Vol.33 睡眠と台風

おはようございます。

人生、丈夫に寝たもん勝ち!2分間コラム。今回は、「台風と睡眠」のお話です。

先週はなんだかいつもより睡眠状態が悪かった!だるかった・眠かった!と感じた方もいるのではないでしょうか?
それ、ひょっとしたら8,9,10号と立て続けにやって来た「台風のせい」かもしれません。

そろそろ大風シーズンも本番になります。
思い当たる方はちょっとご一読を。

最近は「気象病」という言葉も大分認識されるようになってきました。
その名の通り、気象の変化によって引き起こされる不調です。
大きく3つのパターンがあります。
・気象の大きな変化で一過性に起こる不調
・気象の変化で持病が悪化する場合
・気象の大きな変化がきっかけで、発病するパターン

引き起こされる・悪化する症状は様々なのですが、代表的なものは、
頭痛、めまい、耳の不調、喘息、リウマチ、更年期などなど・・・ほかにも色々あります。
気象病と「病」として診断されることは少ないと思いますが、「睡眠」も実は気象現象に結構影響を受けるのです。
その、受けて崩れたリズムを立て直せないと、やがてその他の不調を助長することや不眠につながります。

では、今回のテーマ「台風」で睡眠に影響を及ぼす一番大きな気象の変化は・・・
『気圧の変化』です。普段以上に気圧が一気に低下します。

気圧の低下で何が起きるのでしょうか?

年齢・体型差などもありますが、我々カグジョ世代の体は約50~70%が水分。
水分は圧力の高いほうから低いほうへ移行しようとします。
体の水分も外へ逃げようとする・・・すると浮腫んだり、血管がが拡張して頭痛がしたり、血圧が下がったりするわけです。

さらに、自律神経は、内耳で感知した気圧の変化に、一生懸命対応しようとします。
ヤバイ!過酷な環境がやって来た!エネルギー温存しなくっちゃ!
となります。
なので、お休みモード&エネルギー蓄積モードの副交感神経の働きが優位になってきます。

ということは・・・
そう、眠りに入るときも副交感神経が優位になる必要がありましたよね!
眠気が来るわけです。

しかも、副交感神経が優位になるということは、入眠を促すだけではなく、血圧の低下、心拍の低下、意欲の低下、消化促進、排せつ促進などなど・・・
動くのおっくう・・・寝ていた~い・・・となるわけです。

さらに、ゆっくりではなく、「急な気圧の低下」という刺激を受けると、免疫細胞も反応するということが報告されました。
肥満細胞という細胞からヒスタミンというアレルギーに関する物質を出します。
このヒスタミンが過剰に分泌されると・・・
くしゃみ鼻水、関節の腫れ、血管透過性亢進でむくみがより進む、血管拡張でより血圧が低下する・・・

これらの結果、自律神経の働きとヒスタミンのダブル効果で、「だるい・・・」が加速するわけです。

当たり前ですが、私たちは魔法使いでも魔女でもないので、気象現象を変えることはできませんし、台風の進路を変えることはできません。
台風がやってくる情報をあらかじめ、天気予報でキャッチすることはできます。
あらかじめ準備しておくことが大事。ではないでしょうか?

①急激な気圧などの変化がやってくる前に、しっかり食べて寝て、体調を整えておく。
②できる範囲で、室内の温湿度などの環境を整える。
③いざ症状が出たときは、自律神経を整える自分なりの行動を実践する。
例えば、
・軽く運動する
・水分をとる
・自律神経を整えるツボを押す(百会、心門、指間穴などお手軽に押せるツボ)
④気象病で辛い方は症状に合わせた薬等を使用する
⑤台風でどうせ出掛けられない、眠いならタップリ眠ってエネルギー温存するチャンス!と捉えていつもよりゆっくり過ごす

台風シーズン到来。眠い・だるい・辛いをちょっとでも軽く乗り切るために行動と思考の準備をしてみませんか?

それでは、今夜も良い眠りを・・・「人生、上手に寝たもん勝ち!」

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
研修講師/薬剤師/睡眠改善シニアインストラクター(日本睡眠改善協議会)

埼玉県出身。薬科大学卒業後、営業職に従事。医療の現場で心を病む人が増加している現状を目の当たりにし、心理カウンセラー資格を取得。その後、睡眠問題を深く掘り下げるためメンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる中で、睡眠は心と体を元気にし、目の前のあなたに笑顔をもたらす!と確信を得る。
日本にわずか10名ほどしか存在しない『睡眠改善シニア指導員資格』を取得(H29年3月現在)。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』に関するセミナーや、講演活動、『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、企業研修・安全大会講演を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。

新聞連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

 

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