スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。 エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。 |
タンパク質が大事だということは、近年、さまざまなメディアで情報発信されています。40代、50代の女性にとって、メンタル不調の原因ともいわれるタンパク質。そこで今回は、健康な心と体のためのタンパク質についてのお話です。
タンパク質は足りていますか
一般的な成人の適切なタンパク質摂取量は、
標準体重(身長m×身長m×22で算出)1kgあたり、1.0~1.2g/日といわれています。
例えば、標準体重が60kgの人の場合、1日60~72g程度のタンパク質摂取が目安になりますが、年齢やストレス(精神的なもの、寒さや暑さなど)、筋肉トレーニングなどによっても必要量は増えます。
まずは以下の項目で当てはまるものをチェックしてみてください。
□ 肉や魚を食べていない 野菜中心の食生活 |
□ 肌荒れが気になる、または肌の張りが落ちた |
□ 思考力が低下した |
□ 会議など、話の流れがわからなくなり、会話が成立しないことがある |
□ 同じことを何度も話していると指摘された |
□ 髪や爪が弱くなった |
□ ダイエットをしているのにやせない |
□ ときどきわけもなく不安になる |
□ クヨクヨすることが増えた |
□ 1つのことを片付けるのに以前より時間がかかるようになった |
これは、タンパク質が不足しているかどうかの自己チェック項目です。
チェックリストにあげた症状のほか、太ももが細くなるなど下肢の筋力低下、免疫力が落ちて抵抗力がなくなり、風邪などの感染症に罹りやすくなるのもタンパク質不足からくるものです。
これらのことを「年のせい」にしていた人もいるかもしれませんが、実は「年のせい」の始まりは、タンパク質不足からきている可能性があるのです。
タンパク質の重要性についての知識はありながら、タンパク質が常に代謝分解されているので毎食しっかり摂取する必要があることは知られていません。そのため、“夜”に摂取すれば足りると思っている方が多く、”朝”はタンパク質が不足している方がほとんどです。
タンパク質に対する女性の意識が高まる一方で、タンパク質の正しい摂り方に対する理解の浸透は、まだまだ不十分です。こうした意識と理解の「ギャップ」や、摂取タイミングへの意識のバラつきにより、摂っているつもりでも知らず知らずのうちに、タンパク質の摂取が朝に不足傾向になる=「朝の“隠れ”タンパク質不足」とも言える現状の一因になっているようです。
※2024年4/9 日刊工業新聞電子版 PR TIMESが提供するプレスリリース
タンパク質を朝に摂ることのメリットは複数あり、
1.一日の食事・間食の総摂取量を抑えられる、
2.一日を通して空腹刺激ホルモンの分泌を抑えられる、
3.脳内伝達物質が十分に産生されるので苛立ち・不安をコントロールできるなど、
朝のタンパク質摂取は、1日を効率的に過ごすスイッチにもなるのです。
消化吸収率の低下で生じる「タンパク質ロス」
タンパク質は、消化・吸収されることで、はじめて体内で活用されるようになります。この消化・吸収がうまくいかなければ、たとえ十分な量のタンパク質を摂取していたとしても、タンパク質不足に陥ります。
50歳前後になると、消化酵素の活性が急激に減少することがわかっています。つまり、若い頃と同じ量のたんぱく質を同じように摂取していても、体内でうまく活用されない可能性があるのです。
また筋肉は絶えず合成と分解を繰り返しています。合成を刺激するたんぱく質の摂取や運動をしないときには、年齢による合成・分解速度の差はほとんどありません。
しかし研究によって、同じ量のたんぱく質を30代と60代が摂っても、60代の方が筋たんぱく質の合成反応が低くなることが確認されました。
つまり、年齢を重ねた世代は、若い世代よりも多くのタンパク質を摂取しなければ、筋肉を増やすのが難しいということです。そればかりか、筋肉のロス(消失)に歯止めが効かない可能性もあります。
これを改善するには、若い頃よりもたくさんの量のタンパク失を摂取することが大切です。また、体内での消化を助けるために、しっかり噛んで食べることを心がけましょう。
心と体の健康サポート
タンパク質は、私たちの体の基礎を作る重要な栄養素です。筋肉や骨、皮膚、髪、爪、血液など、体のほとんどの部分に含まれています。さらに、タンパク質はアミノ酸という小さな単位に分解され、体内でさまざまな役割を果たします。
1)元気な心の材料
感情の動きに関連する神経伝達物質の材料となります。不足すると、十分な神経伝達物質がつくられず、感情が不安定になります。
骨や筋肉などの材料にもなるため、不足するとだるさにも繋がり、精神的なつらさが悪化することがあります。
脳内神経伝達物質は「タンパク質」を材料につくられます。炭水化物や脂質と並んで、3大栄養素のひとつに数えられるタンパク質は、肉や魚、卵、大豆製品に多く含まれています。脳の神経伝達物質を合成する際にも、大切な役割を果たしています。 やる気や快感をもたらすドーパミン、心を安定させるセロトニンなどの神経伝達物質を分泌させるためにも、毎日たっぷりタンパク質を摂取しましょう。不安やイライラはタンパク質不足のせいかもしれません。
2)更年期女性の味方
更年期の女性にとって重要なタンパク質の働きが、「ホルモンの材料になる」ということ。ホルモンの中でも女性ホルモンや男性ホルモンなどの性ホルモンや、副腎皮質ホルモン(抗ストレスホルモンのコルチゾール)は、タンパク質を材料として作られます。
つまり、私たちが食事でとったタンパク質と脂質を材料にコレステロールが作られます。そのコレステロールからこれらのホルモンが作られるので、タンパク質が不足すると女性ホルモンの分泌も正しく行われなくなってしまいます。そのため、更年期の不調が強く出たり、PMSなど生理時の不調がひどくなったりすることがあります。ですから、更年期の女性には特にタンパク質が大切なのです。
ちなみに、「コレステロール=健康悪」と言われた時代がありました。しかし2015年よりコレステロールの摂取量に関して基準が撤廃されました。「コレステロールを含む食品を減らしても、血中コレステロール値が低下するという明確な証拠がない」ことが理由です。その後の研究でも、血清総コレステロール値が低いと心の健康度も低く、その水準値は抑うつから自殺行動のリスクまで反映しているのかもしれないことを示しています。
3)心の健康を守る名サポーター「ビタミンB群」
脳内神経伝達物質の合成に必要です。あらゆる種類の酵素の働きを助けます。栄養素が体内でエネルギーに変換される際にも働きます。
ビタミンB群は、ビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの総称で、互いの働きを補い合いながら、体内で作用しています。脳と深い関わりを持っており、幻覚や不眠などの精神症状を引き起こすこともあります。
これらの物質は、タンパク質から作られます。ビタミンB群を摂取することで、脳内でスムーズに神経伝達物質が合成され、心と体の健康をサポートできます。
さらに最近の研究では、たんぱく質不足による神経伝達バランスの乱れがうつ、総合失調症、不安障害などの発症につながると言われています。
※併せて参照
心の健康とタンパク質 | 神楽坂女子倶楽部|「遊び」×「学び」×「自分磨き」 (kagujyo.info)
以上、エゴレジ研究所から健康な心と体のためのタンパク質についてご紹介しました。日本人女性はタンパク質が不足していると言われています。タンパク質は筋肉だけでなく、カラダの重要な部分である細胞や内臓を作り出し、女性にとって重要なお肌や髪にも大きな影響がある栄養素です。タンパク質を適切に摂取し、心と体の健康をサポートしましょう。
エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。
あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/
<プロフィール>
代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授 |
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GM 畑 潮/心理学博士 GCDFキャリアカウンセラー 健康リズムカウンセラー |
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