厳しい暑さも健やかに「夏の養生」

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

暑さが続き、雨が多くなる季節。気候の変化に体が影響を受けやすい時季です。健康な心身を養うために日々実践できる昔からの知恵や工夫を「養生」といいますが、夏には夏の養生があります。そこで今回は、心と体を整える夏の養生・セルフケアについてのお話です。

夏の「養生法」

梅雨が明けると本格的な夏の到来です。夏は太陽の季節。一年中で最も体力を消耗する季節となります。夏は身体から暑邪と湿邪を追い出し、“心”の機能を高めることがポイントです。

1,汗をかく
汗をかいて体内の熱を逃がすこと。ただし、発汗は体内の余分な熱を冷ます生理機能ですが、かき過ぎると体内の水分のみならず「気」も消耗するそうです。気とはすなわちエネルギー、過剰に消耗すると夏バテを引き起こす可能性もあります。
また室内はどこも冷房がよく効いているため、毛穴がキュッと閉じてしまい発汗しにくい状態になりがちです。冷房で体表が冷えても 体内の熱は冷えず、こもったままです。そこに寒暖差疲れが加わり、その状態が続くと「熱中症」に繋がります。
職場等でどうしても調整できない場合、上着やひざ掛けなどをして冷やしすぎない工夫も必要です。

2.足を温める
年間を通して足を冷やさないことは大切ですが、特に夏は意図的に足を冷やしがち。夏はサンダルなどで足を露出する機会が多くなります。冷房も足を冷やす原因になります。夏の冷えは秋冬に持ち越されやすく、冷え性・むくみ の原因にもなります。入浴や足湯、睡眠時に靴下をはくなどの冷え対策をしましょう。

3.水分の多いものを食べる
夏の養生では寒暖差による消耗を防ぎながら、失いがちな体内の水分と気を補うことがポイントです。発汗で失った水分をこまめに補給することはもちろん、汗や気を過剰に出さないように入浴の回数や時間、温度などを体調に合わせてその都度調整しましょう。
また寝苦しい夜が続くこの季節は、昼食後15分程度軽く昼寝をすることもオススメ。寝付けなくても体を横にするだけで、エネルギーが充電されるのを感じるはずです。
また夏が旬の食べ物は、水分を多く含み、自然に熱を冷ましてくれます。きゅうりやナスなど、栄養がないと言われがちですが 東洋医学的には非常に価値の高いものです。
冷たい飲み物や食べ物をとりすぎると胃腸が冷えてしまい、消化不良の原因となります。体を維持するには栄養の吸収は不可欠です。食事はよく噛んで、冷たいものを食べ過ぎることなく、胃腸をいたわりましょう。

4.睡眠をしっかりとる
睡眠が人をつくるといわれます。疲れた状態では、集中力が欠けて何事も取り組むことができません。昨今の強烈な暑さに対処できるよう、その日の疲れはその日のうちに解消しましょう。
養生というと、病気にならないように健康に気を配ったり、病気を治す方法というイメージが強いようですが、どちらかというと、その人が「元気で快適に過ごせる方法」ではないでしょうか。仕事に、家事に、子育てに、忙しい日々。そして、夏の暑さでバランスを崩してしまった体を自分の自然治癒力で調整する方法とも言えるでしょう。

夏の食養生「補陰養心」

夏の不調は暑さと湿気が主な原因。薬膳の世界ではそれぞれを暑邪(しょじゃ)、湿邪(しつじゃ)と呼び、取り除くべきものと考えられています。

食養生は「ちょっと早めに次の季節の食養生をはじめる」ことで、より効果を発揮します。夏を健康に過ごすためには、晩春のタイミング~梅雨くらいから、夏に向けた食養生を意識するといいでしょう。

食養生の世界では「夏は補陰養心」というそうです。聞き慣れない言葉ですが、この4つの漢字に夏の食養生ポイントが詰まっています。

補陰=潤いを補うこと
「陰」と「陽」のうち、夏は暑さによって「陰」が失われる季節です。「陰」は熱を冷ます働きを持ち、血液や体液(リンパ液、汗、唾液、鼻水など)、肌表面の潤いなど、身体のさまざまな潤いが含まれています。「陰」が失われると、身体に熱がこもり、髪や肌や舌の乾燥、動悸、微熱、イライラして怒りっぽくなるなどの症状が現れます。
したがって、夏は失われた「陰」を補いながら、身体にこもった熱を冷ましてくれる食材がおすすめです。
「陰」を補うとともに、そもそも「陰」を消耗しないようにすることがとても大切です。「陰」を消耗する原因のなかには、加齢や慢性病といった対策の難しいものもありますが、夜ふかしや睡眠不足、下痢や嘔吐、目を酷使する、過度な発汗など、ご自身で改善できるものもあります。
睡眠時間をきちんと取る、ベッドに入ったらスマートフォンなどの小さい文字を読まない、スポーツやサウナは体調と相談して無理をしない、おなかが弱い方は通年で胃に優しいものを選ぶなどで「陰」を守ることができます。そうした生活の見直しも大切な養生です。

養心=“心”を養うこと
「心」の働きが衰えると、身体に十分に血液が行きわたらず、すみずみまで栄養が届きません。また、精神的に不安になることもあります。寝付きが悪い、眠りが浅い、落ち着かない、めまいがする、イライラする、手足の裏がほてる、胸がつかえるなどの症状があれば、「養心」する食べ物を摂るとよいでしょう。

具体的には、どんなことに気をつければいいでしょうか。

1日3食しっかり食べる
栄養バランスをとるためには、1日3食は欠かせません。3食食べても、必要な栄養を摂取できないことのほうが多いものです。したがって、1食でも欠かすと体調不良の原因になります。

食事量は腹八分目まで
1日3食しっかり食べることは大切なことですが、食べ過ぎは胃に負担がかかります。腹八分で抑えることで、胃腸を守ります。

●暑気を払う食材
冬瓜 トマト ナス キュウリ オクラ   ズッキーニ 枝豆 みょうが スイカ 梨 バナナなど

●胃腸を冷やさず清涼感を与える働きがある野菜
ゴーヤ ビーマン パプリカ セロリ

●胃腸の消化を助ける黄色い食品
カボチャ トウモロコシ パプリカ

●夏バテ予防のスタミナ食材
うなぎ たこ 豚肉

●養心する食材
セロリ トマト 納豆 豆腐 ゆり根 牛乳 ナツメなど

●気持ちがふさぐ時には、香りのいい食材
柑橘類やシソなど、

季節の旬の食材を食べる
夏の食養生といえば、コレだ!というくらい知られた養生法ではないでしょうか。旬の夏野菜に含まれる栄養素には、食欲不振を改善し、夏バテを吹き飛ばしてくれる効果があるため、暑い季節に積極的に摂りたい食材です。
きゅうりやなす、トマトには体を冷やす作用があることをご存じの方は多いと思います。
夏野菜に含まれるカリウムが、塩分と熱を尿と一緒に排出してくれるため、体温を下げる働きがあります。

冷たいもの、甘いもの、油っこいものは控えめに
冷たいものを摂りたくなりますが、少し控えましょう。冷たいものばかり摂ると胃腸が弱り、食欲不振やだるさを引き起こす原因となります。
また、甘いものや脂っこいものは熱が発生するので、控えめにしましょう。

大切なのは「季節のものを食べること」「冷たい飲食物を摂り過ぎないこと」「身体に負担をかけない生活を心がけること」の3つです。これが全ての養生の基本です。まずはこの夏から意識して、健やかに夏を乗り切ってください。

以上、エゴレジ研究所から心と体を整える夏の養生・セルフケアについてご紹介しました。古代中国の中医学(五行論)では、夏は「心(心臓)」の季節だそうです。暑さが苦手な臓器である心臓は、この時期特に負担がかかりやすいそうなので覚えておきましょう。急な運動をして心臓を驚かせないこと、また焦りや怒り、悲しみなどのネガティブな感情をなるべく持たず、心穏やかに過ごすことは『養生訓』でも推奨されています。

 

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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