「占い」は心の整理ツール?!

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

占いとメンタルヘルスの関係については、占いが単なる娯楽を超えて、心のケアとして役立つ側面を持つことが指摘されています。占いを通じて自己理解を深めたり、ストレスを軽減したりすることで、日々の生活が少しずつ変わる可能性があります。そこで今回は、占いとメンタルケアについてのお話です。

占いと心理学

占いと心理学は一見、まったく異なる分野のように感じられます。しかし、その根底には「人間の心や行動を理解し、より良い人生を送るための手助けをする」という共通の目的があります。
心理学は科学的な方法で人の心の動きや行動パターンを研究し、心のメカニズムを明らかにしようとします。一方、占いは古くから伝わる伝統的な知識や象徴を使って、個人の未来や性格、運勢を読み解く技術です。
この両者の相性が良いと言われるのは、占いが心理的な気づきを促すツールとして機能する点にあります。占いの言葉やシンボルは、無意識の内に抱えている思考や感情を表面化させることができるため、自己理解を深める助けとなります。心理学の視点から見ると、占いは自己探求の一環として、自分自身の内面を見つめ直すきっかけになるのです。

また、心理学的アプローチで占いの結果を分析すると、単なる予言以上に、自分の価値観や潜在意識を理解するヒントが得られます。これは、自分の人生に対する主体的な選択や行動を促す役割も果たしています。つまり、占いは心理学的な自己分析を補完し、心の整理や問題解決のための有効なツールとして活用できるのです。心理学研究では、占いが単なる迷信ではなく「自己理解・感情整理のためのツール」として機能するというエビデンスを示しています。

占いの心理的効能

心理学的には、占いは「当たる・外れる」の問題ではありません。占いは、人が自分の感情を言語化するプロセスであり、内省(self-reflection)を促す“物語づくりの道具”です。
占いは意味づけ・不確実性低減・感情の言語化を通じて一時的な精神安定をもたらすことも報告されています。

2025年に発表された国際社会科学誌 Social Sciences の研究によると、占星術が人の自己理解・感情整理・アイデンティティ形成にポジティブな影響を与えることが分かりました。この研究では、異なる文化圏の占星術を比較し、それぞれが“心にどう効くか”を分析し、占いが自己理解やアイデンティティ形成を促す「意味づけ装置」として働くことを指摘しています。文化横断的な比較によって、占星術や伝統的占術が個人の感情整理に寄与するという観察的証拠がまとめられていると言えるでしょう。

実証研究では、不安や不確実性が高い人ほど占い情報を受容しやすいことを示しています。日本の研究では、占いやおまじないに対する態度を尺度化し、情報処理スタイルや制御焦点(促進/予防)との関連を示す結果が報告されています。これにより、占い利用が動機的要因(ポジティブ追求/ネガティブ回避)と結びつくことが示唆されます。

また、占いはストレスや不安を軽減する効果もあります。人は未来が不確かだと感じるとき、不安や迷いを抱えがちですが、占いの結果を受け入れることで、心理的な安心感を得ることができます。これは「認知的再評価」という心理的メカニズムであり、困難な状況に対して新たな見方を提供し、心の安定を促します。

さらに、占いを活用する際には心理学の基本的な考え方、つまり「自己効力感」や「自己決定理論」を念頭に置くことが重要です。占いの結果をただ受動的に信じるのではなく、自分の意思と責任を持って行動することで、より良い結果を引き寄せやすくなります。
占いはあくまで人生のヒントやガイドラインであり、最終的な決定は自分自身にあることを理解しておくことが大切です。

「的中感」の心理学的メカニズム

しばしばテレビや雑誌などでは,その日や週の運勢占いを目にします。あまり信じていないつもりなのでも、ふと思い返してみると「当たっていた」ということがあるためか,ついつい注目してしまいます。こうした「的中感」の心理学的メカニズムは、主に以下の要素によって説明されます。

バーナム効果:占いの内容が曖昧で一般的な性格描写であるため、受け手が自分に当てはまるように錯覚しやすい現象です。
通常、誰でも当てはまるような言葉を「まさに自分のことだ」とは思わないでしょう。ところが一定の条件下では、それが自分だけに当てはまるように感じてしまうのです(個別化)。重要なのは結果ではなく、自分が選択したということです。自分で選び、その結果が下されたというシチュエーションが、当たったように感じさせるのです。また、他人からの承認欲求が高い人はバーナム効果が効きやすいことが、これまでの研究でわかっています。これはバーナム効果によって、「自尊心」や「安心感」が満たされるためだと考えらえています。

確証バイアス:バーナム効果を高める要因の一つ。自分にとって都合のいい情報ばかりを無意識的に集めてしまい、それ以外を無視してしまう傾向です。抽象的な言葉を自分の都合のよい事実に結びつけ、それ以外を無視することで、もしかしたら、いつも以上の力が発揮されることもあるかもしれません。

自己成就予言:占いの結果を信じることで、無意識にその結果を引き起こす行動をとる現象です。たとえば「今日は積極的に行動すると良い」と言われて本当に積極的に動いた結果、成功体験が生まれる—といった現象です。

偶然の一致の過大評価:実際にはランダムに起こる出来事でも「占い通りだ」と感じやすい現象。村上(2005)の研究では、雑誌占いの的中率は約25%程度で、偶然の一致と大差ないことが報告されています。

曖昧さの解釈:「気持ちが落ち込みやすい時期」など、解釈の幅が広い表現は、どんな状況でも「当たった」と思いやすいようです。

これらのメカニズムを踏まえて、実際に占いを心の整理に活用する際は、次の点にも注意することが重要です。

●依存化を避ける 占いはあくまで参考材料の一つであり、最終的な決断は自分自身ですべきです。

●批判的思考を維持する 占いには解釈の幅があり、100%正しいとは限りません。占いの結果を鵜呑みにするのではなく、冷静に受け止めましょう。一つの占いだけで判断するのではなく、複数の占術を組み合わせて参考にすると、より客観的な分析が可能になります。

●深刻な問題は専門家に相談する 占いは補助的なツールであり、専門的なケアを代替するものではありません。必要に応じて専門家のサポートを受けることもセルフケア・メンタルケアの一環です。

占いと心理学の知識を活かしながら、心身の健康を大切にしましょう。

以上、エゴレジ研究所から占いとメンタルケアについてご紹介しました。占いと心理学を合わせれば、何かに迷って躓いたとき、何が起こっていてどうしたらいいかわからない時、状況をきちんと把握できるようになります。占いの結果に振り回されず冷静に受け止める姿勢を持ち、自己決定の責任を自分で引き受けることが大切です。占いと心理学の力をバランスよく活用し、自分の心に寄り添いながら前向きな選択をしていきましょう。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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