スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。
目次
🔴エゴレジについてのおさらい
例年にない暑さが続きます。お見舞い申しあげます。
先日、神楽坂女子倶楽部のランチ会に参加いたしましたが、ご一緒した皆さまと名刺交換させていただいたところ「エゴレジってなんですか?」というお尋ねが数多くありました。
今回は、エゴレジについて改めて説明させてもらいます。
🔴エゴ・レジリエンス:Ego-Resilience
エゴ・レジリエンス(略称エゴレジ)は、日常的なストレスと上手くつきあう力です。
エゴレジは、誰もが持っているパーソナリティ特性で、「エゴ」と「レジリエンス」の2つから成り立っています。
心理学で「エゴ」とは自我・自己・自分のことを指しており、精神分析の創始者として有名なフロイトによって作り出された概念です。一方「レジリエンス」は、「外からの力が加わったときに,元の形に戻る力、はね返す力、弾力性」です。これが結びついたエゴレジは,日々のストレスに直面してメゲたり、落ち込んだりしたとき、エゴのバランス機能を調整し元気な自分に戻ろうとする力なのです。
エゴレジは、米国カルフォルニア大学のジャック・ブロック教授が1950年代に明らかにされたもので、その後半世紀以上を経て、パーソナリティ心理学やポジティブ心理学の研究者によって実証研究が行われ、たくさんのエビデンスが蓄積されています。
心理学で「エゴ」といえば、自我・自己・自分のことを指します。これと「レジリエンス」が結びついた「エゴレジ」は、日々の生活の中でストレスを感じたとき、エゴのバランス機能を調整して元気な自分に戻ろうとする力です。
🔴エゴの2つの機能とコントロール
エゴには、2つの機能があります。
「オーバーコントロール」…衝動や感情を過剰に抑制
「アンダーコントロール」…衝動や感情を自由に表出
例えば、仕事の締め切り目前に、あらゆる誘惑を退けて頑張っている状態が“オーバーコントロール”の状態。一方、仕事終えて一杯呑みながらカラオケを歌っているときが“アンダーコントロール”の状態です。時と場合によって、その状況に適したレベルにオーバーとアンダーを柔軟に調整する「スイッチ」が「エゴレジ」です。
張りつめた緊張状態にあるときに気持ちをリラックスさせる。逆に、ダラダラしてしまっているときに自分に喝を入れる。このように「オーバー」と「アンダー」の間の「行ったり来たり」を繰り返すことでエゴの調整ができるというわけです。
エゴレジが高い人は、イヤなことがあったとき、メゲそうなときも、「オーバー」と「アンダー」のバランスを調整しながら、直面した課題を解決することができるのです。
🔴エゴレジを測る!
同じような失敗体験や対人関係の悩みに直面しても、前向きに取り組める人とそうでない人の違いを説明できるのがエゴレジの個人差です。
エゴレジは、本来は誰もが持っている力ですが、これが弱っていると些細なことでメゲたり落ち込んだりしやすくなってしまいます。
個人差のあるもので、それぞれのエゴレジのレベルがあります。次の表に自分の点数を入れてみてください。
いかがでしたか?このチェックリストを作成したブロック先生とクレメン先生は、次のように区分しています。
20点以下=超低めエゴレジ 21~26点=ちょっと低めエゴレジ 27~36点=まぁまぁエゴレジ 37~46点=かなり高めエゴレジ 47~56点=超パワフルエゴレジ |
エゴレジ研究所では、誰もが持っているエゴレジの力に注目し、ストレスフルな日常生活を上手くつきあうために、日常生活の中でエゴレジの力をアップさせる方法やエゴレジに関連する啓蒙活動を行っています。
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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。
小野寺敦子
エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。
畑 潮
エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー
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