「梅雨だる」を乗り切る!

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

梅雨どきは、体のだるさや食欲不振、頭痛などに悩まされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。この時期の体調不良は、「梅雨だる」や「6月病」などと呼ばれています。そこで今回は、梅雨どきに起こりやすい体調不良と「梅雨だる」を乗り切る対策についてのお話です。

梅雨と気象病

今年は、偏西風が大きく南に蛇行し梅雨前線がなかなか北上できなくなっていて梅雨入りが平年よりも遅れたようです。
梅雨は、上空の冷たい空気とあたたかい空気がぶつかり合って梅雨前線ができ、同じ位置に長期間停滞することで起きるといわれています。梅雨前線の付近には低気圧が発生しやすいため、雨の日が多くなります。

梅雨に「陽性」「陰性」「カラ梅雨」があるのをご存じですか。
陽性型=雨の降り方が激しく、「雨天」のあいまに「晴天」も現れるような梅雨。気温も高めになることが多くなります。
陰性型=ジメジメとした雨が毎日のように続き、晴れることはあまりない。気温は低めになります(梅雨寒)。
カラ梅雨=雨の降る日が少なく、晴れる日が多い。
西日本の梅雨は比較的「陽性」が現れやすく、東・北日本では「陰性」が現れやすいと言われています。

こうした天気の変化によって引き起こされる身体的・精神的な不調の総称を「気象病」と呼びます。気象病として最も多い症状が頭痛。他にも、首の痛み、めまい、耳鳴り、喘息、関節・神経痛そしてうつや不安症も気象病の症状のひとつです。

気象病は天気が悪いことが影響して体調が悪くなるため、原因がわかりづらく、周りの人にはなまけているように見えるかもしれません。しかし、現れる症状には個人差があり、人によっては生活に支障をきたす可能性があります。

具体的には、高い湿度による不快感、急激な気圧の変化による自律神経の乱れ、日照時間の減少による睡眠ホルモンの分泌量の低下と、その影響による睡眠障害や神経伝達物質「セロトニン」の減少が引き起こす感情の乱れ等があります。梅雨時期は雨や湿気による精神的な不快感を感じるだけでなく、体にとっても梅雨がもたらす物質的な原因により、うつ病にかかりやすい条件が揃うことになります

6月に表われやすい気象病「梅雨だる」

「気象病」の特徴としては、大半が女性で低血圧の人に多いということです。
梅雨時期になると体調が悪くなる人が増えますが、3人に1人、また50代女性の7割が梅雨時期の体調不良の経験があるという調査があります。※株式会社リーフェ(2019)

症状として最も多いのが頭痛(65%)で、次いで倦怠感疲れ寝不足の順でした。

こうした「梅雨だる」の原因には、
低気圧が続く
梅雨のこの時期、大気は低気圧配置になります。大気が低気圧になると、身体は副交感神経が優位に働くようになります。副交感神経は、緊張をほぐして身体を休ませる神経ですので、身体がお休みモードになって、「だるい」「やる気が出ない」と感じてしまうのです。
また、低気圧が続くと「ヒスタミン」という炎症物質(発痛物質)の分泌が多くなり、肩こり、偏頭痛などがひどくなる場合があります。

気温の寒暖差
この時期は、雨で気温がぐっと下がったかと思うと、翌日は真夏のような暑さになったり、同じ一日でも朝夕は冷え込んだりと、気温差の激しい時期でもあります。このような気温差は、身体にとってストレス・ダメージとなり、疲れやすくなってしまうのです。

湿邪(しつじゃ)
「湿邪」とは、体内の余分な水分が引き金となって消化器系に影響をおよぼし、だるさや食欲不振、消化不良、下痢や便秘を引き起こす病気のこと。湿度が高く、身体の代謝も落ちがちなこの時期にかかりやすくなります。また体の水分が不足すると脳に向かう血液の量が少なくなるので、頭痛につながってしまう可能性があるようです。

この時期に以下に当てはまる人は、「梅雨だる」に加えて脱水や熱中症の危険性が高くなるので要注意です。

頭痛や倦怠感など何となく気分が優れない
水分補給は大体コーヒーやお酒
尿が濃い黄色、臭いもきつい、回数が少ない
脇に汗をかかない(危険なサイン)
口の中が乾いている
睡眠時間が短い
食事回数が3食より少ない
普段からあまり運動習慣がない
✓その他、肥満、高齢、二日酔い など

「梅雨だる」対策

気象病である「梅雨だる」を予防するためには、自律神経のバランスを整えることが重要です。自律神経のバランスを保つために、ストレスを溜め込まないように心がけましょう。また、次のような習慣を心がけることで、「梅雨だる」の症状が現れにくくなります。

太陽の光を浴びる
朝に太陽の光を浴びると、体内時計がリセットされて、活動モードへとスムーズに切り替えられます。曇りや雨の日でも太陽の光は地上に届いていますので、朝はカーテンを開けて光を浴びるようにしましょう。
起きているときに交換神経が、休んでいるときに副交感神経が優位に働くよう、夜はぬるめのお湯にゆっくりつかり心身をリラックス。就寝のエアコンはドライ機能を使って、寝苦しさを軽減して気持ちよく眠りましょう。

カリウムを摂取
むくみの解消には、体の余分な塩分(ナトリウム)とともに水分を排出してくれる「カリウム」を摂るようにしましょう。カリウムはきゅうりやズッキーニ、大根、アボカド、バナナなど野菜や大根に多く含まれています。サラダなどの生で食べる他に暖かくして食べるのがおすすめです。冷たいものや生ものの摂りすぎには要注意。

ストレッチ
意識して、こまめに肩甲骨を動かすように腕を回したり、ストレッチを行うようにすると、血のめぐりが良くなります。耳マッサージもお勧めです。

体には「温めポイント」がいくつかあり、肩・首・腰回り・ふともも・二の腕の裏側・膝の裏側など、大きな筋肉や血管が密集している部位を温めると体全体を効率的に温めることができます。ホットタオルや温熱シートでじんわりと温めましょう。

胃腸の状態を整える
「胃脳相関」「脳腸相関」が注目されているように、胃腸の状態が悪いと、脳・自律神経へも悪影響とされています。胃腸の状態を安定させるために、ヨーグルトをはじめとした発酵食品を定期的にとることがお勧めです。免疫系にもプラスの働きがあるため、感染症なども引き起こしにくくなります。

体調は天気や気圧の変化によって左右されやすく、体にさまざまな不調として現れます。梅雨の時期はとくに、意識的に自律神経を整え、水分代謝をあげる生活を意識しましょう。

以上、エゴレジ研究所から「梅雨だる」を乗り切る対策についてご紹介しました。梅雨はネガティブになりがちですが、雨上がりの散策で紫陽花などの季節の花が楽しめたり、いつもは混んでいるところが空いていたりと、探すと良い部分もあるものです。とりわけ雨の日は青色がより青く見える「プルキンエ現象」があります。暗くなるにつれ、青はより明るく鮮やかに目に映るのだそうです。紫陽花、菖蒲、露草・・・この季節の日本には美しい青がいっぱい。梅雨も楽しめるようにという自然からの贈り物なのかもしれません。

 

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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