| スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。 エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。 |
ウェルビーイングの研究に、「社会的ウェルビーイング」という概念があります。それは、個人の幸福を「どれだけポジティブな感情を感じているか」だけでなく、社会の中で人と関わり、つながりを持ち、自分も社会の一員として機能しているという側面から捉える考え方です。そこで今回は、この社会的ウェルビーイングについてのお話です。

目次
私たちは一人だけで生きているわけではありません。家族、友人、職場の人、地域の人など、さまざまな人との関わりの中で暮らしています。そこで注目されるのが、「社会的ウェルビーイング」という考え方です。
社会的ウェルビーイングは、単に「人間関係が多い」「たくさんの人とつながっている」ということだけを意味するものではありません。社会の中で人と関わり、自分もその一員であると感じながら、周囲との関係を保ち、自分らしく生活できている――そんな、「社会の中でよりよく生きること」を捉える考え方です。
心理学者Corey Keyesは、社会的ウェルビーイングを、社会との一体感、他者への受容、社会への貢献、社会の発展への期待、そして社会を理解できるという感覚など、5つの側面から捉えています。

人とのつながりには「柔軟性」がある
社会的ウェルビーイングについて、私たちの日常にある「人との距離」に目を向けてみると、興味深いことが見えてきます。人間関係は、いつも同じではありません。
親しい人とは、じっくり話したい日もあれば、少し一人になりたい日もあります。
仕事では協力して関わる必要があっても、仕事が終われば、少し距離を置きたいこともあります。
悩みを抱えたときには誰かに頼りたくなる一方で、自分一人で静かに考える時間が必要になることもあります。
つまり、人とのつながりには、「近づくこと」も「距離を置くこと」も、どちらも必要なのです。
大切なのは、いつも同じ距離を保つことではなく、状況や相手との関係、自分自身の状態に応じて、関わり方を調整していくこと。
たとえば、
✓ 親しくなりたいときには、少し心を開く
✓ 疲れているときには、無理に合わせず距離を置く
✓ 助けが必要なときには、人を頼る
✓ 関係が変化したら、関わり方を見直す
✓ 一度離れても、必要なときには再びつながる
こうした「関係のしなやかさ」は、社会の中で自分らしく過ごすための一つの大切な要素と考えられます。

社会的ウェルビーイングとエゴ・レジリエンス
この「状況に応じて関わり方を調整する」という考え方は、エゴ・レジリエンスとも深く関係しています。
エゴ・レジリエンスは、心理学において、環境や状況の変化に応じて、自分の感情や行動、統制のあり方を柔軟に調整できるパーソナリティ特性として研究されてきました。
特にLetzring、Block、Funderらは、エゴ・レジリエンスを「状況に応じて自分の統制の程度を変化させる動的な能力」として説明しています。
つまり、エゴ・レジリエンスは、
「いつでも前向きでいること」でも、
「何があっても我慢すること」でもありません。
必要なときには力を抜き、必要なときには自分を整え、状況が変われば、また別の対応へ切り替えていく。そこには、「しなやかに変化できること」という特徴があります。
人間関係でも同じです。「誰とでも仲良くしなければならない」と考えてしまうと、関係そのものが負担になることがあります。
反対に、傷つかないようにすべての人との距離を遠ざけてしまえば、孤独を感じることもあります。
だからこそ、
近づきすぎず、離れすぎず、そのときの自分と相手に合った距離を探していく。
その「調整する力」に、エゴ・レジリエンスのしなやかさを発揮することができます。
それは、「人との距離を自由自在に変えればよい」という意味ではありません。相手の気持ちや状況も考えながら、自分の状態にも気づき、必要に応じて関わり方を見直す—そのような柔軟な調整が大切なのです。
ここで大切なのは、「ちょうどいい距離」に決まった正解があるわけではない、ということです。
昨日は楽しく話せた相手でも、今日は少し静かにしていたい。
以前は親しかった人と、生活環境の変化によって関係が変わる。
仕事では深く関わるけれど、プライベートでは一定の距離を保つ。
そうした変化は、必ずしも人間関係の失敗ではありません。人生の状況や自分自身の状態が変われば、人との関わり方も変わっていくのが自然なことなのです。
エゴ・レジリエンスの視点から見ると、「一度決めた関係の形を守り続けること」よりも、
「今の状況に合う関わり方を必要に応じて選び直せること」に意味があります。

社会的ウェルビーイングを育てる、小さなヒント
では、日常の中で何ができるでしょうか。特別なことをする必要はありません。
まずは、自分の人間関係を「近い・遠い」の二択で考えず、もう少し細かく眺めてみることです。
「この人とは、今はどのくらいの距離が心地よいだろう?」
「今日は誰かと話したいだろうか。それとも、一人の時間が必要だろうか?」
「無理をして相手に合わせていないだろうか?」
そんなふうに、自分の状態と人との関係を少しだけ見直してみることです。
そして必要なら、
◆ 近づく。
◆ 離れる。
◆ 頼る。
◆ 断る。
◆ もう一度つながる。
その選択肢を持っておくことです。
人間関係を「固定されたもの」ではなく、「その時々で調整していくもの」と捉えること。それもまた、しなやかに生きるための一つの方法なのかもしれません。

以上、エゴレジ研究所から、社会的ウェルビーイングについてご紹介しました。人間関係には、「いつも正しい距離」があるわけではありません。そのときの自分と相手に合わせて、少しずつ距離を調整していく。その時々に合った方法を選び直せること。人とのつながりを大切にしながら、自分自身も大切にする。そんな「関係のしなやかさ」もまた、私たちの心の可動域を広げてくれるのかもしれません。
エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。
あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>
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代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
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GM 畑 潮/心理学博士 GCDFキャリアカウンセラー 健康リズムカウンセラー |

















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