ストレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。
もっと幸せになるために取り入れたい「考え方」が、アメリカ版ウィメンズヘルスに掲載されました。『The Luck Factor』の著者であり、ハートフォードシャー大学に勤務する心理学者、リチャード・ワイズマン博士は、「運は、自分の態度や姿勢で決まるものです」と断言しています。今回は、これをご紹介します。
目次
🔴「自分は幸せ者だ」と心から信じる
運気を上げたいなら、まずは態度を変えることが大切だということです。ある研究結果によると、「自分は幸運だ」と考える人の人生は、幸せになる傾向にあること(心理学では、これを「自己充足的予言」と言います)がわかっています。
また、ポジティブ思考の人の多くは、思いがけないチャンスを逃さないマインドセットが整っています。ワイズマン博士が行った研究では、「自分は幸運だ」と思う人と、「ツイテいない」と思う人を対象に、道に落ちているお金に対する反応を観察したそうです。すると前者はお金に気付いて真っ先に拾った人が多かったことに対し、後者は気付きもせず、通りすぎた人の方が多かったとのこと。
「偶然のチャンスに出くわすような人は、明るくて楽観的な人が多い」と言うのはサンソネ博士です。「全ての出来事からハッピーな瞬間を見いだし、うれしい結果をいつも期待しています」。行動に出る回数が多ければ多いほど、うれしい話が舞い込んでくる確率も上がるものです。幸せを手に入れたければ、どんなチャンスもつかみ取ること! だそうです。
🔴幸せなワタシになるためには……
「抽選や宝くじでもそうですが、勝つためにはまずプレーしなければいけません」と話すのは、メリーランド大学の統計学者、ダニエル・チップ・デンマン先生。勝負に出る行動力なしでは、チャンスも舞い込んでこないのです。
目標を明確にしたら、自分が周りに与える影響にも注意を払うこと。「他人からの反応は、自分自身の運を決定づける大きな要因でもある」と指摘するのは、カリフォルニア大学リバーサイド校に勤務する心理学者、ソニア・リュボミアスキー博士で「あなたがポジティブなエネルギーを周囲に与えられれば、周りもあなたにポジティブに応えてくれるはずです」と述べています。
🔴何をするにも「柔軟性」を忘れない
やりがいのある仕事(プロジェクト)に魂を注ぎ、誠実に取り組むことは決して悪いことではありません。でも、一つのやり方に固執してしまうと、目標達成につながる別の手段やチャンスを見落としてしまうことにもなります。メリーランド州のマウントセントメリーズ大学で心理学の教授を務めるエリザベス・ウィリアム博士いわく、柔軟性に欠ける人は、一つの道に固執しすぎて他の機会を見落とす傾向にあるとのことです。「一つの方法を貫くタイプは、早く結果にたどり着けるかもしれません。でもちょっと寄り道をしてみると、予想外の展開が待ち受けていることもあります。長い目で見ると、その方がよりよい結果につながることもあるでしょう。」
自分が力を注いでいる課題とも、たまには距離を置くことが大切です。頭のゴチャゴチャを整理するのもそうですが、少し放っておくとまた違う視点から見ることができたりするものです。それにインスピレーションは、どこからともなくやって来る。仕事終わりに同僚と飲みに行けば、社内の有益な情報が得られるかもしれないし、上司の言動に対する理解が深まることもあります。数分ネットサーフィンするだけでも、今手掛けている課題に役立つ情報に出くわすかもしれません。
🔴リスクをたくさんとる
自分が「ツイテいる」と思う人は、知らない人とも積極的に会話をし、自分から仕事をつかんでいく傾向にあると言います。詳細を調べる前から否定的になるのではなく、「この仕事もおもしろそうだから調べてみよう」と前向きに考えてみると、予期せぬ「幸福」に恵まれるかもしれません。そうすることで一度いい結果が得られると、「目標は達成できる」という信念もますます強まるそうです。
リスクを取るタイプの人は、ネガティブな感情を頭の中から追い払うのが得意です。頭の中の「ネガティブな声」はあなたの人生の邪魔をしたいだけ。チャンスを拒まない人は、自分の感情や直感に耳を傾け、少し不安があったとしても、「やってみよう」ととりあえずやってみる人が多いということです。それでも踏み込めないときは、「たとえ失敗に終わったって、世界の終わりじゃない」と自分に言い聞かせるのが効果的なのだそうです。それに、やってみると、「思っていたほど悪くなかった」と思うことも…。やらない後悔よりも、やった後悔の方が、数年後振り返ったときに誇りに思えるはずではないでしょうか。
🔴失敗を重く捉えない
誰でも失敗した後は、少なからず落ち込むものです。しかし、リュボミアスキー博士によると、計画通りにいかなくても動じないのが、幸運な人の特徴だそうです。いつまでも気を落としているのではなく、潔く次のステップへ進めるかどうかが大事なようです。
「幸せな人間は、失敗にうまく対応する適応力があります」とリュボミアスキー博士は解説しています。だから「次に訪れるチャンスを妨げるようなことや、ネガティブな考えにはとらわれません」と。幸運を呼び込むタイプの人間は、ゴールに向かう方法は一つではないことを自覚しています。たとえ夢がかなわなかったとしても、別のチャンスがすぐそこに転がっていたりすることもあります。
失敗したり挫折したことに固執するのではなく、その経験を将来に生かすことが大切。自分はこの経験から何を学び、次に成功するためには何が必要なのかを今一度自分に問いかけてみることが肝要です。全ては考え方次第で、失敗は、最終ゴールに向かうまでの通過点でしかないと思い直すのも大切です。そこから得た学びは、目標へと近づくありがたい出来事としても、きっととらえられるはずです。
🔴決まり切った毎日の習慣から脱線してみる
「変化」は生きていくうえで避けられないことです。特にお気楽な人は「なんとかなるさ」の精神でその場を乗り切る人が多いため、毎日のルーティンに縛られずに動ける柔軟性を持ち合わせています。その柔軟性のおかげで、新たなチャンスが舞い込んできたり、すてきな出会いに巡り合えたりすることも少なくないのです。
2、3日置きに、いつものパターンから抜け出す、と自分に約束してみてはどうでしょうか。それは、ほんの小さなことでもいいそうです。例えば、普段お弁当を持ってきているなら、今日は外食してみるとか、出勤ルートを変えたり、新しいフィットネスクラスに体験参加したりするだけでもいいのです。いろんな場所に顔を出して知り合いが増えれば、ある日突然すてきな話が舞い込んでくることもありえます。「大して変わらない日常から抜け出すことは、幸運を手に入れる最適の方法なのです」と統計学者、ダニエル・チップ・デンマン氏は指摘しています。
「幸運な人間になる!」と心に決めたら、自分の世界にはこもらないようにすることだと言います。「小さな幸せ」をどんなときでもキャッチできるよう、アンテナを張っておきましょう!
「柔軟性」はエゴレジ力アップのキーワードのひとつ。やわらか頭のススメですから、是非心がけてみましょう。
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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。
小野寺敦子
エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。
畑 潮
エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー
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