夜の「眠気」の重要性

はじめに

よく、寝落ちするといいますが、落ちないように毎晩毎度、眠気と戦っていませんか?
締め切りなどがあると、徹夜覚悟で仕事をしなければならない日もるかもしれません。
でもね、それが毎晩のように続くと。。。今回はそんなお話です。

夜の眠気と戦う怖さ

実はまだ、覚醒から睡眠へ移行するメカニズムは詳細にはわかっていません。
しかし、「寝落ち」とは言いえて妙。イギリスの数学的なプローチによる研究結果から、覚醒から睡眠への切り替わりは急激なものである。ということが分かりました。

1000人以上の脳波データをもとに解析しています。複数のファクターを座標として扱い(数学ですから)覚醒時の座標から、睡眠時の座標までの距離を「睡眠距離」としました。

通常の人の場合、入眠する10分前ぐらいまでは、睡眠距離はほぼ一定に保たれるが、その後徐々に距離が減少し始めて、最後に急激に減少することが判明しました。
この急激な変化が起きる点を「転換点」=「もはや覚醒に引き返すことが難しい地点」としました。

転換点に達する前には、「臨界減速」という前兆があり、覚醒維持がだんだん難しくなる状態をしまします。
通常寝る準備をして床に就く時は、眠気と戦わないで眠りますので、この臨界減速の長さはそう長くない。いわゆる理想の入眠時間と言われているのが5~10分なわけです。

この転換点は、入眠(睡眠状態の脳波に入る)の2.25分前(グループレベルでは4.5分前)に現れることが判明。
転換点を過ぎると急激に睡眠距離は減少するため、睡眠状態は突然のようにやってくると言えます。

さらに、この転換点は70%が、意識がまだある時=覚醒状態の時にやってきます。
まさに寝落ちる感覚です。普段も気づいたら眠っていますよね?

そして、脳の部位により、転換点が異なることも判明。後頭部は前頭部より先に転換点に達する。

これはあくまでも私の解釈ですが、動きに関わる・視覚等感覚に関わる・生きるための脳が先に眠りにつき、考える脳は遅れて眠りにつく。つまり体が先に寝ても思考感情=頭はまだ起きているこの時間帯に起きやすいのが金縛りともいえるのではないか。金縛りはレム睡眠中だけでなく、そのちょっと前から起こる可能性があるのかも。

だとすると、意識して眠気に逆らって転換点を迎えると、先に体が臨界を超えてしまうため、転倒などのリスクが上昇するのではないか?!デスクやPCに頭をゴツン!
「眠気と戦う」のは危険を伴う行為です。戦いの先には睡眠状態が待っているのです。
昼間のマイクロスリープに至る睡眠距離と、夜間の睡眠距離は異なるとは思いますが、運転をイメージしていただけると危険性が分かり易いと思います。

そして、臨界減速時間がほとんどないオヤスミ3秒タイプさん、毎晩寝落ちタイプさんも危険です。助走がない。つまり、脳がそれほど早く睡眠状態=脳の休息を迎えなければもはやもたないという脳の悲鳴です。
ありがたいことに、しばらくはその状態でもがんばれます。またその状態に慣れてくれる脳と体を持つ方もいます。でも、大概は最終的に体または心を壊します。

さらに、私が考える「眠気と戦う」リスクは、不眠症につながるということ。
どういうことか?眠気と戦った結果、転換点を回避できることもあるわけです。眠気をやり過ごすとまたしばらく起きていられる。
この回避を毎日のように繰り返してしまう。すると脳は興奮しっぱなし。過緊張・過覚醒モードに突入です。

・眠気が来ても眠らないことを脳が覚えてしまう。
・睡眠不足により脳機能が低下し感覚が鈍くなり眠気を感知する機能が落ちる。
・さらには、自律神経の乱れや睡眠に関わるホルモンバランスが崩れ眠気がやって来ない。
・中々眠れなくなる

毎晩々々「本睡眠に至る眠気と戦いつづけること」は睡眠障害の入り口です。

まとめ

眠気を感知する能力は人間の脳に備わった大事な感覚。眠くなったら寝る。理想論と言われるかもしれませんが、眠気を侮るなかれ。自分の体も労う必要が出てきたカグジョ世代にとって、まだまだ長いこの先の人生を考えると、それが健康でハッピーに長生きできる秘訣でもあります。

それでは、今夜も良い眠りを・・・☆

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
薬剤師/睡眠改善インストラクター(H29年現在)薬科大学卒業後、営業職に従事。その後メンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる。2011年独立。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』や『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、セミナーや講演、企業研修を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。
スリープ・パフォーマンス カンパニー https://sleep-perform.com/
快眠サロン水月~mizuki~   https://mizuki-kaimin.com/
新聞コラム連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

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