必要保障額の計算を延々としております今日この頃ですが、ちょっと寄り道。保険会社に勤める私がオススメする保険屋の選び方をお教えします。
そもそも保険は、数あるリスクヘッジの1つでしかありません。「何かあった時の手段=保険」ではないのですね。決して万能ではないですし。今計算している山田家の奥様は専業主婦です。子供がまだ小さく、小学校に上がったとしても学童の問題などあって、なかなか就労の機会を得る事が難しいかもしれませんが、妻が働くというのも、立派なリスクヘッジの手段となります。
何か起こった時に必要となる必要保障額の計算結果は、どれだけリスクヘッジの手段を持っているかで大きく変動します。鉄板の不動産投資や株はもちろん、最近ではビットコインなんかにもよく出くわします。これらの資産は、必要保障額を減らす場合もあれば、逆に増やしてしまう場合もあります。
が、そもそもバランスがどうなんだろう、と首を傾げざるを得ないご家庭が実に多いです。死亡、就労不能、病気、老後、事故の5つのリスクをバランスよく守っているご家庭に出会ったことは、今まで一度もありません。もちろんキャッシュが潤沢にある場合であれば、保険の出番はあまりないです。しかしそんな場合でさえ、自分と自分の家族が日常どんなリスクにさらされているのかを必要十分に捉えてはいないし、そんな事を考える機会はめったにないので、これは仕方のないことだと思います。なので、まずはヒアリングを重ねてリスクをあぶりだし、リスクヘッジの「核」となるお相手の価値観を掴むことが、保険設計の第一歩です。ヒアリングは1回につき1時間から2時間程度になります。丁寧に聞くとどうしても時間がかかります。しかし、お客様のお話を伺いながら、我々はお客様も気づかない「核」を探っています。最近のマーケティング用語でインサイトと呼ばれているものになります。「核」がお客様の「テーマ」になり、それがあって初めて、設計ができるのです。探り当てた「核」がドンピシャなら、お客様は必ず「そう!そうです!その通り!」と仰います。この瞬間が堪らないのですけどもね。
なので、保険屋が来たら避けずにどんどん話をしてみてください。そしてあなたの「核」をはっきり言葉にして示してくれる保険屋かどうかを確かめてください。あなたの「核」を導き出してくれる保険屋が、きっと長いお付き合いになる担当者なのだと思います。
さて次回は山田家の就労不能時の計算をやります。やりますよ!
水原 曜(みずはら ひかる)
2014年 住友生命保険相互会社東京本社入社。
「人生最後の転職先に保険会社を選んでしまう」という大ポカを犯してしまうもどうにか乗り越え、2017年4月より指導職に。部下に踊らされる毎日。
個人、法人問わず、フローとストックのバランスを重視した中長期的「無理しない」リスク対策のコンサルティングが最も得意です。
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