こんにちは!
笛の福原百麗(ふくはら ひゃくれい・藤本博子)です。
先週は新橋演舞場で毎年開催されている「東をどり」について書かせて頂きました。
今週は舞台の脇にある「黒御簾」という隠れ小部屋について書こうと思っていたのですが、またまた舞台が続いたこともありまして、それについて書かせて頂こうと思います。
「黒御簾」については次回に。。
まず最初に、先週の土曜日、東京初台の代々木能舞台にて、知人の端唄の朝川玲伎師匠の一門の研鑽会に、助っ人で二番笛で出演させて頂きました。
素人さんの発表会なのですが、入門されるお弟子さん(といっても皆様それなりの大人でいらっしゃいますが)がどんどん増えていて、皆さんお仕事をされながら、三味線や唄をとても楽しんでいらっしゃいます。
和楽器や唄はなかなか取っ付きにくかったり、敷居が高く思われたりして、どこのお教室も年配の方が大半でなかなか入門される方も少ないのが実情です。
そのような状況でこれだけ盛況なお教室はなかなかないものです。
和楽器でも、人気の和太鼓は別ですが・・・。
会場の代々木能舞台は、珍しい屋敷内舞台。
2009年には国の有形登録文化財に登録されています。
そのような趣のある場所で年に2回研鑽会(発表会)を開催されているのも、会の魅力なのかもしれません。
若い頃、職場の上司や男性の先輩方で、端唄や詩吟、茶道、武術など嗜まれている方が何人もおられました。お能が武士の嗜みであったように、和の芸事や芸術は経営者やそれなりのビジネスマンの嗜みでもあり、そこからビジネスヒントを得る人も多かったと思います。
欧米では芸術、美術史がビジネスマンの素養として最近改めて着目されていますが、オペラなどクラシック音楽も同じように嗜みと捉えられていたのと同じことです。
今は「1つ位何か趣味がないと・・・」と考えてお稽古事を探されてる方も多いですが、堅苦しく考えず、面白いと感じられるもの、楽しめるものを何か一つ持つ、というキッカケもありかなと思います。
もう一つの舞台、月曜日は銀座のGINZA SIX に新しく作られた観世能楽堂にお芝居を観に行ってきました。
文学座出身の女優、二宮さよ子さんの一人芝居「出雲の阿国」です。
昭和のベテランの俳優さんの多くは、日本舞踊なども学ばれて、着物の着方、所作は板に付いた、それは見事なものです。見る側も安心して観ることができます。
若手で着慣れていない役者さんですと、着物に着られているようで、何か落ち着かなくて観ていてもハラハラしてしまうんですよね。
「出雲の阿国」は新しい能舞台を眺める楽しみもあり、異色の演出を堪能できる楽しみもありました。
出だしはなんと、プッチーニのオペラ「蝶々夫人」のバックミュージック。
続けて、箏と尺八。そして鼓や笛(能や歌舞伎の音楽で笛といえば、能管、篠笛のことです)
の音楽も入り、一人芝居で何の舞台セットもないシンプルな舞台でありながら、バラエティに富んだ趣向でした。
ところで・・・
能や日本舞踊など日本の伝統芸能のお稽古も受けられてる役者さんの凄さって、どにで見極められるのだと思いますか?
私は見極めのポイントの1つは「安定感」ではないかと思っています。
もう少し具体的に言うと、能も日本舞踊も、舞は腰を落とした姿勢が非常に重要です。
能舞台の橋掛りをゆっくりと摺り足で登場する時も、腰を少し落として、頭が上下に揺れることなく、スーッとまっすぐに進むのですね。
歌舞伎役者がみえを切るときも、足をグッと踏み込んで安定感があります。
昔の役者さんは背丈も低い方が多かったですから、尚更安定感を感じました。
最近の若手の方は背丈が高くて腰の位置も高いので、どうも安定感がいまいちに感じられてしまいます。そう感じてしまうのは私が背が低いからでしょうか?
それとも古い昭和のおばさんだからでしょうか??
代々木能舞台での朝川会端唄三味線の会は秋にも開催されます。
またこちらでもご案内いたしますが、ご興味おありの方はぜひ次回お運びくださいませ。
藤本博子(福原百麗)
伊藤忠商事を皮切りに、転職8回、事務職から営業、大道芸人まで20の職種を経験。16年間、人材派遣・紹介会社にて営業、転職コンサルタントとして勤務後、独立。
これまでのべ1万人以上の就業・転職サポートを行い、2013年には人材大手転職サイト主催のスカウトコンテストにて1位(部門別)獲得。
現在、民間委託の求職者支援訓練指定校(セラピスト養成)にて就職支援講座(自己分析、就活実技、顧客サービス等)及びキャリアカウンセリングを担当。現在、京都造形芸術大学で芸術学を学びながら、アートを取り入れた「じぶん分解ワークショップ」を開発。訓練校やセミナー等で広く活用している。
一方、長唄囃子福原流笛方として演奏活動の他、洋楽(フルート)との比較やビジネスの視点から見た指導は非常にユニーク。
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