《和文化》楽器よもやま話

こんにちは!
笛の福原百麗(ふくはら ひゃくれい・藤本博子)です。

各地の紅葉も美しく色づいて、ついお出かけしたくなる季節になってきました。
芸術の秋、でもありますが、皆様はどちらかに美術鑑賞、音楽鑑賞に行かれましたか?

メルマガのイベント情報にも載せさせて頂きましたが、私は今週末24日(日)のフルートの会に向けて大わらわです。
気軽な会ですので、ご興味お有りの方はぜひお運び頂ければと思いますが、こちらでは篠笛も演奏させて頂きます。(トップバッターです)
フルートトリオやアンサンブルもありまして、アルト、バス、コントラバスという普段あまりお目に掛かれない特殊な種類も登場します。巨大な縦型のコントラバスは立って演奏するもので、これがフルートなの?とびっくりするような低い音が出ます。
そんな珍しいものを見たり聞いたりできますので、よろしければどうぞ!

毎年秋に開催している発表会ですが、例年、夏頃から練習にも力が入って、秋の本番に向けて頑張る。
そんなパターンでずっと過ごしてるのですが、今年はちょっといつもと違うことがありました。

それは・・・どうも楽器(フルート)の調子が悪い! ということ。

フルートは金属製なのですが、元々は木製で(今でも木管のフルートはあります)、篠笛と同じように穴が空いただけの単純な構造でした。
その穴を指で塞いで音を出すのが横笛ですが、日本の横笛は単純な形のままほとんど進化しませんでした。
逆に洋楽のフルートは穴に蓋がついたり、複雑に変化していきました。

複雑になればなるほど、精密機械のように繊細になって、微妙な調整やメンテナンスが必要になってくるのです。
ピアノも調律をしますが、同じように管楽器も年に一回は調整・メンテナンスをするのですね。

私は総銀製と木管の2本のフルートを持っているのですが、そろそろメンテナンスをしなければいけない時期とは言え、どうも調子が悪い。
音がハッキリ出ずモヤモヤしていたり、音程が外れたり、歯に何かが挟まったような感じなのです。
一部の音が完全に出ない場合は、どこかのネジが緩んでるので、自分でネジを締めれば済むのですが、そうではないのです。本番までは何とか宥めすかし、終了後すぐに楽器屋さんに持ち込むしかありません。

ところで、和楽器(篠笛)はメンテナンスが必要かというとまったく必要ないんです。
部品なんて一つもありませんからメンテナンスしようもないほど単純な構造なんですね。
間違って落としてしまっても、竹なので割れたり欠けたりすることはそうそうありません。
日本の和楽器は乾燥に弱いので、乾燥している海外に持ち出すと真っ二つに割れる事はあります。
その場合は、笛師さんにお願いすると漆でくっつけて修理して下さいます。
扱いが簡単だからと言って乱暴な扱いをしてはなりませんが、定期的にメンテナンスに出す必要もなし、それでいて何代も受け継いでいける、そんな優れものでお金も掛かりません。
持ち運びも軽くて簡単ですので、紅葉の季節はちょっと野外に出て、思うままに「赤とんぼ」とか叙情歌を吹いてみる・・・そんな乙な事もできちゃいます。

そんな良いこと尽くしのように聞こえる篠笛ですが、一つ大きな落とし穴、いえ、重要なことがあります。

もし「音が出ないなぁ」「音がしょぼくてモヤモヤしている」「音が良くない」そう感じたとしたら・・・それはすべて自分が原因だということです。
楽器自体、ネジが緩むとか故障とか不具合はあり得ない訳ですから。

音について、すべて自己責任。

自分自身を突きつけられるような感じですね。
難しいことを言うと、常に自己分析しているような感覚でしょうか。

でも安心してください。
自分の何が原因で音がうまく出ないかと言うと、自分の性格が悪いからではありませんから。
穴を塞ぐ指のポジションがズレてるとか、息の入れ方とか、必ずどこかに理由がありますし、ピアノとかフルートの洋楽器のように、すごい練習を重ねてスキルをつけないと演奏できない、ということも一切ありません。

仕事でも、ビジネスの現場とも重なる自己分析、特殊な技術がなくたって音楽が演奏できる・・・そんな奥深さがあるのが和楽器です。

最後に今週末のフルートの会をご案内させていただきます。
<第50回 フルートの会>
11月24日(日)13:30開演
場所:東京・原宿 アコスタディオ(原宿駅竹下口から徒歩3分)
終演後はその場でささやかなパーティをいたします。
笛について何かご質問等ございましたら遠慮なく藤本にお声掛けくださいませ。

●ストアカ(Street Academy)では「篠笛体験講座」をリクエストベースで開設しております。

https://www.street-academy.com/myclass/38288?

●個別にお稽古のご希望、ご相談等ございましたら、こちらまでどうぞ!

ワード・スピリット 藤本博子
wordspirit.curation@gmail.com

 

藤本博子(福原百麗)

伊藤忠商事を皮切りに、転職8回、事務職から営業、大道芸人まで20の職種を経験。16年間、人材派遣・紹介会社にて営業、転職コンサルタントとして勤務後、独立。

これまでのべ1万人以上の就業・転職サポートを行い、2013年には人材大手転職サイト主催のスカウトコンテストにて1位(部門別)獲得。

現在、民間委託の求職者支援訓練指定校(セラピスト養成)にて就職支援講座(自己分析、就活実技、顧客サービス等)及びキャリアカウンセリングを担当。現在、京都造形芸術大学で芸術学を学びながら、アートを取り入れた「じぶん分解ワークショップ」を開発。訓練校やセミナー等で広く活用している。

一方、長唄囃子福原流笛方として演奏活動の他、洋楽(フルート)との比較やビジネスの視点から見た指導は非常にユニーク。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP