はじめに
バリ島というとどんなイメージをお持ちですか?海リゾートやヨガなどのイメージから、まったりした空気感をイメージされるかもしれません。今回は、筆者のバリ旅で出会った人々から学ぶ「快眠の秘けつ」を綴ってみようと思います。
バリ島から学ぶ快眠の秘けつ
バリ島の宗教は他のインドネシアの島々と異なって、9割がバリヒンドゥー教徒、残りがイスラム教徒、キリスト教徒、その他の順で形成されています。観光で潤うこの島は、他のしまからの出稼ぎの人はもちろん、日本人を含めた外国人在住者も沢山います。そんなバリ島は今急速に変化を遂げています。若者の働き方も変わってきているとのこと。しかしそれでもまだ一般的なローカルのバリ人の生活はバリヒンドゥー教の宗教的文化と関連して組み立てられています。
のんびりまったり過ごしていそうに見えるバリ島の人々。でも、日本人より真面目で勤勉なのでは?と思うほど一生懸命働きます。それが当たり前。
確かに楽しそうにおしゃべりしながら接客している場面を見かけますし、お客様が少ないと手を抜いていたりのんびり楽しそうにも見えます。でも、基本働き者です。
さらに、その日常のスケジュールは日本より過酷なのでは?と思うほど忙しいのです。
バリ島での一般的な会社の就業時間は9時~18時といわれます。でも、もっと早かったり、遅かったり、それぞれの宗教行事に合わせて不規則だったりと、定時にはいかないことも多々あるようです。
例えばバリのお母さんたち、早朝から活動を開始します。
市場に食料やお供え物の材料を買いに出かけるのは朝6時から。帰ったら家族の一日の食事を準備して朝食。
6時半頃~7時半頃の間に各家庭にある家寺にて朝のお供えとお祈り。家事をこなしたら8時に出勤してそれぞれのお仕事へ。観光業などに関わる人は夜遅くまで仕事です。
17時に帰宅したら夕方の家寺での儀式もあれば、折るになる前に子供たちをお風呂に入れる作業もあります。
バリ島では年間に何度も村の宗教行事があります。その度に、19時頃~22時頃は、お供え作りや準備などで集会所に集まったり家で作業したりなどが夜遅くまで続きます。
そういった行事が重なる時期は、チャナン(お供え)を一晩で500個作らなきゃならない!睡眠時間は4、5時間って日が続くのだとか。
23時に寝て5時に起きるのがスタンダードな日常でしょうか?
朝が早いバリ人の生活。かといって早く布団に入れる日が多いわけではない。皆さんが思うより寝る時間が無いのです。
にもかかわらず、不眠症だと訴える人・薬を飲む人は少ない。何故だろう?医療が日本ほど充実していないから調査がされていないだけ?いや決してそれだけではないはず。
旅先で出会った人たちに睡眠についてインタビューすると、私たち眠りに悩む日本人が取り入れると良い様々な快眠の秘けつが見えてきました。
とある50歳バリ人男性との会話。
「日本では不眠症の人が増えているけれど、バリの人たちはどうなの?」
と聞きました。
「不眠症?デンパサール(バリ州の州都)ビジネスマンとかだと最近いるみたいだけど、あまり聞かないよ。なんで日本人は眠れないの?」
~中略~
「理由の一つは、日本人はリラックスが下手糞だからなんだよね。」
「ああ。じゃあ僕たちは大丈夫だね!バリの人たちはリラックス上手だから!」
そうなのです。どんなに忙しくても、バリの人たちはリラックス上手。ゆるめることに罪悪感や躊躇はない。体を休めること、心を休めること、は当たり前に必要な事なのだ。
スキマでのんびりする時間を持っている。家族とゆっくり過ごす時間も大切にしている。
別のバリ人男性との会話。
何故日本人が眠れないのか?睡眠には何が必要なのか?そんな会話から1つ。
「脳疲労が激しいんだよね。刺激が多すぎる。脳の興奮を休められない人が多いのよ。考えない時間を作る、脳をリラックスさせる必要があるのよ。」
「じゃあ、メディテーションだね!僕たちはお祈りの時メディテーションしてるから眠れる。眠れない時はメディテーションするよ。」
そう、宗教の特性もあるけれど、毎日の朝晩のお祈りや、新月や満月と言えばムルカット(浄化)へ出かけお祈りし、お寺へのお参りする機会も頻繁にある。
御朱印コンプリートのために神社参拝するのとはわけが違う。日頃のアレコレから意識を切り離して祈る間はそれだけに意識を集中している。何も考えない。マインドフルネス瞑想に近い状態。メディテーション=瞑想。そんな脳の状態を作ることが日常的に習慣として出来ているのだ。
在住の日本人女性の方との会話。
「あっちとこっちを行ったり来たりしている日本の友達がね、日本だと中々眠れなくて悩むけど、バリに来ると眠れるのはなんでだろうって言ってたの。」
「環境って大きいですよね。もちろん、気候とか、非日常でストレスが少ないって理由もあるけど。私が思うのは、バリはちゃんと夜が暗いこと。日本の家も町も、夜遅くまで明るすぎる!うるさすぎる!」
「そういえばそうだね。バリは夜は家も暗いのが当たり前だね。あんなに明るい電機は点けないわよね。夜も日本よりは静かだよね。朝の鶏の鳴き声と日の出とともに起きて活動してたら、夜暗くなったら眠くなるもんね。」
そうなのだ。バリ島はそもそも夜の部屋が明るすぎない。ホテルなどの宿もそれは同じ。だから自然と睡眠モードに移行しやすいのだ。
聴こえてくる音はバイクなどの人工音が止んだ後は、1/fの揺らぎを含む自然界の音だけ。
まだまだ秘けつは見つかったけど。今回はこの3つを紹介しました。
◇リラックス上手になろう!
そのためには先ず休むことへの罪悪感を捨てること。そして自分のホッとできる心地よいことって何だろう?いくつか見つけてみましょう。
◇メディテーションをしてみよう!
寝る前は瞑想タイムを取り入れてみる。瞑想というと難しいと感じる人は、先ずはスマホやPCを手放して、日常から意識を切り離す。一日無事に生きてくれた自分の身体やご先祖への感謝で一日を締めくくることから始めてみるのも良いかもしれません。
◇夜は暗く!
部屋の照明を見直しましょう。最近はLEDが主流になってきています。つまり照度を調節できる時代です。食事はやっぱり明るい方が美味しく見えるので夕飯を終えるまでは明るくても可。食べ終わったら照明を落として暗めに設定。脳への刺激を抑えて、眠る準備を意識しましょう。
まとめ
快眠にはどんな工夫があるのだろう?自分の周りとは違う環境・習慣の人々から得られるヒントも沢山あります。バリ島は、睡眠を見直す旅にはもってこいの島だと感じます。カグジョの皆さんと一緒に出掛ける快眠リトリートツアーを企画しようかな♪ご希望の方は公式LINEからメッセージを
それでは、今夜も良い眠りを・・・☆
プロフィール
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Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー) 代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ) 薬剤師/睡眠改善インストラクター(H29年現在)薬科大学卒業後、営業職に従事。その後メンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる。2011年独立。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』や『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、セミナーや講演、企業研修を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。 スリープ・パフォーマンス カンパニー https://sleep-perform.com/ 快眠サロン水月~mizuki~ https://mizuki-kaimin.com/ 新聞コラム連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。 *著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社) |
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