキルとは?

「スルースキル」とは、他人から嫌味を言われたり、ネガティブな発言をされたときに、気にせず聞き流すことができる能力のことを意味します。簡単に言うと「受け流す力」のことです。

Domani編集部は、全国の30~45歳のワーママ(有職既婚女性)110名を対象に「スルースキル」に関してアンケートを実施しました。
「あなたは“スルースキル”を持っていると思いますか?」の設問では、「よく当てはまる」「当てはまる」と回答した方が20.8%、「あまり当てはまらない」「当てはまらない」と回答した方が79.2%と、8割近くの方が「スルースキルを持っていない」と感じている結果となりました。

あなたは次のような経験はありませんか?

  1. 相手に気を遣い過ぎて疲れてしまう
  2. 人との関係にストレスを感じる
  3. 何事も真正面に受け止めてしまう
  4. 人から「いじられる」のが苦手
  5. 他人の発言で傷つきやすい
  6. スルーできず、つい反論してしまう
  7. 他人に言われた言葉を心に溜めこみやすい

上記に当てはまる数が多い人ほど、スルースキルを身につけた方が生きるのが楽になる可能性が高いようです。

スロースキルのメリット

近年、スルースキルが注目されているのは、以下のような効果・魅力があるからです。

✓人間関係でのストレス軽減
スルースキルが高ければ、人間関係におけるストレスが大幅に軽減されます。単純にイライラしたり落ち込んだりすることが減るからです。スルースキルでネガティブな感情は回避していきましょう。

✓人付き合いが上手くなる
スルースキルが高いと、どのような人とでも当たり障りなく接することができるので、人付き合いが上手くなます。スルーすべき場所、反応すべき場所が理解できるようになるので、人と付き合うのに慣れて人間関係を円滑にすることができます。つまり、人から言われた言葉に対して、自分にとって必要かどうかの取捨選択をするようになるからです。

●自分に関係なさそうな情報を聞き流す
●関係ありそうな情報なら内容を精査して判断する

そうすると、誰かに嫌なことを言われたとしても「今日は機嫌が悪いんだな。そっとしておこう」とか、「はい、わかりました」と返事だけしてその場をすぐに去るなど、受け流す対処方法がわかるので、気に病むことがありません。関係に波風が立たなくなるので、人間関係が円滑に進むようになります。

✓一時的な感情に振り回されない
誰かに嫌な態度を取られたり言われたりした後の、一時的な感情に振り回されることがありません。例えば、よく嫌味を言う上司と話をして、案の定嫌味を言われたとします。
スルースキルが低い人だと、怒りを露わにするなど感情的になりますが、スルースキルが高ければ「この人はこういう人だ。仕方ないので極力関わらないでおこう」と、嫌みを言われた後の一時的な怒りに振り回されることがないのです。また、からかって楽しんでいる人は、相手の反応を見て喜んでいるもの。スルーできる人に対しては、いじっても面白みがないと思われるので、無駄にいじられることがなくなります。

✓仕事の生産性が向上する
誰かの指摘や言葉に左右され、目の前の仕事に対して集中力が途切れることがないため、仕事の生産性が向上します。生産性が向上すれば、職場での評価も上がるため昇級するのも夢ではありません。

✓仕事が楽しくなる
スルースキルが高ければ、人間関係や業務において邪魔が入る隙がありません。そのため、人間関係だけでなく仕事も順調に進むようになり、楽しくなります。

このスルースキルを高めることができると、取るに足らない「イライラ発言」から自分を守ることにつながります。

ただスルースキルは、「鈍感力」とは少し違って、自分にとって不都合なものをすべてスルーするわけではありません。相手の言葉を完全に無視したり、注意されたことを全てスルーしようと言っているわけでもありません。時には相手の言葉に耳を傾けたり、注意を聞き入れることは大切です。そうすることで、成長や改善につながるからです。ですが、もしあなたが相手の言葉やネガティブな感情にモヤモヤ悩んでいるなら、スルースキルを高めることでその悩みを解消できるかもしれません。

スロースキルを高めるには

普段は精神科医として働きながら、InstagramやvoicyにてHSP気質に関する発信も行なっておられるしょう先生は、ヨガジャーナルオンラインのサイトで、スルースキルを高める方法を提案されています。(以下、しょう先生)

スルースキルを高める方法としては以下の2つの方法が効果的だといえます。
1.冷静さを取り戻す時間を作る
相手から必要以上に強い言葉をかけられたり、ネガティブな感情をぶつけられるとどうしても動揺して焦ってしまいます。そのような冷静さを失った状態だと気持ちの切り替えも難しいですし、ネガティブな感情に支配されて落ち込んでしまうことも多いものです。なので、まずは少しの時間でもよいので、冷静さを取り戻す時間を作ってください。例えば、
・いったん深呼吸をして、呼吸を整える
・すぐに何か行動しようとせず、休憩をはさむ
・可能ならば、誰かに今の気持ちを共有する
といった行動で時間を作ってみましょう。そうすることで冷静に「スルーする」という選択肢も取りやすくなるでしょう。

2.必要以上に相手に期待をしない
無意識に相手に期待してしまうこともあります。例えば、
「上司なのになんでそんなにすぐ怒るの?」
「先輩なのにどうしてそんな言い方知するの?」
このように○○なのにどうして?と考えてしまっているならば、少し注意が必要かもしれません。
上司や先輩といえども完璧ではありませんし、少し言葉が悪いかもしれませんが、全員が同じぐらい優秀というわけではありません。人によって得意や不得意、長所、短所も様々でしょう。なので良い意味で「必要以上に相手に期待をしないこと」を意識してみてください。このように現実的な見方をすることで、感情をコントロールしやすくなります。
感情をコントロールできるようになることで冷静な判断につながり、スルースキルの向上が期待ができます。
また相手に必要以上の期待をしないことで、相手の行動や反応に過度に影響される可能性を減らすこともできます。すると不必要なストレスや心配も軽減し、同じくスルースキルを高めることができるでしょう。

以上、エゴレジ研究所からスルースキルについてご紹介しました。様々な価値観を持っているのが人間です。「相手をスルーする行為が失礼に感じる」という方もいるでしょう。しかし、スルースキルを身につけることで価値観の異なる人とも共存しやすくなります。あなたが穏やかに毎日を過ごすためにもストレスへの対処法の1つとして知っていただければ幸いです。

 

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP