「笑い初め」笑いで心を温める

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

2023年の幕開けです。今年の笑い初め、あなたはどんな笑いでしたか。「笑いは百薬の長」とか「一笑一若(一度笑うと、一つ若返る)」などといわれますが、最近では新型コロナウイルスの影響もあり、人と会う機会が減少。ストレスを発散する場もなく、また年齢を重ねるごとに病気や身体機能の低下など悩みのタネが増え、以前よりも笑うことが少なくなったという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「笑いで心を温める」をテーマにしてみました。

「笑い」は心の燃料

漢方では万物を「木・火・土・金・水」の5つの要素に分けて考え、それに対応する情緒の部分を「五志」と言います。「七情」とは、「五志」の「怒・喜・思・悲・恐」に「憂」と「驚」の2つをプラスした7つの感情の変化のことをさします。

正常な感情の動きは”気”の働きを促進します。
過剰になると”気”を乱し、臓腑によっては”血”にも影響を及ぼすため、不調につながると考えられています。

漢方(中医学)において「心」とは「こころ」ではなく「しん」と呼びます。
心の主なはたらきは2つあり、ひとつは血(けつ)を全身に力強く循環させるはたらきであり、もうひとつは高度な精神活動の維持です。後者のはたらきは「こころ」を連想させられる点が興味深いです。
「火」というのは「陽性」の心の働きということです。木が燃えるような「火」の性質は、明るいか暗いかでいうと「明るい」心の働き。
「よろこぶ」にも陰陽があって、「喜」という字は表面的な「陽性」の働きをもつ「よろこび」で、「悦」という字はより体の奥、内側の方から湧き出る「陰性」の働きもつ「よろこび」です。
また陽と陰の2つの性質をもち、より大きなよろこびを表した「喜悦」といった言葉もあります。この喜悦のさらに強い働きで、喜びを陽の働きで外に表したのが「笑い」です。「笑い」はより心火を元気にする、鼓舞する働きなのです。

心火が強いからよく笑える場合もあれば、元気がないからよく笑うことで心火の働きを強くしようとする場合もあります。
「喜悦」や「笑い」は、「心火」の働きを高めて心と体を温めるとともに、「肺金」の心の働きである憂いや悲しみを抑えることができるとされます。

笑いの効能

「よく笑う人は病気になりにくい」「笑いは副作用のない妙薬」といった言葉もあるように、昔から笑いと健康は大きく関わっていると考えられてきました。近年では、医学の分野で笑いの効果に着目した研究が進められ、「笑い」と健康との関係が科学的に証明されてきています。

  1. 脳の働きを活発にする笑いは意思や理性を司る大脳新皮質の血流を促し、脳を活性化します。またそれによりアルファ波が増え脳はリラックス状態に。さらに海馬の容量も増やすので記憶力もアップします
  2. 血行を促進する笑うときは腹式呼吸のような状態になるため、血の巡りが良くなり新陳代謝が活発になります
  3. 自律神経のバランスを整える目覚めている時は交感神経が優位となっていますが、笑うことで副交感神経が優位となり、その働きが交互に入れ替わることで自律神経のバランスが保たれます
  4. ストレス発散に有効笑いはドーパミン、アドレナリン、コルチゾールなどの快楽に関係するホルモン分泌を促し、ストレス解消に役立ちます
  5. 幸福感と鎮静作用“幸せの脳内ホルモン” エンドルフィンが分泌され、幸福感がもたらされます。また、その鎮静作用はモルヒネの数倍とも。
  6. 免疫力を高め、病気のリスクを遠ざける笑うと善玉神経ペプチドが発生し、NK細胞(体に悪影響を及ぼす物質を退治する細胞)を活性化します。笑いがガンやウイルスに対する抵抗力を高めることは科学的に証明されているのです。
  7. 印象が良くなるアメリカ・ペンシルベニア州立大学の研究によると、「笑顔」は親切に見えるだけでなく能力がある人に見せる効果があるそうです。

このように笑顔の効能は想像以上。自分で作り出せる最強の “薬” を誰もが持っているのです。

併せて参照 ストレス、笑い、免疫力。 | 神楽坂女子倶楽部|「遊び」×「学び」×「自分磨き」 (kagujyo.info)

笑いのレッスン

顔の筋肉は随意筋なので、自分の意思で動かすことのできます。 でも表情のつくり方を練習しないと なかなか「いい笑顔」はつくれません。「いい笑顔」はより副交感神経に働きかけたり、周りに笑いの連鎖を生んでより大きな効果を生み出してくれます。

  • 朝起きて顔を洗ったら、鏡の前で笑ってみましょう!
    朝は疲れていたり、不機嫌だったりしてなかなか笑えないかもしれません。まずは顔を洗って目を覚まし、鏡の前でゆっくり自分に笑いかけてみてましょう!
    ニコッと!次はその笑顔で、家族に「おはよう!」って声をかけてみましょう!なんだかしらないけど、いい一日になりそうな・・・そんな元気出てきます。
  • 顔の筋肉を鍛えましょう。
    顔の体操をしましょう。口を大きく開いたり、眼をぱちくりしたり、ゆがめてみたり、発声練習をしてみたり顔の筋肉が強化されると、より表情も豊かになります。
  • 目で笑いましょう!
    口だけで笑おうとしてもなかなかいい笑顔にはなりません。本当に嬉しい時は目で笑います。お気に入りの一場面でも思い出し笑いをしながら、「ほっぺ」上の筋肉を使って笑ってみましょう!
  • いろんな表情をつくってみましょう!
    笑顔だけではなく、驚いた顔、びっくりした顔、泣いた顔、怒った顔など、いろんな顔を鏡の前で練習してみましょう!表情豊かになると、さらに魅力的な笑顔が出来るようになります。
    とにかく自分が笑顔になれる楽しいことを出来るだけ見つけましょう!

  • 笑み筋体操
    「笑み筋」とは、表情筋の中でも笑う時によく使われる筋肉です。それを動かすことで、自然に笑ったのと同じような刺激を脳に与えることができます。すると脳が楽しく感じて、「笑いのチカラ」を生み出してくれるのです。「楽しいから笑う」とは逆の「笑うから楽しい」というメカニズムの応用です。笑うことが苦手な現代人に笑うきっかけを与える「笑み筋体操」を筑波大学元教授の林啓子先生(看護学)が考案されました。

林先生は「簡単にできる笑み筋体操」(法研出版、2008)を著し、「笑いには体内物質を最適状態にリセットする効果があると言えます」そして「表情筋をストレッチすることで、大脳辺縁系を逆に刺激し、生理的な笑いと同じような体内リセット効果が期待できると思います」と推奨されています。

以上、エゴレジ研究所から「笑いで心を温める」をテーマにご紹介しました。年末年始、そしてこの三連休、みなさんはゆっくりされたでしょうか。笑いには副作用がなく、しかも即効性があります。一年の始まりを笑いで初め、心身ともに健康で幸せな年にしましょう。日々の暮らしに笑いを増やし、コロナ禍で疲弊した心を笑いでリセット、バランスを取り戻して充実した日常になることを願います。

 

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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