ストレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。
記憶は脳のもっとも大切な機能の一つですが、一方で若さを失う原因にもなります。すでに学んだことでなんとか回していけるから、向上心を失います。また、ネガティヴな体験にいつまでもとらわれていると、新鮮なチャレンジ精神がなくなってしまうでしょう。
忘れることが最高のアンチエイジングになる、とされているのは「幸福になる脳の使い方」の著者、脳科学者の茂木健一郎先生です。今回は「忘れる」作業と脳の若返りについてご紹介します。
🔴記憶の消去こそが容量を増やす!
東北大学大学院生命科学研究科の山元大輔教授によれば、記憶力は、どれだけ効率的に情報をプールし、利用できているかが重要なのだそうです。効率的な記憶力とはいったい何なのでしょう。
そのヒントは、短期記憶とワーキングメモリーにあります。短期記憶とワーキングメモリーでは必要な記憶を一時的に記憶し、不必要な記憶はたちまち消去されてしまいます。そして、消去されるということは、言いかえると常に脳内に空きのスペースがつくられることを意味しています。つまり、不必要な記憶を消去することにより、新しい記憶を受け入れる余地ができるのです。それが記憶の容量を大きくしてくれるし、結果的に効率がいいことにもなります。
そうだとすれば、日常生活の中でも、常に不必要な記憶は消去することが大切になってきます。どの記憶が大切なのかを判断し、必要な記憶だけを近時記憶に残し、その中でも重要なものを遠隔記憶に刻み込んでいくのです。もちろん、意識的にそうしようとしてもむずかしいことですが、少なくともこの理屈は理解しておいて損はないでしょう。
人間の脳は生まれたときには真っさらな状態で何でも詰め込むことができますが、年齢を重ねて記憶が蓄積されるとともに、脳の吸収力が低下していきます。それを食い止めるのが「忘れる」という作業です。と脳科学者の茂木健一郎先生もおっしゃっています。
🔴脳は自己暗示に弱い!
私達は出会った人の表情から、そのひとの精神の若さを感じ取っています。「もう歳だから・・・」「もうオバサンよ」と口癖のようになっていませんか?本当はそこまで思っておらず、ただ会話の糸口に使っているだけかもしれませんが、これは要注意!
脳は自己暗示に弱いので、「私はもう歳だから」と言っていると、本当に「こんな歳なのだから、ああいうことはできるわけがない」といった気持ちが自然に育ってしまうのです。言葉を脳が聞いて、自律神経が反応し、意思とは無関係に身体に働きかけるのです。ですから、「自分はまだまだ若い!」と日頃から思っていると、見た目まで若くなっていくということです。
自律神経は血圧や体温、ホルモンなどに働きかけるので脳に聞かせる言葉は、気持ち良いもの、ポジティブなものの方が良いのです。日々を楽しみ、「今、ここ」を生きるという意識が何より大切です。
gooが行ったアンケート、
『年齢にしては若いな…と思う人の特徴ランキング』で上位を占めたのも…
- 多趣味で週末はいつも忙しい
- 常に誰かに恋をしている
- 配偶者や恋人と仲が良い
- トレンドを取り入れたファッションをしている
- 早寝早起きをする習慣がある
(男性250人・女性250人を対象にしたアンケートより)
アンケート結果を、一言でいえば…
「年齢より若く見える人は、いくつになっても青春を謳歌している」ということ。いつまでも若さを保つ秘訣は「心」にあるのです。
🔴経験×好奇心=行動力と純粋な希望を持つ大人
世の中には、年令を重ねるごとにピュアになっていくひとがいます。たとえば画家の岡本太郎やアップル社の創業者スティーブ・ジョブズは年齢を重ねるほどに魅力的になっていった人物でしょう。
彼らに共通するのは、豊富な経験を持ちつつも、過去の裏切りや失望と言った嫌な記憶を忘れることができたという点です。過去を消し去ったわけではありません。過去を過去として持ちつつも、その失敗やネガティブな記憶にとらわれることなく、新たな一歩を踏み出すことができた人たちなのです。茂木先生は、そういった人たちを「スーパーチャイルド」と呼んでいるそうです。
子どもは純粋で好奇心旺盛ですが、経験が足りません。スーパーチャイルドは、知識や経験を豊富に持ちながら、子どものような純粋さと好奇心をも保ち続けている大人なのです。
茂木先生がおっしゃっているように、人間にとって、自由になるのは「今、ここ」から先の「未来」だけです。心がけ次第で、今この瞬間に「革命」を起こすことはできます。しかし、そのためには、「忘れる」ことが必要です。忘却の新鮮作用こそが、私たち人間を若々しく保つ、単純で深遠な手法なのです。
人が忘れるという機能を備えることは、人として必要な機能だからかもしれません。嫌なことや苦しいことを忘れることは、「水に流す行為に似ています。ネガティブな感情を流していきながら、気持ちを一新して、日々若々しく過ごしたいものです。
エゴレジさんなら経験と好奇心を生かしてスーパーチャイルドを目指しませんか?
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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。
小野寺敦子
エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。
畑 潮
エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー
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