つらい更年期障害をおいしく改善する簡単レシピ

木沢 いずみ
三軒茶屋で13年、梅酒と地元青森の食材を使った創作料理を出す、
カフェバー tuakjam [トゥアックジャム]を経営。地元の野菜を仕入れ、体に良い料理、空間を提供。
日々集まったお客さんとの会話も楽しめるのも、お店の人気ポイント!
https://tuakjam-cooking.crayonsite.net

更年期障害の症状

女性は、年齢とともに「思春期」「性成熟期」「更年期」「老年期」の4つのステージを経験します。
個人差はありますが、50歳前後に閉経を迎え、この閉経の時期をはさんだ、前後10年を「更年期」といいます。
年齢を重ねるごとに卵巣の機能が低下し、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が急激に少なくなることで、ホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな不調が現れる人もいます。
その症状はさまざまで、

「精神神経系の症状」
● 頭痛
● めまい
● 不眠
● 不安感
● イライラ感
● うつ

「血管運動神経系の症状」
● ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)
● 動機・息切れ
● 寝汗・発汗
● むくみ

「消化器系の症状」
● 吐き気
● 下痢・便秘
● 胃もたれ・胸やけ

「皮膚・分泌系の症状」
● のどの渇き
● ドライアイ

「運動器官系の症状」
● 肩こり・腰痛・背中の痛み
● 関節痛
● しびれ
● 手指の痛み・しびれ・変形

「泌尿器・生殖器系の症状」
● 月経異常
● 尿失禁
● 性交痛

と、加齢、環境や体調によって、症状は変わります。
女性は、肩こり、疲れやすさを感じる方が多いと言われています。

イライラや不安を解消方法

まずは、かかりつけの病院やクリニックを受診することをオススメします。そこで、カウンセリングを受けたり、漢方処方してもらったり、症状に合ったものをとりいれることがよいでしょう。
運動でケアするのもいいでしょう。有酸素運動が重要です。ウォーキングやジョギング、水中ウォーキング、ヨガ、サイクリングなど、軽めのできる範囲のことからはじめてみてもいいと思います。
これにより、「体力の維持増進」「酸素利用率の増加」「脂肪代謝の促進」など、ダイエットや健康維持にもつながります。
寝る前のストレッチもいいですね。You Tubeにたくさん動画もでているので、参考になさってみてもいいと思います。大切なのは、続けることです!

食生活でケア

更年期の女性はどのような食事を心がければ良いのでしょうか。急激な女性ホルモンの減少の影響により、エネルギー、脂質、骨の代謝も変化し、栄養が過剰あるいは欠乏状態になりやすく、心身の健康バランスを崩しやすくなります。肝心なことは、「バランスのよい食事」だと思います。
「主食・副菜・主菜」=3:2:1 が、理想のバランスです。
主食→熱や力となる食べ物
副菜→体の調子を整える食べ物
主菜→血や肉となる食べ物
となります。
やはり、「和食」がオススメです!1日1、2回は魚を取り入れる、みそ汁と、ごはん。おひたし、お漬物なんかあったら、完璧ですね。
主食は、ご飯、パン、麺類などです。炭水化物によるエネルギー供給源です。糖質はエネルギーになる脂質に比べ、分解・吸収が早いです。
主菜は、肉類、魚介類、卵類、大豆製品などを使った料理がいいです。主に、タンパク質や脂質の供給源となります。タンパク質は、筋肉や臓器など体を構成する重要な栄養素です。また、酵素やホルモンの原料となったり、ウイルスや細菌の侵入を防ぐために働く免疫物質を作り出す栄養素でもあります。
副菜は、緑黄色野菜、海藻類、きのこ類、山菜類、豆類などを使った料理がいいです。主食で不足する各種ビタミン・ミネラル、食物繊維の供給源となります。多くのビタミンは、糖質・脂質・タンパク質の代謝を円滑に行う潤滑油のような働きをしており、血管や粘膜、皮膚、骨などの健康を保ち、新陳代謝を促す働きにも関わっています。
ミネラルも骨や歯、酵素など体の構成成分であるとともに、生理作用の調整をしており、体の健康維持には欠かせない栄養素です。
みそ汁やスープなど、汁物は、各種ビタミン・ミネラル・食物繊維の供給源となり、不足しがちな栄養素や水分を補います。ビタミンB1や、ビタミンB2はエネルギー代謝をサポートし、疲労回復にもつながります。

女性ホルモンに似た働きをする成分として注目されているのが、「大豆イソフラボン」です。
大豆は、食物繊維やオリゴ糖も多く含み、加齢とともに乱れがちな腸内環境を整えてくれる、そして、骨を強くしてくれるカルシウムも豊富です。

摂りたい栄養素

  • タンパク質
    →体を作るもとになる。免疫力アップ、疲労回復。冷えを改善し血流を促す。
  • ビタミンB1
    →糖質の代謝を促し、疲労回復。自律神経を整える。
  • ビタミンB6
    →エストロゲンの代謝を助け、ホルモンバランスを整える。
  • ビタミンB12
    →赤血球を作り、貧血を予防。自律神経を整える。
  • ビタミンC,E,ポリフェノール
    →抗酸化作用が強く、細胞の老化を遅らせ、血流を促す。
  • 亜鉛
    →タンパク質の合成を促す。生殖機能を正常に維持する。
  • カルシウム
    →骨を丈夫にし、骨粗鬆症を予防。ビタミンDでカルシウムの吸収アップ。
  • 食物繊維
    →腸内環境を改善し、便秘を予防、自律神経のバランスを整える。
  • イソフラボン
    →女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きで不足を助ける。

オススメの食材

鶏肉、豚肉、牛赤身肉、羊肉、レバー、マグロ、カツオ、サバ、サンマ、ヨーグルト
→タンパク質、ビタミンB群、亜鉛

大豆(大豆製品含む)
→タンパク質、ビタミンB群、カルシウム、亜鉛、食物繊維、イソフラボン

あさり、かき、しじみなど貝類
→タンパク質、ビタミンB群、亜鉛、カルシウム

れんこん、キャベツ、白菜、春菊、ピーマン、パセリ、セロリ、きのこ類、海藻類
→ビタミンC、カルシウム、食物繊維

柑橘類(みかん、ゆず、レモンなど)
→ビタミンC、香りでいやし効果もあり

かぼちゃ
→ビタミンA・C・E、食物繊維

アーモンド、ごま、松の実、落花生、アボカド
→ビタミンB1・E、カルシウム、食物繊維

高カカオチョコレート、ココア
→亜鉛、食物繊維、ポリフェノール

赤ワイン
→ポリフェノール

緑茶
→ビタミンC・E 体内を冷やす、殺菌作用

しそ、パクチー、しょうが、シナモン
→体を温め、血行促進。香りでリフレッシュ効果。

心が安定するごはんの簡単レシピ

「鮭と春菊とパプリカの豆乳みそスープ」

鮭、パプリカには気を巡らせ、イライラを鎮める効果があります。春菊には、香りに不安やストレスを緩和してくれる効果が期待できます。

[材料 2名分]

鮭 2切れ
春菊 1/2束
パプリカ 赤、黃 1個分
長ねぎ 1本
しめじ 1/2袋
みそ 大さじ2
豆乳 200ml
水 200ml
昆布だし顆粒 小さじ2

[作り方]

① 鮭は食べやすい大きさに切る。しめじはほぐしておく。パプリカは縦半分の細切りにする。春菊は5センチ位に切り、ネギは、1センチ幅斜め切りにする。
② 鍋に、水と顆粒だしを入れ、沸騰したら、鮭を入れる。
③ 火が通ったら、しめじ、パプリカ、ネギを入れ、豆乳をいれ、みそを溶かし入れる。
④ 春菊をさっと煮て、器に盛り付け、完成。

「干し椎茸と大豆と干し海老の中華粥」

鍋一つで、完結!洗い物が少なく、簡単調理♪イソフラボンたっぷりで、女性に嬉しい栄養素たっぷり!

[材料 2名分]

ごはん 2膳
干し椎茸 4個
水 2カップ
青梗菜 1株
干し海老 10g
大豆 1缶
卵 1個
ごま油 大さじ1
酒 大さじ1
鶏ガラスープのもと 小さじ1
醤油 小さじ1
オイスターソース 小さじ1

[作り方]

① 干し海老は、1カップの水で戻しておく。戻ったら、細切りにする。戻し汁はとっておく。青梗菜は1センチ幅に切る。
② 鍋に、水1カップ、酒、鶏ガラスープのもと、しょうゆ、オイスターソース、干し椎茸の戻し汁、干し海老をいれて、火にかける。
③ 沸騰して、アクをとったら、大豆、青梗菜、ごはんを加え、7分程度煮る。
④ 溶きほぐした卵を回し入れ、ごま油を加え、ざっくり混ぜ合わせる。
⑤ 器に盛り付けて完成。

周りの環境の理解や、自分だけで解決しようとしない、人に頼ることも大事です。つらいことを溜め込まず、症状改善につながることを、願ってます。

今回もありがとうございました。

プロフィール

青森県出身。航空会社勤務を経て、イタリアン、アジアン料理、梅酒バーで修行し、2007年に、自分の
店、tuakjam トゥアックジャムを三軒茶屋にオープン。地元青森の食材を使った創作料理や、おつまみを提供。ちょっと変わった梅酒や店主こだわりの焼酎が飲める。店主もだいたい飲んでるので、ひとりで来ても安心。一緒に飲める家のような店。
武士の食卓で、和食伝承士を取得。
和食の料理教室を独自に開催。今後は定期的に開催するよう、準備中。
三軒茶屋のバーは、ひとりでくるお客様が多いので、大人の放課後みたいなイメージのお店。ごはんも食べれるので、独身率高め。
年齢層は、30〜40代メインに、幅広い。
現在、感染症対策につき、
定休日→火、水
営業時間→ 15:00〜20:00

■ホームページはこちら
https://tuakjam-cooking.crayonsite.net

■インスタグラムはこちら
https://instagram.com/tuakjam?r=nametag

 

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