夏を涼しく、快適に!

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

地球温暖化の影響で年々夏の暑さは厳しくなり、この30~40年間で、東京などの都市では猛暑日(最高気温が35℃以上)がなんと3倍近くに増えているのだそうです。一方で、オフィスや家の中では冷房が効きすぎて不快に感じたり、体調を崩す人も少なくありません。実は、夏の快適性は冬よりもずっと複雑で込み入っています。今回は、そんな夏を快適に涼しく暮らす工夫についてのお話です。

室内で涼しく過ごす

Replan ウェブマガジンは「住む」「暮らす」をよりよくする情報を提供しているサイト。2019年に掲載された「いごごちの科学 NEXTハウス」で、東京大学大学院工学系研究科 前 真之 (まえ・まさゆき)准教授が夏の室内環境について解説されています。抜粋してご紹介します。

体からの放熱は、放射・対流による「乾性放熱」と、汗の蒸発による「湿性放熱」に大きく分けられます。湿性放熱には、皮膚が汗で濡れないので気づきにくい「不感蒸泄」と、皮膚が汗に濡れるので不快に感じがちな「発汗」に分けられます。

夏には空気や周辺物体の温度が上昇して対流・放射による乾性放熱が減少するため、放熱不足になりがちです。よって対流・放射以外のルート、湿性放熱が重要になります。

湿性放熱は、皮膚にかいた汗が蒸発して気化熱を奪って体を冷やすことです。この汗をかいて体を冷やす「ウェットな冷却力」こそ、人類が暑いアフリカを生き延びることができた秘密なのです。

湿性放熱の放熱量が少なく、周辺空気が乾燥している場合は必要な汗の量が少ないので、汗は気づくことなくすぐに蒸発します。これを「不感蒸泄」といいます。スポーツ時などに湿性放熱量を増やすために発汗量が増加したり、周辺空気の湿度が高くて汗の蒸発がすすまない場合は、汗は皮膚の表面を濡らした後で蒸発します。これを「発汗放熱」といいます。

同じ汗の蒸発でも、不感蒸泄では皮膚は乾いたままで汗に気づきませんが、発汗放熱では皮膚は濡れるので汗をかいたと気づきます。発汗放熱が多い状態は皮膚の多くが汗で濡れているため、一般に気持ち悪く不快になりがちなことを、覚えておきましょう。

◆体の熱バランスを取り戻そう!

夏を涼しく過ごすためには、代謝熱を減らして放熱を増やし、両者をバランスさせることです。放熱には様々な方法がありますが、それぞれに利便性や快適性・必要なエネルギー消費量に大きな違いがあります。個人の感覚も大きく異なるので、熱バランスの基本を理解した上で健康を損なわない範囲で各自の好みで選択すればよいでしょう。

温熱快適指標PMV:人間の温熱快適性は、体の中から湧き出る「代謝熱」と体から様々な ルートで外界に放出される「放熱」、この2つのバランスで評価可能

◆代謝熱を減らす

熱バランスの片側にある代謝熱を減らすとなると、これは活動量を減らすしかありません。つまり暑い時はあくせく動くのではなく、のんびりと休憩するのが一番ということです。夏の昼間はのんびり過ごし昼寝をする習慣は、日本をはじめ蒸暑地の多くで見られます。

のんびりして活動量を下げれば、それにともなって体内からの代謝熱は減るので熱バランスが改善され、涼しく感じられるのです。

◆放熱量を増やす

周辺の空気や物体が高温で、対流(→空気)・放射(→周辺物体)による乾性放熱は不足がちです。
一番簡単なのは衣類を脱いで、着衣量を下げることです。着衣量が減ると放熱の抵抗が小さくなるので、着衣表面温度が上昇します。下図に着衣量を変えた場合の、赤外線画像を示しました。薄着にすると、表面温度が高温になるため、体の表面温度と周辺空気・物体との温度差が大きくなり、対流・放射による放熱量が増加するのです。

clo値:人間の快適さを表す指標の1つで衣服の断熱性を表す。clo値が高いほど衣服による断熱性が高くなる (clo値は、上半身のみの目安)。

着衣量を変更することで、着衣(体)の表面温度を調整し、対流・放射による放熱量を大きく変えることができます。着衣を減らすと、汗が乾いた後の水蒸気も肌からスムーズに抜けていきます。最近の下着では、この水蒸気の抜けが良い透湿抵抗の小さい素材を使ったものが増えているようです。

扇風機やうちわで風を起こすのもよい方法です。人体の周りの温まった空気層を風が吹き飛ばすため、対流による放熱を増加させることができます。

もちろん、エアコン冷房をオンにすれば、空気温度(≒放射温度)を下げることで、対流・放射による乾性放熱を手っ取り早く増やすことができます。
またエアコンを除湿運転にすれば、空気湿度が下がります。湿度が低くなると汗が乾きやすくなるため、発汗放熱が不感蒸泄にかわるため、皮膚が乾いて快適性がアップするのです。

◆効果的に快適性を得るには

上記のデータから、前准教授がおススメされているのは——

暑い夏の昼間は、日射遮蔽を徹底した上で、とりあえずエアコンを動かします。ただし冷やしすぎると寒く感じる人も出てくるので、なるべく高めの28くらいでよいでしょう。実測ではこれより高温の家も多く見られますが、やはり熱中症が怖いので、28℃は維持したいところです。建物外皮の断熱がしっかりしていれば、放射温度も自然に空気温度に近くなります。なお、除湿は涼しさへの効果が小さい割に熱負荷が大きいので、湿気が気にならない場合はなるべく使わない方がベターです。

そうして健康上問題なく、かつ誰も寒さを感じない室内の空気・放射環境を確保した上で、後は個人の着衣や風利用で対応します。最近は涼しい肌触りをアピールした下着も増えていますし、扇風機も風量の微妙な調整が可能なコードレスタイプも出ています。着衣や風は個人で好きに調整できて、かつすぐに効果が得られ、なによりエネルギーをほとんど必要としません。後はなるべくリラックスして、代謝量を減らすことです。テレビは内部発熱を増やしますから、なるべく本などを読んで優雅に過ごしたいものです。

涼をとる工夫あれこれ

先述の前准教授の解説を踏まえて、お金をかけずとも、ちょっとした工夫をすることで涼をとることができる工夫をご紹介します。

保冷剤
保冷剤で首やわきの下を冷やすと涼しくなります。保冷剤を凍らせておき、タオルやハンカチで巻きます。それを、首の左右やわきの下に巻いておくと体が涼しく感じられます。というのも、首やわきの下には太い動脈が走っているので、この部分を冷やすと冷えた血液が全身に巡り、体温が低下するのです。

風呂上がり、足に冷水
入浴後に汗を引かせるには、最後に足を冷水につけると効果的です。冷水によって一時的に皮膚表層の血液量が増えるので汗は出るのですが、結果的に汗の全体量を減らすことができます。

体温を下げる食べ物
スイカやキュウリ、冬瓜など、ウリ科の野菜には体温を下げる効果があるという説があります。特に冬瓜は漢方薬に用いられるほど、利尿作用があると考えられており、むくみ取りや夏バテ対策にピッタリ。他にもトマトやなす、とうもろこしなどの夏野菜も同様です。また、バナナ、パイナップル、メロンなど、南国産の果物も熱を下げる働きがあるという説があるので、夏は積極的にとりいれましょう。

ミントティ
ミントの成分は、直接体温を下げる効果があります。また、気分を爽快にして、交感神経の興奮を抑えるので、モロッコの人は熱いミントティーを飲んで、暑さ負けを防いでいます。

朝や夕方の打ち水
昔からある打ち水の風習が、見直されてきています。その効果とは、撒いた水が蒸発することで空気中の熱を奪い、わずかですが気温を下げるというもの。地球温暖化対策キャンペーンの一環として、政府も打ち水を奨励しており、夏はあちこちで打ち水イベントが行われています。

以上、エゴレジ研究所から夏を快適に涼しく暮らす工夫についてのお話をご紹介しました。夏の暑さが続くと、何だかやる気が起きない、イライラしやすくなった、特に理由はないけれど落ち込みやすくなったなどの反応が出てきます。「暑さ」は、ストレス反応を引き起こすストレッサーの一つです。身体だけでなく、こころの健康を保つためにも、夏を快適に涼しく暮らす工夫を試してみましょう。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

 

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NYこどものくに東京 理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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