*1 ファイザー、ファイザー、モデルナ(PPM)
ワクチン担当大臣のときから、アメリカ政府のアドバイザーをしている専門家とオンラインで、意見交換をしてきました。
今回、新型コロナウイルスの三回目のワクチン接種について、アメリカの専門家から最新の知見を聞きました。
ファイザーのワクチンを一回目、二回目にうった人が、三回目にファイザーをうった場合(homologous booster:同種接種)とモデルナをうった場合(heterologous booster:交互接種)の有効性の違いについて聞いてみると、
“No doubt that Moderna booster after Pfizer primary series is at least as good, may be a bit better than a Pfizer booster.”
「ファイザーを二回うった後、三回目にモデルナをうったら、三回目にファイザーをうつのと少なくとも同じぐらいの効果があるのは間違いないし、その効果はわずかにファイザーを上回る可能性がある」
ファイザー・ファイザー・モデルナのほうが、ファイザー・ファイザー・ファイザーの場合よりも、若干ながら有効性が高いというデータがあるが、しかし、オミクロン株が広がる中では、その違いよりも、どちらでも良いので早く三回目をうつことのほうが大事だ、とのこと。
米国NIHのグループがまとめた報告(Robert L. Atmar et al)によれば、
三回目接種後15日目の血中IgG抗体価は、
ファイザー・ファイザー・ファイザーの場合 3409単位/ml
ファイザー・ファイザー・モデルナの場合 6155単位/ml
また、これを幾何平均上昇倍数(geometric mean fold increase in antibody levels)でみると
ファイザー・ファイザー・ファイザーの場合 14.9倍
ファイザー・ファイザー・モデルナの場合 17.3倍
となっています。
また、米国CDCのレポート(MMWR/January 28, 2022 / 71(4);132-138)によれば、オミクロン株が流行した昨年12月の分析結果で、三回目の接種をした人の発生数(average weekly insidence)は、ワクチンを全くうっていない人と比べて五分の一になり、二回だけワクチンをうった人と比べても半分以下になっているとのこと。
米国医学会雑誌JAMAに掲載された報告(Emma K. Accorsi et al)によれば、三回目をうった人は、二回しかうっていない人と比べて、オミクロン株に対する相対的な発症リスクが66%少なくなります。
全米の10万人あたりの週間死亡率(2021年12月4日)をみると
未接種 9.74
二回接種 0.71
三回接種 0.1
と、なっています。(Our World in Data)
ワクチンの種類よりも、早く三回目をうつことが大事です。