代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授 |
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GM 畑 潮/心理学博士 |
秋雨前線のあと朝夕の暑さも少しやわらぎ過ごしやすくなってきました。9月に入るとたくさんの食材が旬を迎え、「おいしいものが多い時期」とイメージする方も多いのではないでしょうか。季節の変わり目であるこの時期は、免疫力の強化に期待できる旬の食材を積極的に摂りたいものです。今回は、食欲の秋と食養生「身度不二」についてご紹介します。
「食欲の秋」と呼ばれるワケ
夏の間は、高温多湿の環境から自律神経の乱れや基礎代謝の低下、冷たい食べ物や飲み物の過剰摂取により内臓機能が低下しやすいことから食欲が減ってしまう人も多くいますが、なぜ秋からは食欲が増しやすいのでしょうか。
食欲に影響のある要因は様々あり、それぞれが複合的に絡んでいるので単純には言えませんが、これまで研究結果として出てきていることの中からある程度根拠と裏付けのあるものをいくつか挙げてみます。
◆夏バテの影響
暑い夏に夏バテを起こして食欲が低下した場合、少しずつ涼しくなる秋にはその反動で食欲が増すと考えられています。その理由は、気温の低下による基礎代謝の変化です。気温が下がると、体温保持のためからだの熱産生が高まり、基礎代謝が上がることは良く知られています。過去の文献では、夏に低下した基礎代謝が秋から冬にかけて上昇することが示されています。基礎代謝が上がれば、それだけエネルギーを多く使ってしまうため、その分を補給しようとお腹がすくこともうなづけます。ただ、近年ではエアコン等空調機能の発達で、季節変化による基礎代謝への影響はほとんど考慮しなくても良いのではないかとも言われています。
また、夏バテで自律神経が乱れると食欲が低下しやすくなりますが、気候が安定しはじめる秋には自律神経が整いはじめ、食欲が回復するとも言われています。
◆日照時間減少とセロトニン分泌低下
精神の安定化を保つ作用のある脳内の神経伝達物質で、食欲の調整にも深く関わっているセロトニンは、日光にあたった時間によって分泌量が調整されることがわかってきました。夏から秋になると段々と日照時間が減少するので、夏に比べセロトニン分泌量は減少してしまうのです。日光にあたる以外に、セロトニン分泌量を増やす方法は、糖質、乳製品、肉類の摂取や睡眠をとることです。
したがって秋になって食欲が増すのは、たくさん食べたり眠ったりすることでセロトニンを増やし、精神の安定を保とうとするからではないかと言われています。つまり、秋はセロトニンが減りやすいため、食欲を増すことで、心身の健康を保とうとしていると言えるでしょう。
旬の食材を食べる「身土不二」
身土不二(しんどふじ)は、もともとは身土不二(しんどふに)という仏教用語で、「因果応報」と同義の意味でしたが、大正時代になって食育や食養が注目されるようになり、「人間の身体と土地は切り離すことができない、その土地の食べ物、季節ごとの旬の食べ物を食べることが身体にとって、健康においても非常に大切なことである」という意味でも使われるようになった言葉です。
つまり、身土不二とは、自分の身体と土は一体であり、自分の住んでいる国、土地でとれた季節のものを食べよう、という食養生の考え方です。
旬のメリット①栄養価が高い!
旬の野菜などは季節外れの野菜と比較すると栄養価は何と倍以上!
野菜はずっしり丸みを帯びているとき、魚やお肉は脂がのっているときが旬の時期。
多くの食材が、他の時期に食べるよりも味が濃く感じられたり、栄養価が高くなっています。
たとえばKAGOMEの調査によると、ほうれん草は可食部100g中のビタミンCが、夏採れのものが約20gであるのに対し、旬である冬採れのものは約60gと、約3倍も多いと言われています。
参考: https://www.kagome.co.jp/vegeday/nutrition/201704/6759/
旬のメリット②体に必要なものが備わっている!
旬の食材にはその時期に体が必要とする成分や、嬉しい効果を持っているものがたくさんあります。
たとえば、夏が旬のトマトやキュウリは水分を多く含んでいます。汗をかいて水分を失いやすい夏の体にとても役立ちます。
*春
春は冬に溜め込んだ老廃物を排泄し、体をスッキリさせてくれる季節です。山野草は苦味などアクが強く、身体に刺激を与えて春の目覚めとなります。
*夏
高温多湿の気候が続く夏は、夏バテや食欲不振など、なにかと健康に影響が出やすくなります。旬の夏野菜は、内側から体を冷やしてくれたり、食欲を増進したりする効果があります。
*秋
秋は「実りの秋」と言われるほど、食べ物が美味しい季節です。きのこや芋などの旬の食べ物が、寒い冬を迎えるための栄養を蓄え、体づくりに役立ちます。
*冬
冬は体を温める料理が多くなります。根菜類は体を温める作用があり、煮込むとさらに温める働きが強くなります。
旬のメリット③値段が安い!
旬でない野菜は、ビニールハウスや農薬を使用して育てる必要があります。その結果、栽培にかかる費用が増えて野菜の値段が上がります。旬の野菜なら無駄な手間がかからないので、栄養が豊富かつ安い値段で入手できます。
秋のオススメ「冬に向けて免疫力を高める」食材
冬は寒さから体を守るため、体を内側から温めることが免疫力を高める一つの方法だそうです。秋の旬の食材では、ごぼうやにんじん、れんこんなどの根菜や脂肪類をたっぷり摂ることで体が温まります。また、生命力や栄養が豊富な旬ものからエネルギーをもらうことで、丈夫なからだづくりにつながるそうです。夏の太陽の恵みを受けて甘味を増した野菜や果物、良質な油(ドコサヘキサエン酸:DHAやエイコサペンタエン酸:EPA)ののった旬の魚をたっぷり摂って、寒い冬に備えましょう。
免疫力UP!の秋の食材、栄養素——-💛
キノコ類のβグルカン
βグルカンは食物繊維の一種で、免疫力を向上させる効果の他に腸内環境を整える効果、ガンを予防する効果があるとされています。
- 栗のビタミン等
栗はビタミンA、B、C、ミネラル、鉄分、マグネシウム、カルシウム、でんぷんが豊富で、皮膚の老化を防ぎながら免疫力をアップさせてくれます。 - ブドウ、リンゴ、柿等のポリフェノール
ポリフェノールには、抗酸化作用により、細胞の老化を防ぐ効果や、殺菌効果もあります。 - キウイのビタミンC
キウイはビタミンCがとても豊富で抗酸化作用も強く、デトックスをしながら免疫力を高めてくれるフルーツです。肌と粘膜を健康にしてくれます。 - 牡蠣(かき)の亜鉛
亜鉛やミネラル、タウリンといった栄養素が豊富に含まれています。亜鉛には、細胞の再生を促進させる働きがあります。 - 秋刀魚のEPA、DHA
さんまと言えば、認知症予防に効果があるDHA、EPAが含まれていることで有名ですが、NK細菌を活性化するという効果もあり、他にも胃腸を温め、消化を良くするといった効果があります。 - にんじん(緑黄色野菜)のカロテノイド
にんじんには、カルテノロイドの一種であるβカロテンが含まれています。βカロテンは、鼻の粘膜や喉を守り、細菌に対して、免疫力を向上させる効果があります。 - 山芋や里芋の食物繊維とムチン
山芋や里芋に含まれている食物繊維は、腸内環境を整えてくれます。他にも、山芋や里芋のネバネバはムチンという成分が含まれています。これは、風邪などの感染症にかかりにくくし、細胞などを活性化する働きがあります。 - かぼちゃのβカロチン・ビタミン等
緑黄色野菜の一つであるかぼちゃには、βカロチン・ビタミンC・ビタミンE・カリウムなど栄養素がバランスよく含まれています。特にβカロチンは、粘膜を強化して風邪やウィルスに感染しにくい体を作ってくれます。また、かぼちゃには体温を上昇させる効果があります。 - さつまいもの食物繊維
さつまいもには、食物繊維がたくさん含まれており、腸の働きが活発になります。他にも、「グルタチオン」という成分が含まれており、新陳代謝を活発にし、抵抗力を上げる働きがあります。
免疫力を高める効果を発揮するためには食事の栄養バランスも大切です。主食、主菜、副菜をバランスよくとることを心がけましょう。たんぱく質は肉、魚、卵、大豆製品などからまんべんなくとり、ビタミンやミネラルが豊富な野菜は1日に350g以上を目標に食べましょう。ひと口につき20~30回ほど噛んで食べると胃腸への負担が軽くなりますし、食べすぎや肥満防止にも効果的です。
以上、エゴレジ研究所から、食欲の秋と旬の食材の食養生「身度不二」についてご紹介しました。秋口は季節の変わり目で気温変化になかなか体が馴染まないので、上手に新陳代謝を促していかに体を温めるかが大事です。体とこころは密接につながっています。コロナ禍のメンタル疲れを解消するためにも、腹八分目を心がけて、免疫力を高める秋の味覚を堪能しましょう。
エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。
あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/
<プロフィール>
代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事
GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー
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