Vol.29 睡眠と照度

おはようございます。
人生、丈夫に寝たもん勝ち!2分間コラム。前回子供の睡眠でした。今回は、それを踏まえて夜のお部屋の明るさの環境について「照度と睡眠」のお話です。

『寝る前に明るい光を浴びないこと!!』

なぜなら、入眠ひいては睡眠リズムの崩れに影響するから。
最低でも寝る前1~2時間から明かりを暗めに設定することが良い睡眠を促す秘訣です。
特に、小さなお子様をお持ちのご家庭は夕食が終わったら、睡眠モードに持っていくために、お部屋は暗めの照明設定にすることも、子供の睡眠リズムを整えるのに有効です。

ポイントはメラトニンという入眠を促すホルモン。
朝日をしっかり浴びてセロトニン(メンタルバランス調節などを担う)を出しておくと、
このセロトニンが原料となってメラトニンへと変換されて15~16時間後に、入眠を促す物質として放出されます。ちょうど寝る1時間前ぐらいから出始めるといわれています。

なので、良い眠りを促す物質「メラトニン」を出したかったら、朝に強い光を浴びておく必要があることが条件です。

さらに、このメラトニンの放出は光に左右されます。
強い光を浴びてしまうと、放出ストップ!となってしまうのです。
つまり、寝る前に強い光を浴びないで!!ということ。

では、どのくらいの強さでメラトニンは影響を受けるのでしょうか?

光の明るさを表す単位には、カンデラ(光度)やルーメン(光速)やルクス(照度)があります。
ここでは、電灯自体の光源の明るさではなく、照らされた面の明るさ=ルクス(ザックリといえばお部屋やあなたの周りの明るさ)を指します。
なので、光源からの距離や位置によって変わってしまいますが、大体普通に生活した場合と考えてください。ものすご~く広い大広間の端っこの電気を点けて反対の端っこで受ける明るさではありません(笑)

200ルクス、500ルクス、1000ルクス、5000ルクスと同じ部屋で比べた時に、500ルクス以上の時は、メラトニンの放出が、急激に減少していきます。
1時間浴びると、500ルクスでは60%以下になってしまいます。
更に、波長の短い青白い光=ブルーライトでメラトニンの放出は顕著に抑制されます。

つまり、『良い眠りにつきたかったら、帰宅後食事と用事を済ませたら、寝る前は暗めのライトかつ暖色系ですごすこと。』

では、私たちの日常の光環境はどうなっているのでしょう?
もちろん、昼間はしっかり明るいところで作業するのは大事です。

  • ちょっと雰囲気の良い暗めの設定のバーや居酒屋さんが、大体30~100ルクスぐらい。
  • 街の街灯の下が100ルクス程度。
  • 日没後の普通の電灯を点けた居間は、大体200~500ルクス程度。
  • オフィスの明るさは500~1000ルクス。
  • スーパーマーケットやコンビニが、750~1000ルクスぐらい。高原に近寄るともっと明るいかもしれません。
  • PCの前で作業をしていると、300~500ルクスはあります。

我々日本人は、かなり明るい環境で夜も過ごしているのです。
寝る前の寝室や居間の理想のイメージは、外国映画に出てくるお部屋ぐらいの明るさ。
オレンジ系の光で間接照明で思ったより暗い?ですよね。アレです。

メラトニンの放出を止めない光環境を作る。良い眠りを迎える秘訣です!
ポイントは照度とブルーライトを避けること。
できるところからでよいのです。電球を変えてみたり、間接的にしてみたり、TVは近くで見ない、夜中にコンビニなど明るいところへは行かない、寝る1~2時間前までにPC作業は終える、など工夫をしてみてください。

それでは、今夜も良い眠りを・・・「人生、上手に寝たもん勝ち!」

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
研修講師/薬剤師/睡眠改善シニアインストラクター(日本睡眠改善協議会)

埼玉県出身。薬科大学卒業後、営業職に従事。医療の現場で心を病む人が増加している現状を目の当たりにし、心理カウンセラー資格を取得。その後、睡眠問題を深く掘り下げるためメンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる中で、睡眠は心と体を元気にし、目の前のあなたに笑顔をもたらす!と確信を得る。
日本にわずか10名ほどしか存在しない『睡眠改善シニア指導員資格』を取得(H29年3月現在)。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』に関するセミナーや、講演活動、『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、企業研修・安全大会講演を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。

新聞連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

 

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