「ロンジェビティ」を学ぼう!

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

健康やウェルビーイングに並び、長寿を意味する「ロンジェビティ」が新たなキーワードとして浮上しているようです。ロンジェビティ(Longevity)とは、単に寿命を延ばすだけでなく、健康で活力ある人生を長く楽しむことを意味します。年齢とともに生じる慢性疾患や障害を防ぎ、健康で長生きするという概念です。そこで今回は、「ロンジェビティ」についてのお話です。

老化の原因とロンジェビティ

Myprotein(マイプロテイン)の創始者であるAndy Duckworth と Paul Finnegan によって2019年5月に創設された、世界30カ国に展開するグローバルウェルネスブランドであるネイチャーカンの公式HPでは、以下のように解説されています。

加齢は、遺伝的、環境的、生活習慣的要因が複雑に絡み合うプロセスです。以下のような要因が特定されています:

1.遺伝的要因/染色体のテロメア短縮は細胞老化に影響
2.酸化ストレス/有害なフリーラジカルと抗酸化物質の不均衡
3.細胞の老化/老化細胞の分裂停止と有害物質の放出
4.ミトコンドリア機能障害/加齢に伴う細胞のミトコンドリアのエネルギー産生の減少
5.ホルモンの変化/身体機能に影響を与えるホルモンレベルの変動
6,炎症/老化と加齢性疾患の関連
7.ライフスタイル要因/食事、運動、毒素への曝露
8.細胞損傷の蓄積/時間とともにダメージが蓄積
9.エピジェネティックな変化/環境やライフスタイルが遺伝子の発現に影響

これらの要因は複合的に加齢に寄与し、ヘルススパンを延ばすためのターゲットとなります。

■ロンジェビティを裏付ける科学
ロンジェビティの科学は、老化のメカニズムを理解し、寿命とヘルススパンを延ばすためにそれらの要因を軽減する方法を研究します。
遺伝学、細胞老化、テロメアの長さ、食事、運動、ストレス管理などが探求されています。

■ライフスタイルと遺伝の役割
ロンジェビティは遺伝と生活習慣の組み合わせで決まります。
遺伝的要因も影響しますが、健康的な食事、定期的な運動、ストレス軽減、喫煙と過度の飲酒の回避が寿命の延長と健康向上に大きく貢献します。

■現代医療とテクノロジーの影響
医学と技術の進歩が、死亡率の低下と平均寿命の延長に貢献しています。
ワクチンや抗生物質、最新の外科技術、慢性疾患管理まで、医療のイノベーションは健康寿命の延長をサポートしています。

■ロンジェビティとクオリティ・オブ・ライフ(QOL)
ロンジェビティの追求は、健康的な老化を支えるもので、単に長生きを目指すだけでなく、アクティブで充実した生活を送ることが大切です。
ロンジェビティの追求は、生活の質を高め、身体的・精神的な健康を維持し、高齢になっても尊厳を持って自立した生活を送ることが目標です。

国内での「ロンジェビティ」

老化のメカニズムは、近年の生命科学の進展により明らかになりつつあり、美容・健康・医療業界では、ロンジェビティビジネスへの投資が加速しています。しかし老化や長寿メカニズムに関するエビデンスは不十分で、一部の研究者からはビジネス化は時期尚早という意見も挙がっているのも現実です。こういった賛否両論のなか、「ロンジェビティ」が示す未来の可能性を探ろうと、経済メディアのNewsPicksとパナソニックは2024年11月、プロジェクト「ハイパーハイプト ロンジェビティ リポート」を立ち上げました。
世界の生命科学の先端研究や美容業界を中心に盛り上がりを見せている「ロンジェビティ(長寿/Longevity)」をテーマにした2ヶ月限定のメディアプロジェクトで、科学的かつジャーナリスティックな特集記事と、海外メディアを含めたキュレーション記事を掲載しています。
最先端の研究ではどこまでがエビデンスとして認められ、どこからが推論なのか、不確実性もある情報に真正面から向き合ってリポートするとしています。

Forbes JAPANのWebサイトでも「不老長寿・健康」テックとして注目している日本の代表的なスタートアップをいくつか紹介しています。

◆ekei labs
東京と沖縄科学技術大学院大学(OIST)に拠点を持つスタートアップ、「ekei labs」は糖鎖を計測することで生物学的年齢を測定する技術を開発し、老化抑制ソリューションを提供している。彼らの技術は、個々の健康状態をより正確に把握することで、ライフスタイル改善を促し、老化抑制を実現しようとしている。

◆AutoPhagyGo
同じく日本のスタートアップ「AutoPhagyGo」は、細胞内のオートファジー機能を解析する技術を持っている。この技術により、老化や病気のメカニズムを解明し、健康寿命を延ばすための新たな活用法を模索している。
オートファジーとは、細胞内のタンパク質を分解し、新しいタンパク質を作る材料や細胞機能の維持に役立つものに生まれ変わらせることで、細胞の健康を保ち、栄養環境の変化に対応したりする機能のことだ。東京工業大学の大隅良典栄誉教授が、世界で初めてオートファジーのメカニズムを解明して2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞して以降、日本で積極的に研究が行われている分野だ。AutoPhagyGoは、大隅名誉教授とともに研究を進めてきた大阪大学の吉森保教授により設立された。

◆エム
また、エムは脳ドックなど医療機関で撮影された頭部MRIの画像解析により、30代から始まる加齢に伴う脳の変化を数値で評価し、受診者に「脳の健康マネジメント」という体験を提供することを目指している。その変化をログとして蓄積することで、脳の状態観察による疾患の予防に加え、認知症の初期兆候を見逃さずに検出することにも応用可能だ。同社は米ジョンズ・ホプキンス大学医学部放射線学科の教授である森進氏が2021年に設立した。

OECDによれば、100万人あたりのCT数は日本は116台でOECD加盟国で1位、2位のオーストラリアは70台で、圧倒的な差をつけている。同じくMRI数は、100万人あたり57.4台で1位、2位の米国は38台と、日本のCT・MRIの数は他国と比べても圧倒的に多いことがわかる。エムは宝の山であるこれまで撮影されたMRIやCTスキャン画像に注目し、特に高齢化が進む日本においてより大きな問題となる「認知症」に取り組んでいる。

◆emome
emome」は、介護事業所を、エンタメや美容など包括的な良き生活の場に変え、日本モデルの構築を目指している。その大きな基盤となるのが「シニアカレッジ」で、職員の負担軽減と利用者の楽しみの増幅を実現する映像活用レクリエーションを展開している。彼らの取り組みは、介護業界を大きく変える可能性を秘めている。
東大発のスタートアップとして名を馳せる同社は、利便性と楽しさの両立を実現する「シニアカレッジ」で、利用者のQOLニーズを持続的に把握し、「やりがい」を創り続け、シニアの自己効力感「エフィカシー」を高める取り組みを行っている。
介護施設で様々な価値が利用者に届けられ、そこで経済と感情が動く環境の構築に動いている。

ほかに、身近なところでは銀座4丁目の交差点からすぐの場所に昨年10月にオープンした「THE HUNDRED ロンジェビティ ハウス」。先端的な再生医療×古来の伝統医学×伝統的な日本の食文化を融合させたラグジュアリーな複合施設。人生百年時代を心身共に健康に過ごすため、5・6階には日本が誇る最先端の再生医療を行うクリニック、8階にはアーユルヴェーダのウエルネスサロン、9階には健康食として知られる醗酵料理の料亭、そして7階にはメンバーシップ会員専用の特別フロアが集結しています。

以上、エゴレジ研究所から「ロンジェビティ」についてご紹介しました。慢性疾患のリスクを減らし、健康な期間(ヘルススパン)を延ばすための研究が活発に進行中のようです。加齢には遺伝的要因やライフスタイルが影響しますが、健康的な食事、定期的な運動、ストレス管理が大切です。さらに、医学と技術の進歩が加わり、ロンジェビティの実現に一歩一歩近づいています。

 

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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